がんになっても、あわてない

 という本(朝日新聞出版)を書いた医者の、なんでもブログ。

 
医療関係者向け資料集「緩和ケア医のらくがき帳」も、よかったらどうぞ。

プロフィール

平方 眞(ひらかたまこと)
 緩和ケア医師
愛和病院(長野市)副院長

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投稿者:hirakata
ぶりおさま、おはようございます。

ありがとうございます。人口ピラミッドを見てみると、1970年頃と2010年では全く形が違っていますね。1970年はまだ「ピラミッド」と呼んでも良い形でしたが、2010年は団塊の世代より上の三角形がとても大きく、そこから下に行くにつれて狭まって、五角形のような形です。上の方(高齢者数)もぐんと増えました。

この両者の中の「胃がんによる死亡」を、年齢調整もしない「実数」で比較して、早期発見早期治療には意味がないという根拠にしているのは、詭弁と言ってもいいでしょう。近藤誠氏は「死亡数が変わらない」のと「発見数は増えている」のを見比べて「ひらめいて」しまったのかもしれませんが、ぶりおさまが気付かれたのと同じように、この論には無理があると気付いて、普通ならどこかで撤退するものではないかと思うんですけど。

何度も書いていますが、この「がんもどき理論」を鵜呑みにして「早期発見・早期治療には意味がないんだ」と信じる人が増えれば増えるほど、治る病気を見つけるチャンスを捨てて命を失う人も増えるんです。早期胃がんは胃カメラで治療が完了する場合も多く、「がんかがんもどきかわからない」にしても切り取ってしまえば病気はなくなります。

いろいろな意味で不幸な人を増やしてしまう「がんもどき理論」が、20年以上も淘汰されないどころか勢いを保ち続けているのは、このマンガを含めた「メディア」が加担していることが大きな要因だと感じています。メディアも「これは売れそうだ」とか「反骨の医師」とか飛びつかないで、中身を科学的・論理的に吟味する癖をつけないといけないと思います。
投稿者:ぶりお
初めてコメントさせていただきます。
あのグラフが気になってネット上でいろいろ調べていたらこちらの記事を見つけたのですが、そもそもグラフの開始時点の1968年当時と比べて、日本の人口ピラミッドは大きく変わっています。少子高齢化で胃がんを発症しやすい50代、60代の年齢層が年々増えているにもかかわらず、死亡者数が横這いということは、それだけ死亡率が低下しているということです。
仮に胃がんの発見数の中に、近藤氏の主張する”がんもどき”が一定数含まれているとしても、”本物のがん”も増えているのであれば、むしろ早期発見早期治療の有効性を示すグラフだと思います。
投稿者:hirakata
カルストさま、おはようございます。

真道医師がやっているのは、「医療の業界で認められないときは、一般大衆に向けてこんな風にメディア戦略を打ち出せばいい」ということですよね。真道医師はいつの間にこんなことを考えていたんでしょうね。医学研究者の思考パターンからは懸け離れている気がします。なんか歪んでいるというか。「自分の正しさに疑念を抱かない」のは、監修者をモデルにしているのでしょう。

医道審議会で処分の対象になるのは、刑事犯を重ねたとかの人が多く、医師免許を持っていて実際は怪しい治療をしている人などにはあまり積極的に処罰の対象にはしていないようです。「どれぐらいの実害が出ているか」を調べてどれぐらいの処罰が適当かを判断するには、人員もやる気も不足しているのかもしれません。近藤誠氏が医道審議会に告発されたという話は聞きませんから、この話の展開は「医者の世界はひどいところ」と思わせる印象操作としても、たちの悪いものに映ります。
投稿者:カルスト
hirakataさま、こんにちは。

やっと最新号を読みました。がんもどき理論への反論は差し控えます。
内容で気になった点ですが、まず真道医師は言ってることとやってることが矛盾していないでしょうか。「自分が生き残るためにはこれしかない」と言って本の出版を決意するわけですが、自分の主張の仕方に問題があるとは考えないのでしょうか。きちんとデータを集めて論文として提出すれば(その内容が認められるかどうかは別にして)、冷静な議論が可能になったはず。それを一般の週刊誌で挑発的な記事にしたりすればにらまれて当然でしょう。
次に気になったのが、数日前にも書きましたが医道審議会の件です。もしこのエピソードが近藤氏の体験に基づくものであるなら驚くばかりですが、そのような事実がないのにこんなことを描いたのなら悪質な印象操作です。確かに近藤氏を批判する人の中には「医師免許を取り消せないのか」と思っている人はいるでしょう。どこかでそういう批判を読んだことがあります。ただ、そういう意見を言うのは一般の人であって、医師免許取り消しの実際を知っている医師からは出てこないだろうと思っています。だからこそ皆さん「困ったものだ」と思いつつ、どうすれば有効な対処ができるのか苦慮なさっているのだと思いますし。
投稿者:hirakata
カルストさま、こんにちは。

近藤誠氏が「がんもどき細胞はがん細胞にならない」ことを証明できれば、がんもどき理論は医療の中でも認められやすくなるでしょうね。がんの悪性度が次第に増していく例があることや、おとなしかったがんが急に激しい勢いのがんになる例があることは、がん診療医の多くが経験していると思います。私が証明するのは困難ですが、証言や症例を集めることならできるかもしれません。

「がんもどき理論」のもう一つの弱点は、「本物のがん」と「がんもどき」の2種類しかないと決めつけていることです。その中間の性質を持つ細胞、つまり時間をかけて大きくなってから転移が成立するがん細胞は「ない」ことになっています。

普通の医者は、こういう「時間をかけて大きくなってから転移が成立するがん細胞」が、がんの一般的な姿だと思っており、発生とほぼ同時に転移が成立するスーパーがん細胞は、あるとしてもごく少数だと思っています。そうじゃないと思う普通の臨床医がいたら、是非教えてほしいです。

↑ここで「ほぼ同時」と書きましたが、がんもどき理論を信じている人でも、最初のがん細胞ができて時間差ゼロで転移も成立すると信じている人は、あまりいないのではないかと思います。

普通の医者が常識と思っているこのような普通のがん細胞を、近藤氏は「ない」といっています。そうでないと“がんもどき理論”は成立しないからです。「ない」ことを証明するのは難しいかもしれませんが、近藤誠氏が普通のがん細胞はないということが証明できたら、これも自説が医療に認められやすくなる効果があるでしょう。

「がんもどき」と「本物のがん細胞」は、「見た目では全く見分けがつかない」と真道隼人医師に言わせていますが、高分化ながん細胞と未分化ながん細胞は、胃カメラでの見た目も、顕微鏡での見た目も違うし、最近の病理はさまざまな細胞の差異を解析して、さらに細かい性質がわかるようになっています。

一般のがん診療医は、いかにも「たちが悪そう」ながん細胞を早期の段階で見つけて、それを治療して完治した人をたくさん見てきていますから、そのほとんどが「放っておいても転移しないがんもどきだったはず」という荒唐無稽な話を展開されても「何だそりゃ?」だと思います。
投稿者:hirakata
ん さま、こんばんは。

言葉が足りなかったかもしれません。胃がんによる死亡者数が減る理由として、早期発見・早期治療の他に、ピロリ菌の感染率が激減したことも大きいだろう。逆に増える理由としては、高齢者人口の増加があるだろう、と考えました。

高齢者人口が増加すればがん死亡者数が増加するのは、当然のことです。
http://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/summary.html
ここの4)を見ていただければわかるとおり、年齢が大きくなればなるほど、がん死亡者数は増加するからです。

そのような複数の要素が関係する「ほぼ不変」という結果を、「早期胃がんとして治療されたものはすべてがんもどきだった」という根拠にするのは、理屈として成立していないのではないかということです。他にも説明できる理由があるのであれば、根拠にはなりませんよね。

(おまけに自分の無力を嘆く悲劇のヒーローであるかのような言葉には苦笑いです)というのは、どこのことを言われているのかわかりませんでした。悲劇のヒーロー? 私が? どこの部分が?

悪性度の低いがん細胞が悪性度の高いがん細胞になりやすいことは、私が証明するまでもなくずっと前から言われています。がん細胞の遺伝子異常は次第に積み重なっていきますが、多くのがんでは特定のパターンに沿って遺伝子異常が蓄積されていきます。ただ、私が証明しろと言われても、無理です。これを敗北宣言と見るなら、それで構いません。

最初から未分化ながん(近藤誠氏がいう「本物のがん」)もあり、最初から悪性度が低くて転移する能力も獲得しないがん(近藤誠氏がいう「がんもどき」)もあることは認めます。でも悪性度が低いがんが、途中から悪性度の高いがんになることはあります。最初は抗がん剤が良く効いていたのに、ある時点から効かなくなった患者さんは今までたくさん見ましたが、途中から悪性度が高い細胞に変化したと考えないとしたら、どう説明したらいいのかわかりません。

私がこのブログでがんもどき理論に反論しているのは、がんもどき理論を信じた人の中に、治療の機会を逃して命を失ったり、医療者を信用できなくなったりして、残念な結果になっている人が見過ごせない数いるからです。命が奪われなくてすむ状況でがんが見つけられて治療できるのならば、それを放棄させる言論は良くない言論であると考えます。
投稿者:カルスト
ん さま。

hirakata先生の反論を待つのが正しいのでしょうが、ちょっと聞いてもよろしいですか?

hirakata先生に「“がんもどき”の細胞が、本物のがん細胞になると証明」することを求める前に、近藤氏に「がんもどき」細胞なるものが実在することを求める方が先ではないですか?近藤氏の珍説である「がんもどき理論」(こんなもの理論と読んでいいのかどうかという疑問もありますが)は、完全な後出しじゃんけんです。がんもどきと本当のがんを初期の段階で判別しなければ、いつまでたっても近藤理論は妄想に過ぎないと思うのですが、あなたはどうお考えですか?
投稿者:ん
反論になっていませんね

自分で
>ピロリ菌の感染率が減ったことも大きく寄与しているのではないかと言われている。
といっていながら75歳未満の年齢調整死亡率のグラフという一例だけ紹介し反論した気になっている
やっていることはこのマンガと同レベルの印象操作ですよ
(おまけに自分の無力を嘆く悲劇のヒーローであるかのような言葉には苦笑いです)

あなたのすべきことは近藤氏の批判ではないでしょう
“がんもどき”の細胞が、本物のがん細胞になると証明すれば良いだけです
>つまり、がんもどきの細胞は「増殖はするけれども転移はしない」細胞かもしれないが、その中から「転移をする能力を持った本物のがん細胞」が発生する確率は、正常な細胞よりも高いと考える。
以前こう書いてありましたが、”確率が高いと考える”などという(正常な細胞より0,000001%でも高ければ言える)逃げをせず、生存を脅かす確率だと証明してください
投稿者:hirakata
北越さま、こんにちは。

ほんとうだ。医道審議会の説明、欄外ばかり探していましたが、コマとコマの間の細〜いところに、説明がありました。訂正します。→訂正しました。

東京都医師会への配慮とか、実在する医療機関・医育機関への配慮などは、全くしていないでしょう。そういうところを悪く描くことで、このマンガが存立することがようやく可能になるバランスかなと思います。配慮していたら「筆が鈍る」感じでしょうか。そうすることによって、怪訝に思う読者が増えていってくれると嬉しいですね。

カルストさま、こんにちは。

私も医道審議会については、幸い縁がないこともあって詳しくないんですが、たしかにこれで医師免許を剥奪というのはおかしいと思います。でもそうすることが、今後の物語展開上必要なのかなとも思いました。

近藤氏が医道審議会に告発されることはないだろうと思いますが、早期がんの段階で「治療してもしなくても結果は一緒」というがんもどき理論を信じて治療の機会を逃した人やそのご家族が、近藤誠氏を訴えるということは可能かと思います。

ところで、編集長の一押しがこのマンガですか。それは残念ですね。近藤氏を持ち上げる本家の文藝春秋社は、今週の週刊文春で「肺がん対策最新ガイド」という特集を組み、早期発見が大事と言っています。近藤氏の記事は今週はありませんが、同じ本の中で矛盾したことを言っていることについて、編集長はどう考えているんでしょうかね。早く足を洗った方がいいと思いますが。
投稿者:カルスト
hirakata様、こんにちは。

最新号は未読なので内容についての批評は避けますが、内容とはあまり関係ないところで少々。

ebook japanが138誌のマンガ雑誌の編集長に一押しのマンガを聞いています。ビッグコミック編集長の一押しはこのマンガでした。内容について編集部はどう考えているのかと思っていましたが、編集長自らが近藤氏を信奉していたのですね。

http://www.ebookjapan.jp/ebj/special/editors_recommend_2015.asp

「長生きしたい方、必読です」だそうです。このマンガで近藤理論のおかしさに気づく事ができるなら、確かにその通りですね。

さて、hirakata先生の書き込みを読んで少し気になったのが、医道審議会のことです。ちょっと調べてみましたが医道審議会は医療過誤や事件(刑事事件等)、不正(医療費の不正受給とか)を行った医師を行政処分する機関なのですね。真道医師(=近藤医師?)の場合は週刊誌で自説を披露しただけで、そもそも週刊誌の記事で取り上げた患者を診てもいないので医療過誤などできようはずがありません。つまり医道審議会に告発する事など(物語の時点では)できるわけがないということになります。そもそも、医道審議会への告発なる行為が可能なのかどうかも疑問です。というのも、ざっと調べた限りでは医道審議会への告発方法が全く分からなかったからです。もし、実際の医道審議会とは異なる性質の組織として描いているのなら、「実際の医道審議会とは異なる」という注意書きが必要だと思います。
ところで、近藤氏は実際に医道審議会に告発されたことがあるのでしょうか?上述の通り週刊誌の記事程度で近藤氏を告発するのは無理筋だと思います。仮に告発されたことがあるとしたら、近藤氏の診察を受けたがん患者またはその親族が近藤氏の行為を医療過誤として訴えるケースくらいでしょうか。近藤氏に直接関係のない医療関係者が告発するなど、かなり無理があると思うのですがどうなのでしょう?
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