
11月16日(火)午前10時から午後3時まで、鹿児島県老人福祉施設協議会に加盟している施設の介護・看護職員などを対象に「より良い看取りができるようになる」という講座の講師をしました。ネット経由で。

研修なので、ちゃんと聞いていることがわかるように、聴講する人のビデオはオンでという指示。なんとなくですけど、話をする側としてもその方が手応えが少しは見えてやりやすく感じます。

今日は高齢者向け施設の職員の人に話すので、全体の組み立て、必要な資料の収集、スライドの文言の選び方など、基本的には一から組み立てました。流用できるものも全部見直したので、準備には15時間以上かかったと思います。多分。
今日の構成は
・1時間目 日本の死は急速に変化している
・2時間目 命が終わりに近づいている時、人の体には何が起きているのか
<昼休み>
・3時間目 コミュニケーションの抽斗(ひきだし)を増やそう
・4時間目 より良い看取りができる人になるために
としました。

病院で亡くなる人が少し減り始め、自宅で亡くなる人は少し増えているけれども、高齢者向け施設で亡くなる人は急激に増えています。なぜその変化が起きているかをいろんな角度から解説し、変化に対応する必要性を感じてもらうようにするのが一時間目の主題。

2005年と2016年で比較すると、全体の死亡者数が大きく増えている中で、病院や自宅での増え方に比べて、高齢者向け施設での看取りが急速に増えていることがわかります。

利用者さんやそのご家族は「以前の常識」を持っていることが多い。今の常識で説明しても、以前との違いを意識していないと共通の理解には至りにくいというのも、今日伝えたかったことの一つ。

高齢者向け施設で「良い看取り」が増えていけば、日本が幸せになる。というスライド。みんなでちょっとずつ、頑張りましょう。

2時間目は、命が終わるというのはどういうことかという時間。高齢者向け施設では「老衰」のパターンが多いと思うので、老衰について考える材料を、特に多めに盛り込みました。

3時間目の「コミュニケーション」の具体例の後は、4時間目「より良い看取りができる人になるために」。

典型的な老衰死を何例か経験すると「看取りができる人になった」と思いがちですが、それだと「難しい看取り」に対応できない。難しい看取りを見逃さず、適切に対応できてこそ「プロの仕事」だと思います。これも、今回新しく作ったスライドの一つ。

途中には、いつものように「息抜きスライド」(どうでもいいスライド)を挟みました。今日も平熱で酸素飽和度も正常です。2020年3月から、人に会う日は欠かさず記録しています。

今朝の出勤時(朝は回診に行って一仕事してから講演)に宿舎の外階段から撮った新幹線の写真。

一昨日のオペラ公演の様子も挟んだり。オーケストラピットって、存在自体を知らない人も多いんじゃないかな。

この写真も、きれいなので入れちゃいました。とてもモーツァルトのオペラの写真とは思えない。
今回の研修は、ちょうど1年ぐらい前に依頼されて、感染状況がどうなるかわからないのでWEBで、と最初から言われていました。今の日本の感染状況だと対面でもできたかなとは思いますが、そうなると逆に鹿児島まで往復の時間を確保しなければならないので無理か。「次は是非来ていただいて」と言っていただきました。
自分の画面は2画面にしたものの、1つを「発表者ツール」もう1つを「実際に共有している画面」にしていたので、受講している人たちの顔はほとんど見えませんでしたが、ちらちら見た感じでは、皆さん熱心に、楽しみながら学んでいただけたのではないかと思います。180以上の施設の250人近い方に聞いていただいていたようです。より良い看取りが増えるお手伝いになれば幸いです。
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