新型コロナウイルスに対するファイザー/ビオンテックのワクチン接種が、日本では今日から始まる。ワクチンに対して不安を持っている人も少なくないようなので、現時点でわかっていることを忽那先生がまとめた記事もご紹介。
まずは記事。
ワクチン きょうから先行接種 4万人の医療従事者対象に
2021年2月17日(水)6:24配信【FNNプライムオンライン】
17日から、新型コロナウイルスのワクチンの先行接種が始まる。
河野規制改革相は16日に記者会見し、17日から「およそ4万人の医療従事者に接種を開始する」と発表した。
ワクチン接種担当・河野規制改革相「約4万人の医療従事者に対して、あす(17日)から接種を開始いたします」
河野規制改革相は、先行接種の対象の医療従事者およそ4万人のうち、「およそ2万人に継続的に観察日誌を記入してもらい、接種の安全性の調査を行う」と明らかにした。
さらに、全体でおよそ370万人と推定される医療従事者について、「都道府県に配分するワクチン量を、今週中にも決定したい」と述べた。
一方、65歳以上の高齢者については、「4月から接種を開始することを見込んでいる」と述べた。
河野規制改革相「高齢者への接種の開始の日程がなかなかお伝えできないというところは、私ももどかしく思っているし、ご迷惑をかけている部分は率直におわびをしなければいけない」
また、河野規制改革相は、ファイザー社製のワクチンについて「来週には第2便がわが国に到着する見込みだ」と述べた。
(記事ここまで)
まずは国立病院機構などの医療従事者に先行接種し、続いて医療従事者など、その次が高齢者、持病のある人、それ以外の人という順序で接種が進められていく。自分のところに来るまでずいぶん時間がかかると思う人も少なくないかもしれない。自分がワクチンを打っても大丈夫かどうか、心配な人もいると思う。
日本でワクチン接種が始まるより前に、世界各国で合計1億人以上にすでにワクチンが接種されていて、少なくとも短期的な副反応に関しては対応可能なものしか確認されていない。
ここまでにわかっていること、知っておいてほしいことを感染症専門医の忽那賢志先生がまとめた記事がわかりやすいと思ったので、ご紹介しておきます。
その記事は→
<こちら>
記事の最後の方に、医師などが「私は打ちます」とみんな言っていて、これを見ると逆に「打たせようという圧力」と感じる人もいるかもしれない。しかしここまでで1億人以上に接種されているワクチンを思惑抜きで科学的に分析して、なるべく多くの人が接種した方がいいと考えて「私は打ちます」と言っているのだと思う。
新型コロナウイルスに、ワクチンなしで集団免疫を獲得するなんて作戦で「成功」できる国はないと思う。感染だけで集団免疫を達成するまでには国民の1%以上が死亡するだろうし、その間は医療が機能不全に陥るので、新型コロナウイルス以外の原因で死亡する人も増えるだろうから、それは「成功」ではない。できるだけ感染を抑えておいて、ワクチンを間に合わせるのが最善の方策だ。
「私は打ちたくないけど、周りの人がみんな打ってくれれば、その集団免疫で何とかなるだろう」と思っている人もいると思う。しかし集団免疫で押さえ込むには、7割以上の人がワクチンを打つか感染によって免疫を得る必要がある。「打たない」派が多数になれば、抑え込むことができなくなる。それと、新型コロナウイルスの感染力の強さから考えて、ワクチンを打った人が多くなれば「打ってない人の間だけで流行」する可能性も少なくないと考える。

忽那先生の記事の中に、ファイザー/ビオンテックのワクチンが95%の感染予防効果があるとした臨床試験のグラフ
(ファイザー社のワクチンのランダム化比較試験でのワクチン接種群とプラセボ群の新型コロナ発生率の推移(https://doi.org/10.7326/M21-0111))がある。これを見ると、接種後10日目ぐらいまでの発症者がほとんどで、その後は急に接種した人の発症が減ってほぼ横ばいになっている。普通に考えれば接種後1週間ぐらいの間に発症した人は「接種前にウイルスに接触して感染した人」で、ワクチンによる免疫が成立してからの感染阻止率は95%をかなり上回っているように私には読める。
この病気によって、直接面識のある人も複数亡くなっている私としては、これ以上「ここで死ぬはずじゃなかった人」を増やしたくない。なので、私は順番が回ってきたら打ちます。
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