TBS系「ニュース23」のキャスター筑紫哲也さんが、初期の肺がんで治療に専念すると番組の冒頭で公表。「自分はがんにならないという根拠のない自信を持っておりました」と言っている。
「がんになっても、あわてない」にも書いたが、同じような根拠のない自信を持っている人が日本人にはとても多い。がんで治療を受けている人に聞くと「がんと言われる直前までは、自分ががんになって治療を受けるなんて、想像もしなかった」という人が大半だ。
しかし、心筋梗塞やいわゆる脳卒中で命を落とす人が少ない今の日本では、普通に生きていれば一生のうちにがんと診断される確率は3分の1以上あるとされる。「それでも自分はかからない」と言える人は、他の原因で死ぬことが決まっている人だけかもしれない。
宣伝になるが「がんになっても、あわてない」は、「あなたはがんです」と言われた時に、人生を棒に振ってしまうほどのショックを受けないために、がんの予習をする本だ。装丁は読み物風だが、中身は実用書だと思っている。この本を読んでから毎年人間ドックを受けている人の一人は「人間ドックを受けていれば、絶対助かる状態で病気を見つけられるとは、今は思わなくなった。でも実状を知って、その中でベストを尽くすという意味で、人間ドックを受けている」と言う。
「がんになっても、あわてない」。根拠のない自信を持っている方、是非ご一読下さい。