がんになっても、あわてない

 という本(朝日新聞出版)を書いた医者の、なんでもブログ。

 
医療関係者向け資料集「緩和ケア医のらくがき帳」も、よかったらどうぞ。

プロフィール

平方 眞(ひらかたまこと)
 緩和ケア医師
愛和病院(長野市)副院長

カレンダー

2020年
← January →
Sun Mon Tue Wed Thu Fri Sat
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  

過去ログ

カウンター

  • 本日のアクセス  
  • 昨日のアクセス  
  • 総アクセス数      
RSS
投稿者
メール

 
コメント
URL
コメントは新しいものから表示されます。
コメント本文中とURL欄にURLを記入すると、自動的にリンクされます。
投稿者:hirakata
カルストさま、こんにちは。

一般の人で、近藤誠氏を完全に信じている人にとっては、出てくるグラフは(忘れっぽい人を除いて)新鮮味がないでしょう。また、がんに関心のない人は、このマンガは読まないでしょう。心配なのは、これまで近藤氏の理論に触れたことがない人のうち、たまたま触れて「これは信じるに足る話だ」と思ってしまった人です。そういう人のうち、がんを治療した方がいい状況になった人が、無治療を選んでしまわないようにしないといけないと思います。

「医者や製薬会社は、自分たちの仕事を確保するために病気を作り出しているんだ」という陰謀論、面白いですよね。医者がみんなその陰謀の構造を知っていて、でも患者さんにはいい人である演技をしているのなら、みんなすごい演技力です。私はそんなことができるほど器用じゃないので、なるべく表裏や隠し事をしなくてすむように、まっすぐ生きているつもりです。っていうのも演技だったりすることになるのかな。ややこしい。

私は医者の大半は、人が幸せになってくれるようにと誠意を持って働く人だと思っているんですが、それが間違っていて世の医者のほとんどが情報を隠しているのだとすれば、私が出会ったり一緒に働いていたりする医者のほとんどは嘘つきということになります。こりゃ大変。生きていくだけでも息が詰まります。

製薬会社やガイドラインを作る人だけが悪者で、医者はそれに騙されて踊らされているという論もありますね。たしかに槍玉に挙げられた薬や会社や大学の医者もいますけど、そのようなデータの改ざんは「けしからん」という声が大多数で、「もっと上手くやらなきゃ」という声はありませんでした。陰謀論のとおりなら後者の方が多いはずですけどね。あ、でも「けしからん」は演技だと言えば成り立つのか。

日本の単位人口あたりの医師数は、OECD平均の約3分の2しかいません。そして世界一の長寿で、医学水準もかなり高くて、医療を受けたいと思ったらいつでも受けられて…と考えると、仕事を絞っていっても医師数は余らないと思います。これから多死社会が進めば、看取りだけでも医師数が足りなくなるかもしれないと思っているのに、わざわざ仕事を増やすほど物好きじゃありません。高額医療だって、医者の給料で高くなる米国などと違って、製薬会社に根こそぎ持って行かれちゃうし。

さてこのマンガ、どうなっていくんでしょうね。
投稿者:カルスト
hirakataさま、こんにちは。

やっと最新号を見ました。相変わらず色々とグラフを出して説得力を高めようとしているみたいですが、グラフの引用の仕方についても色々指摘されている方なのでなかなか鵜呑みにはできません。しかし、多くの読者は説得力があると感じてしまうかもしれませんね。
医者が自分の仕事を確保するために情報を隠しているという「陰謀論」ですが、荒唐無稽な点はアポロの月面着陸を否定する陰謀論によく似ていると思います。アポロの場合、冷戦時代の話ですからおかしなところがあればソ連が黙っていなかったでしょうし、アポロ計画に関わった人間の数(数万人になるでしょう)などを考えればそんなごまかしがばれないはずがありません(人の口に戸は立てられないですから)。しかし、陰謀論が好きな人は多いようで、アポロねつ造説を信じる人は未だに多いですね。
同じように、医者が情報を隠している云々というのも眉唾物の陰謀論だと思います。近藤氏が言うとおりなら、日本中いや世界中の医者の99%が癌についての事実を隠しているわけです。近藤氏のようなことを言う人は非常に少ないでしょうから、実際は99.9999%くらいかもしれませんが。近藤氏の意見が正しいなら、もっと多くの医師が「事実」を伝えるだろうと思います。良心の問題もありますが、ある情報に関わる人数が増えるほど、情報漏れの確率は高くなるからです。大学や勤め先の病院で口止めされたわけでもないのに、世界中の医師が共通の認識の元に情報を隠すなど、荒唐無稽もいいところだと思います。また、仮に癌を放置するとしても、痛みのケアなど医師が関わる仕事は多いはずで、それほど仕事は減らないのではないかというのが率直な感想です。それに、癌以外にも病気はたくさんあるわけですから、仕事がなくなるなんて事はないでしょう。
ところで、私も真道医師の最後の台詞が気になります。これまでにも主張していた説なのか、それとも新説なのか、興味があります。
投稿者:hirakata
北越さま、おはようございます。

8月に本を出されるという大場大先生を存じ上げてはいませんが、現場でがん診療を続けている医師の発言は、説得力があるのではないかと思います。どのような内容になるのか、本が出たら買って読んでみようと思います。新書ですから1000円以下で買えると思いますし。

「近藤理論」批判本が出ると、アマゾンのレビューなどでは「この本はいい」という人と「こんなものでは反論にならない」という人(近藤誠氏を支持する人)の“戦い”のようになってしまっています。ここでも「構造の単純化」が起こってしまいがちです。

がんになった時に、どうするのが一番いいかというのは、その人その人のその時の状況に応じて、しっかり考えて判断しながら臨機応変に対応していく必要があると思っています。近藤誠氏が提唱する方針で、全員が「これで良かったんだ」と納得できるならいいのですが、そうじゃない人、そうじゃない場合がたくさんあると感じています。

そういう人たちまで巻き込んで「近藤理論は絶対正しい。批判する人は間違った人」という人、対、普通の医療、という単純な対立の構図にすると、残念な人生になってしまう人が少なからず出てしまうと思うんですが、残念な思い、悔しい思いをする人のフォローを、すべて近藤誠氏とそれに同調する人たちができるとは思えません。

現場の医療従事者がそのフォローをすることになるわけですが、「近藤先生を信じたのが間違い」と言ってしまってはフォローになりませんから、そこでも残念な思いや気持ちの行き違い、いざこざは起こりやすくなると思うんです。

単純に「あっちが正しい」「こっちが正しい」ではなくて、知識を増やして適切に判断できる状況に、世の中がなっていってくれるといいなと思っています。
投稿者:北越
hirakata先生

がんとの賢い闘い方―「近藤誠理論」徹底批判―

大場 大/著という本が新潮新著から出るみたいですね。

その前宣伝記事が週刊新潮に掲載されたみたいです。

【罪深いがんもどき論の真実】大場大「『がんは放置しろ』という近藤誠理論は確実に間違っている!」〈週刊新潮〉
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150715-00010000-shincho-life

いくつか「近藤理論」批判本は出ているみたいですが、この本が一番メジャーな出版社からだされる一番容易に入手しやすい(公共図書館で借り出しやすい)ものでしょう。すこしは潮流が変わるのでしょうか。
AutoPage最新お知らせ