がんになっても、あわてない

 という本(朝日新聞出版)を書いた医者の、なんでもブログ。

 
医療関係者向け資料集「緩和ケア医のらくがき帳」も、よかったらどうぞ。

プロフィール

平方 眞(ひらかたまこと)
 緩和ケア医師
愛和病院(長野市)副院長

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投稿者:hirakata
内田聖仁様、こんにちは。

単行本には「フィクションです」って書いてあるんですね。知りませんでした。単行本は近所の書店ではカバーが掛かっていて、中身を覗き見ることができませんし。なので私が言っているのはビッグコミック本誌のことです。

以前から、抗がん剤の治療を続けていると治療が効かなくなる病変が出てくること、それは同グループの他の薬に変えても効かないことはわかっていました。別のグループの薬に変えた場合、効くことも効かないこともあり、効かない場合「多剤耐性を獲得した」と言っていました。私は血液内科医だったので、抗がん剤で完治する人も診てきましたが、多剤耐性になると治癒が望み薄になってしまうので、非常に恐れていました。

小児がんの治療では、かなり昔に治療を受けた人は「とにかく命を救え」でしたが、十年以上たって別の場所にがんができる人が現れて、その後二次性発がんの研究がだいぶ進み、現在ではかなり少なくなっています。

抗がん剤が「効かなくなる」のも「がんの元になる」のも、医師はわかって使っています。私は抗がん剤治療をする医者ではないので、ADGについての説明を求められたことがなく、説明しなければならない状況になったこともないので、説明したことはないです。

愛知って何のことですか? 誰かとお間違いではないですか?

ADGというものは、遺伝子の構造が解明されているのでしょうか。私の病院が診療する範囲と、内田様の質問されている範囲がずれているようで、治療については興味と必要性を持って勉強しているつもりではあるんですが、答える材料を持ち合わせていません。
投稿者:内田聖仁
ひらかた様。こんにちは。

この漫画の単行本には「フィクションです」と全巻に冒頭に書いてありますよ。月2のビッグコミック誌なんてものは、あくまで娯楽風俗誌なので、あえて表示する必要などないと判断してると思います。

あと、この投稿文のそうですが、何度も平方様の文で気になってたのが「医師はちゃんと抗がん剤のマイナスも説明しています」と何度も書かれてたと記憶してますが、最大タブーの「反抗がん剤遺伝子アンチドラッグジーンADG」
すなわち投与4週間後に縮小したガンが耐性を持ち増殖・リバウンドしたり、傷ついた正常細胞がガン化して、どんどん再発・新しいガンをつくる可能性もあること。つまり抗がん剤の隠れた最大副作用の一つである「増ガン剤」であることについては患者には多くの医師は説明してませんよね?
 平方様は何人中何人に今までADGについて説明されたか取材がてらお聞かせください。
あと愛知の他の医師の方で投与経験のある方もお聞かせください。
「耐性を持つから次々に変えていく」までは言うようですが、その後の大事な説明をタブーにしてませんでしょうか。

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投稿者:hirakata
カルストさま、こんにちは。

「年末が近づいてくる」と覚悟したばかりのはずなのに、もう年の瀬真っ只中。例年と同じように、時間に追いかけられる年末を過ごしています。私も大晦日から元旦にかけて病院に拘束されている当番です。穏やかに新年を迎えられるといいなと思います。まあ私が忙しくても、世の中の不幸が減って幸せが増えればそれでいいんですけど。

ところで、新年1号(1月10日号)が12月25日に発売で、次号予告のところにはちゃんとこのマンガの名前も連ねてあったので、このブログもあと1回書くかなと思います。年末が忙しすぎて、12月は行事がいっぱいあったのに全然ブログ記事として書けていませんが、日記としてちょっとずつでも書ければいいな、でも他にすることいっぱいあるな、と思う今日この頃です。
投稿者:カルスト
hirakata 様、こんばんは。

天国ニョーボの件ですが、痛々しいとのご感想、私も同感です。あのような作品を書かれるくらいですから、奥様の死去は相当な衝撃だったのでしょうね。

さて、今年も年の瀬が迫ってまいりました。この作品も次回の掲載は年明けになるでしょうから、私の書き込みも次は年明けになると思います。

いきなりブログにお邪魔しましたのに丁寧にご対応いただきありがとうございました。
来年もお邪魔すると思いますのでよろしくお願いします。
少し早いですが、よいお年をお迎えください。

P.S 私の方は大晦日は夜勤になりそうです。穏やかな夜勤になることを願うばかりですが(笑)。
投稿者:hirakata
カルストさま、おはようございます。

がんの一般的な傾向として、臓器転移が見つからない段階で手術をして実は転移巣の芽があった場合、増殖の勢いが速いものは早い時期に転移再発が見つかり、ゆっくりなものは見つかるまでに時間がかかります。でも極端にゆっくりなものでない限り、5年以内には見えるようになることが多いので、5年経っても出てこないものは「転移巣の芽もなかった」とだいたい判断していい目安になります。

再発といっても術後早期の再発と数年経ってからの再発は、だいぶ意味が違います。早期に見つかるものは病気の勢いが速いものが多く、悪性度・危険度も高い。しかし勢いが速いものの方が抗がん剤が効く率が高く、完治は難しいとしても命を削られる大きさをできるだけ減らすために、抗がん剤治療が可能ならした方がいいと思います。

一方だいぶ経ってから再発が見つかるがんは、たまに「悪性度が高くなったな」と思う勢いの速いものもありますが、ゆっくりなものが多いです。(この「悪性度が高くなった」と思う症例を見るたびに「がんもどきは本物のがんにならない」というがんもどき理論と合わないなと思います) 大腸がんの転移などが代表的ですが、肝臓に1個から数個の転移が見つかっても、それをそれぞれ退治して10年単位で生きている人はたくさんいます。

真道医師も近藤誠氏も、「抗がん剤治療を全否定しているわけではない」と言いながら、薬剤によるがん治療のマイナス面ばかりを並べています。がん治療医はそういうことを説明せずに治療したりすると言っていますが、現実にはほとんどの医師はちゃんと説明しています。真道医師や近藤誠氏は逆に、デメリットばかりを言ってメリットは説明していないという意味で、同様に片手落ちに見えます。

「天国ニョーボ」全部は読んでいませんが、ちょっと痛々しい感じがしました。描くことで過ぎた時間と折り合いをつける「喪の作業」とでもいうべきことを須賀原洋行氏はしているのかなと思います。近藤誠氏の著作を読むと、闘病中に病気と、治療と、人生と折り合いをつけるのが難しくなる場合があるので、闘病前でも闘病中でも闘病後でも、読まないようにした方が幸せから遠ざからなくてすむように思います。
投稿者:カルスト
hirakataさま、こんにちは。

私も今週号読みました。
内容については相変わらず疑問に思うところが多々ありましたが、hirakata先生の感想を読んで色々と納得できました。私は5年生存率というのは、とりあえず治療が成功した目安であってその後も経過観察は必要という意味に受け取っていたので、5年生存したら治ったと言っていいという真藤医師の言葉には違和感を感じました。100%から5年生存率を引いた数字が転移率というのも妙な理屈に思えます。
抗がん剤については初期の頃とは言い方が変わってきた気がします。唐突な手術や抗がん剤すべてを否定しているわけではないという記述は、「世間で言われているようなトンデモ理論を述べているのではない」と読者に思わせるためなのかなと感じました。効いているというエビデンスがない抗がん剤があると言っていますが、それを言うなら近藤理論にも明確なエビデンスはないはず。また抗がん剤の副作用に苦しんだ方も多いでしょうが、抗がん剤が効いて普通の生活に戻った方も多いと思うのですが違うのでしょうか。どうも、近藤氏は一般人を脅す言い方が多いのが気になります。
近藤理論の危うさというか問題点については私も同感です。須賀原洋行というマンガ家さんがいらっしゃいますが、この方の奥様が乳がんからの転移性脳腫瘍で亡くなったそうです。現在はビッグコミックスペルリオールに連載している作品(天国ニョーボ)で奥様の闘病の経過を書いておられますが、読んでみると須賀原氏は近藤理論の信奉者のようで、それが奥様の治療に影響したのではないかと感じます。何しろ「抗がん剤の投与は毒を飲むようなもの」なんて書いておられますし、抗がん剤治療を勧める医師に明確な反感を抱いておられたようですから。担当医の方もさぞ苦労したのではないかと思います。
ところで川島なお美さんの手記が出版されましたが、その中で近藤医師のセカンドオピニオンが書かれているようです。他にもいろいろと興味深いことが書いてあるようですので入手してみようかと思っています。
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