政府は9都道府県に発令されている緊急事態宣言を再度延長し、6月20日までとすると発表した。
記事は次のとおり。
緊急事態6月20日まで延長、諮問了承 東京など9都道府県
2021年5月28日 9:06 (2021年5月28日 12:06更新)【NikkeiWEB】
政府は28日午前、専門家で構成する基本的対処方針分科会に新型コロナウイルスの緊急事態宣言の延長を諮問し、了承を得た。31日に期限を迎える東京や大阪など9都道府県の宣言を6月20日まで延ばす。28日夕に政府の対策本部で正式決定し、菅義偉首相が記者会見で説明する。
北海道、東京、愛知、京都、大阪、兵庫、岡山、広島、福岡の9都道府県について諮った。23日に宣言の対象に加えた沖縄県も6月20日を期限にしている。(以下略、記事ここまで)
4月25日から始まった今回の緊急事態宣言は、短期で効果的な対策を打って収束させると当初は言っていて、対象は東京・大阪・兵庫・京都だった。まん延防止等重点措置では抑えられないと発令された緊急事態宣言だったが、1年前の第1回目の緊急事態宣言と比べると日本全体の緊張感は薄く、去年は移動する人がゼロに近かったが今年のゴールデンウィークはあちこち賑わっていた。
1年前と比べると新規陽性者数は10倍くらいになっている状況で、1年前より人が多く動いたことも重なって、ゴールデンウィークが終わった時点で新規陽性者数は減少する気配がなく、5月12日には東京・大阪・兵庫・京都の緊急事態宣言が5月末まで延長された上に愛知と福岡が追加。5月16日には北海道・岡山・広島も追加。5月23日には6月20日期限で沖縄も追加された。
再延長せざるを得なかったのは、新規陽性者数が狙ったほど減らず、重症者数は1400人近くと過去最高を更新し続けていて、安心できる状況になってこないからしょうがないと思う。菅政権や対策会議の見通しの甘さを非難する意見もあるが、感染を拡大するような行動を取っている人たちを抑えられなかったことが主な要因だと思うので、全部を政府の責任にするのは無理筋な気がする。
テレビでは、飲食店の店側の人が多く取り上げられている。ちょっとしか見ていないが、「これ以上休業できないので通常営業を再開した」店とか、酒類を提供しないようにという要請に反して明け方まで飲み屋をやって「おかげさまで去年の3倍の売り上げで儲かってます」って言ってる店員だか経営者とか、「うちは要請に従ってるけど、こっそり酒出してる店はいっぱいありますよ。自分もそういう店で飲むけど」みたいな人が目に付く。こういう報道をするから、見てる人の気分がゆるゆるになったり、真面目にやってる人が馬鹿らしくなったりするんじゃないのかな。
「日本の状況は大変だ大変だって騒いでるけど、イギリスなんかがものすごくたくさん感染してたくさん亡くなって、ワクチンを早く打ってだいぶ減ってきて、減ってきたレベルが今の日本と同じくらい。日本はよその大変な国から見ればさざ波のようなもの」というようなことを高橋洋一さんが言って内閣官房参与を辞めることになったが、確かに先進国の中では少ないが、流行の波は回を追うごとに大きくなってきている。流行らせちゃったら負けなんだけどな。
今年の冬はインフルエンザの感染者が激減したが、新型コロナウイルス感染者は増え続けてきた。ということは、インフルエンザに比べてもかなりうつりやすい病気だということだ。「新しい生活様式」で感染しないで済んでいると思っている人は多い気がするが、みんなで押さえ込んできて全体の感染者数が少ない状況が続けられたので、「目の前に感染者が現れなかった」ために今まで感染していないという要因の方が大きいと思う。
マスク無しで1メートル以内で15分以上の接触が濃厚接触者の基準だが、マスクをしていても、一瞬しか会話していなくても、目の前に陽性者がいて感染した人はたくさんいる。しかも多くは「目の前にいる人が感染しているとは思わなかった」「多分大丈夫だろうと思っていた」状況で、後から陽性が判明してあわてて検査し、自分も陽性だったという人を直接何人か見ている。
幸いなことに、現在接種が進められているワクチンはかなり有効なようだ。私が働いている愛和病院では、自院だけでなく近隣の医療機関の職員への接種、訪問している施設の入居者への接種、入院患者への接種はほとんど1回目は終わって2回目も半分くらい終わり、施設職員への接種、一般高齢者の接種も再来週あたりからコンスタントに打ち続ける予定になっている。普段の倍以上働いているんじゃないかと思う職員もいるし、電話対応をする事務はものすごく大変そうだが、コロナに勝つまではと思って気合いを入れて頑張っている。
高齢者に行き渡ることで、死者数はかなり減ることが期待される。でも集団免疫が期待できる状況になるまでは、コロナ前のような生活には戻せない。ファイザー/ビオンテックのワクチンは米国に続いてヨーロッパでも12歳以上に接種可能年齢が引き下げられ、日本でも5月28日に厚生労働省が了承した。社会で活動する幅広い年代、幅広い職種に接種がされれば、飲み会やカラオケができる日が多分戻ってくる。そこまで、なんとか感染爆発しないで持ちこたえたい。
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