産経新聞の記事で、現在の第6波の主流であるオミクロン株の重症化率は、これまでの新型コロナウイルスに比べてかなり低く0.1〜0.2%程度にとどまると報道されている。どこがまとめたとは書いていないが、産経新聞独自の集計なのかな。
記事は次のとおり。
第6波重症患者は0・1% 第5波から大幅低下
2022年1月28日(金) 0:20配信【産経新聞】
新型コロナウイルスの新変異株「オミクロン株」が流行する「第6波」で、新型コロナ患者に占める重症者の割合は0・2〜0・1%程度にとどまっている。デルタ株による昨夏の第5波の感染急拡大時は1%程度に及んでおり、大幅に低下していることが判明した。26日時点の重症者数は537人と第5波の入り口と同程度で、今後、感染流行の抑制による重症者の増加防止が重要になる。
「オミクロン株は重症化しにくい」という従来の見方が、実際の感染・療養状況で見て取れた。早期の感染ピークアウトが実現できれば、第6波での新型コロナによる死者数が過去の波と比較して大幅に抑制される可能性がうかがえる。一方、第5波を上回る感染者数の増加などに伴い病床は逼迫(ひっぱく)しつつあり、引き続き警戒が必要だ。
厚生労働省が公表している日々の感染動向などから、感染が確認された無症状者を含む新型コロナ患者数と重症者数を調べた。患者数は日々の新規感染者数が上積みされていく。一方で、有症状者は発症後10日間以上、無症状者で10日間などの期間を経て療養解除となる。
1月中旬以降の新規感染者の急増に伴って患者数も増加。患者数は21日に25万人超になり、約23万人だった第5波のピーク(昨年8月29日)を上回った。26日時点では約41万6千人で第5波ピークの約1・8倍になっている。
第6波の重症者数は患者が5万人を超えた1月12日に125人となり、約10万人となった15日に235人。患者が15万人超の18日には281人、26日は537人となっている。患者に占める重症者の割合は1月中旬以降が0・3〜0・2%程度、下旬は0・2〜0・1%程度で推移している。
昨年の第5波で重症者が現状と同程度だったのは、感染の急拡大が確認され出した7月下旬。患者が5万人を超えた7月29日で重症者は626人、約10万人だった8月5日に1020人になり、9月3日には最多の2223人に達した。重症者の割合は感染拡大が顕著になった7月下旬以降、患者数がピークになった8月29日まで1・3〜0・9%。ほぼ横ばいで、患者数の増大に伴う大幅な上昇などは見られなかった。
(記事ここまで)
昨日1月27日に報告された1日あたりの新規陽性者数は78,931人で記録を更新したが、重症者は今のところ非常に少ない数にとどまっており、
ECMONETによればECMO装着者数も増えていない。オミクロン株では咽頭痛(のどの痛み)や発熱、頭痛などが症状としては多く、流行が拡大してからある程度経過した今になっても、気付かないうちに命の危機に陥るような「これまでの新型コロナウイルスで怖かった展開」、たとえば「自宅で亡くなっていた例」などはほぼ報告がない。
若い人の感染が多いので、これが高齢者などに広がった場合には重症化率は上がるかもしれない。しかし少なくとも、若い人には「これまでほどは怖がらなくていい新型コロナウイルス」になっているように見えるし、高齢者や持病があるなど感染に弱い人でも、命に関わる人の割合はデルタ株までに比べてかなり低い水準にとどまりそうだ。
感染力は強いので、たくさんの人が感染すれば、重症化率が低くても重症になる人は増える。新型コロナウイルスの感染が話題になり始めてから2年あまり。「気にしなくていい」「ただの風邪」という人は日本では一貫して少ない割合で推移し、多くの人はかなり警戒して慎重に生活してきた。そのことは、日本の人口あたりの死亡者数が少ない結果につながっていると思う。
オミクロン株の急激な感染拡大に対して、国も地方自治体も「これまで」とは違う対応をしている。たとえば保健所では状況に応じて追跡調査の範囲を変更したり、当初は全例入院としていたが施設や自宅待機を増やしたり、入院病床を増やしたりしている。しかし新規陽性者数の増え方がこれまでよりかなり大きい規模になっているので、追いついていない部分がたくさんある。
昨日1月27日から「まん延防止等重点措置」に北海道-青森-山形-福島-栃木-茨城-静岡-石川-長野-大阪-京都-兵庫-岡山-島根-福岡-佐賀-大分-鹿児島の18道府県が追加され、計34都道府県になった。ネット上のアンケートでは、まん延防止等重点措置が適用されてもあまり生活態度は変わらないと答える人が多数を占めているが、新規陽性者数が増えたと報道されたあたりからみんな気をつけているように見えるので、それでも集まってワイワイしちゃう人向けの効果が発揮できれば意味はあると思う。あと要請に従ってくれたお店への補償もできるし。
私の個人的な印象としては、オミクロン株は「インフルエンザ並みに警戒しておけばいいのではないか」と思っている。インフルエンザは普通の風邪よりは怖い。自分がインフルエンザに感染した時は、診断時は「これがインフルエンザならこれまでの風邪は全部インフルエンザだ」程度に思ったが、その後数日間はかなり強いだるさと発熱に見舞われた。かからないに越したことはないと思ったし、高齢になって同じくらい具合悪くなったら、下手をすれば命を落としたりするだろうなとも思った。
それと同じくらいにオミクロン株も怖がっておくので良いのではないかと思う。インフルエンザが流行っている時には、かかったら仕事を休むし、学校で流行ったら学級閉鎖や休校になる。オミクロン株の感染力はデルタ株の4倍だとか16倍だとか、ステルスオミクロン株はさらにその倍だとかいろいろ言われているが、実際の感染力はわからない。インフルエンザよりもうつりやすいのなら、かからないようにするにはインフルエンザ流行期以上の感染予防を続ける必要がある。
というわけで、重症化しにくいが感染力の強いと思われるオミクロン株を上手に国ぐるみで手なずけるには、爆発的な増加で社会が動けなくなる事態を防ぎつつ、でもある程度の割合の人が感染してしまうことは容認しつつ、その上でもし可能であればたくさんの人が軽くかかって集団免疫を持つ状態に持ち込めれば、「今回も日本はうまくやった」と評価されると思う。でもそううまくはいかないと思うので、感染による集団免疫は目指さずに基本的には今まで通りの対策で進むのが最善かな。
寒さも厳しい時期なので、気をつけてお過ごしください。
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