がんになっても、あわてない

 という本(朝日新聞出版)を書いた医者の、なんでもブログ。

 
医療関係者向け資料集「緩和ケア医のらくがき帳」も、よかったらどうぞ。

プロフィール

平方 眞(ひらかたまこと)
 緩和ケア医師
愛和病院(長野市)副院長

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投稿者:hirakata
カルストさま、おはようございます。

手術の上手い下手は、さまざまな要素で評価されます。早いことや手術成績はわかりやすい要素ですが、それ以外は現場にいる人以外にはわかりにくいです。想定外のことが起こった時に適確に対処できるかどうかも大事ですが、1回の見学でわかるはずがありません。術野がモニターに映されているならともかく、手術室の壁の向こうの見学室からでは、ほとんど見えないでしょう。緒形記者にその状況で手術の巧拙を判断できる能力があるとは思えないです。

今号では読者のページまでたどり着けていなくて、さっき見ました。放射線治療科は治療科の中では割と特殊で、初回照射前の「位置決め」が非常に重要なのでそこには時間と手間をかけますが、以後は半自動的に進められる機械が多くなっていると思います(私も現場にいるわけではないので伝聞情報ですが)。また、その場で対応が必要な副作用は少ないという特性もあります。

必ず医師が立ち会っているかどうかは、施設によって違うのではないかと思います(これも推測なので、違っていたら誰か教えて下さい)。上記のような放射線治療の特性もあって、また日本の放射線治療医が需要に比べて絶望的に少ないこともあって、放射線技師の担う範囲はかなり広くなっているようです。なので、全ての責任は医師が負いますが、全ての治療の現場にもれなく立ち会っていないかもしれません。

上の手術の話と似てきますが、「想定外のことが起こった時に適確に対処できるか」が、患者さんの命運を左右することもあります。大柴医師は大丈夫だろうと思って婚活デートに行ったのでしょうが、急変を聞いて「真道の奴っ… 何をやらかしやがった!?」「下手すりゃ死ぬぞっ!」と、独り言とはいえ素人同然の真道医師に責任をなすりつける発言をしています。私ならこんな上司のもとで働きたくないですね。

編集部の回答は、よくわかっていない世界のことを聞きかじりや拾い読みの知識で繕って、何とか絞り出したもののように感じました。私があの時の記事に書いたように、癌性リンパ管症に対する危機感が薄いのは、真道医師も大柴医師もどっちもどっちのように思います。この作品は、登場人物に適当に役割を背負わせすぎのように感じます。キャラクター設定をもっと詰めて、固めた上で描いてもらわないと、作品の魅力も薄れて読者が離れていってしまう気がします。
投稿者:カルスト
hirakata様、こんばんは。
今回の話ですが、月刊がん医療の緒形記者の描写は、私も違和感がありました。といっても、死神が見えた部分ではなく、手術の論評(?)をしていたシーンですが。いくら医療関係の雑誌の記者だとしても、手術の技量を論評できるようになるほど手術に立ち会うものなのでしょうか?

ところで、私は本編の内容より今週号の読者投稿ページの内容にびっくりしました。
第27回と28回の話ですが、大柴医師が患者の治療中に席を外し、婚活にいっている最中に患者さんの容態が急変するという話がありましたよね。この回の話について京都府の読者さんから「例えば外科医なら、主治医自らが手術を行います。大柴も、きちんと治療現場に立ち会うべきではなかったのでしょうか」という(私から見れば)至極まっとうな意見が投稿されていました。これに対する編集部の回答は、「外科医の腕が全ての外科手術と異なり、放射線治療の場合、医師が治療方針を決めて放射線技師に指示を出すといなくなるケースはよくあります。放射線治療は機械が行う治療法だからです」というものでした。近藤医師はそうだったかもしれないけど、世の放射線医はみんなこうなんでしょうか?疑問符がいっぱい浮かんできます。それに、こういう言い方をするなら、「手術はメスなどの手術器具が行う治療だからです」とか、「内科は投与した薬が行う治療だからです」って言い方もできるんじゃないでしょうか。かなり乱暴かもしれませんけど。
さらに、「真藤が大柴から責められたのは、外科としての経験値に基づき勝手な判断を下し、主治医の大柴への報告を怠ったから」なのだそうです。あの時hirakata先生が指摘されてましたが、問題なのは真藤医師が勝手に判断したことではなく、「本当に神の手と言われた臨床医?」と言いたくなるほど「何もしなかった」ことなんじゃないでしょうか。編集部もこういうことを書いていると、贔屓の引き倒しになるのではないかと思います。
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