がんになっても、あわてない

 という本(朝日新聞出版)を書いた医者の、なんでもブログ。

 
医療関係者向け資料集「緩和ケア医のらくがき帳」も、よかったらどうぞ。

プロフィール

平方 眞(ひらかたまこと)
 緩和ケア医師
愛和病院(長野市)副院長

カレンダー

2019年
← September →
Sun Mon Tue Wed Thu Fri Sat
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30          

過去ログ

カウンター

  • 本日のアクセス  
  • 昨日のアクセス  
  • 総アクセス数      
RSS
投稿者
メール

 
コメント
URL
コメントは新しいものから表示されます。
コメント本文中とURL欄にURLを記入すると、自動的にリンクされます。
投稿者:hirakata
カルストさま、おはようございます。

「がんもどき理論」は、がんもどきから本物のがん細胞に変異することはないとか、原発巣が見つかるときには本物のがんなら転移が完了しているなど、絶妙な、ちょっと無理筋の条件を重ね合わせて成り立っています。「間違っていました」と撤回すれば全体の説得力が低下すると考えて、静かに引っ込めているのかなと思います。

ただし、残った根拠や新しく出してくる根拠も、普遍的な事実よりは「こういう報告もある」という性格を持つものが多く、大場大医師などはそれに医学的に反論しています。近藤誠氏は、医学的に正しいと言われていることにも恣意的な操作が加わって歪んでいると主張しているので、医学的な反論は近藤誠氏にとっては堪えないのでしょう。

近藤誠氏本人は、文藝春秋社やアスコム社、小学館、熱心な支持者などの応援も得ているので、劣勢に立っているという感覚はないかもしれません。しかし「がんもどき理論は間違っている」「近藤理論を信じ込むのは危ない」という声もあちこちから上がっており、がんについて考える人が増えることによって、がんもどき理論はかなり追い詰められた状況になっていくのではないかと思います。

今回、真道医師の再反論に対しての反論をブログに書いていて、それぞれのツッコミどころを見出すのは、全く苦労しませんでした。私が近藤誠氏の主張パターンに慣れてきたこともあるかもしれませんが、「それは根拠にならないでしょう」という主張が並んでいることも、その理由のような気がします。本当に反論が困難な仮説だったら、1日でこれだけの反論を書くのは無理でした。

「きちんと考える人をだますのは厳しい」というのは、言い過ぎでした。どんなにきちんと考える人でも、さまざまな条件によって、ある話を信じるか信じないかが違ってきますね。私もオカルト扱いされているものの中に「これは真理かもしれない」と興味を惹かれる話があったりしますが、傾倒していけばトンデモさんに自分がなる危険性も、しばしば感じます。近藤誠氏の上手なところは、人のために言っている、科学的なことを言っているという姿勢を崩さずに、根拠の薄い持論をメディアで広め続けているところだと思います。信じる人が発生するのも無理ないと思います。
投稿者:カルスト
hirakata様、こんばんは。

「自分が提唱していたこの理論は間違っていた。ここはやはり正しいと思う」と言ってくれればまだ信用できますが、都合の悪い部分には一切触れなくなる人はあまり信用できませんね。

>医学医療に縁遠い人はだませても、きちんと考える人をだますのは厳しいのではないでしょうか。

この点には多少異論があります。私はきちんと考える人であっても、何かのきっかけで近藤理論に傾倒することはあると思っています。

>近藤氏に同調して宣伝に加担している人は、おそらく科学的に考える頭を持たない人なのでしょうから、近くにいる「科学的に考える頭を持つ人」が止めなきゃ駄目です。

科学的にものを考えるということに対する定義というか、どこを基準線にするかという問題はありますが、例えばビッグコミックの編集長も(科学的に考える訓練は受けていないかもしれませんが)論理的な思考をする訓練はこれまでの教育課程で受けているものと思います。また、小学館のビッグコミックスペリオールでは、奥様をがんで亡くされたマンガ家さんが、奥様のがんの告知から治療までの過程を作品の中で描いている最中ですが、標準治療にはかなり否定的な描写が続いています。このマンガ家さんは科学的な思考の訓練は受けていないかもしれませんが、大学では哲学科にいたそうなので論理的に思考する訓練は受けていたのではないかと思います。しかし、そういう方であっても近藤理論やその他の代替療法を高く評価し、抗がん剤や現在の標準治療にはかなり否定的な立場を取っています。
超能力にしても、れっきとした科学者でその存在を支持した人もいたと記憶しています。科学的に考える訓練を受けていても、トンデモ理論に引っかかる人は居るのではないでしょうか。そういう人達が事態をややこしくしているのは間違いないのですが。
投稿者:hirakata
カルストさま、こんばんは。

今週はグラフを多用して、一般の読者を自説に引き込もうという回だったのでしょうか。グラフがあると説得力が増すという意図なのかもしれませんが、一つ一つをつぶさに見ていくと、近藤誠氏が唱えている説の根拠となる部分が、かなり特殊な認識によって根拠に据えられていることがわかります。世界の趨勢がどうかということは関係なくて、自説に沿わないものは「見えない」ような思考回路を持っているのかもしれません。

早期発見・早期治療は意味がないと出したグラフが、実は早期発見・早期治療には意味があると読めたり、もっと早期に発見できれば近藤誠氏の言う“本物のがん”でも治療の意味がもっと高まりそうだというグラフでもあったり。今回は真道隼人医師の主張がいくつかあって、それぞれがまるで「ツッコんでくれ」とでも言いたげな顔をしているので、一つ一つにツッコんでみました。どれも「うーん、納得せざるを得ない」という説得力がありません。

近藤誠氏の言説を追いかけていると、ある時期には盛んに言っていたのに最近は言わない話がたくさんあることに気付きます。反論によって間違いに気付いた自説は、引っ込めているのではないかと思います。それでも残っているいくつかの話を今回「週刊新長」の記事への反論として出してきているのでしょうが、医学医療に縁遠い人はだませても、きちんと考える人をだますのは厳しいのではないでしょうか。

ただ、実際に病気になる人のほとんどは、医学医療に縁遠い人です。そういう人たちが“がんもどき理論”を信じ切っていたら、早期発見していれば1日の治療で退治できる病気を進行させて、命を何十年も削り取られ、進行がんになって辛い症状に苦しんだりすることになります。病気予備軍の人たちに「巧みに自説を喧伝して」まわるのは、医師としてはあり得ない行動です。近藤氏に同調して宣伝に加担している人は、おそらく科学的に考える頭を持たない人なのでしょうから、近くにいる「科学的に考える頭を持つ人」が止めなきゃ駄目です。
投稿者:カルスト
hirakata様、こんにちは。

最新号読みました。今週もツッコミどころ満載でしたね。
「信頼できる機関の論文だから持ち出した」。国内外の信頼できる機関から発表されている論文の多くが近藤理論に反する内容だと思うのですが、近藤氏はその点をどう受け止めているのでしょう?まあ、「それらの機関は信頼に値しない」と反論されそうですけど。それにSTAP問題で明らかになったように、論文の出所ではなく、論文の内容(再現性や実験の過程などを含めて)が重要なはずです。1つのグラフを見ただけで早急な判断はできないというのは確かにその通りだと思いますが、それをあなたが言うんですかというのが正直な感想です。総じて、前回と今回展開された近藤氏側の反論は、ほとんどそのまま近藤氏に返ってくるのではないかと思います。
さて、近藤氏側の考えか、編集部(編集長)の考えなのかは分かりませんが、私も現実と虚構、事実とフィクションをうまく混ぜて読者に提示していると思います。真道医師を神の手に設定して、真道医師と近藤氏をうまく使い分けていると思います。近藤氏はこうした宣伝の仕方は本当にお上手だと思いますね。
AutoPage最新お知らせ