「日経メディカル6月号『「良くない知らせ」の伝え方』」
お知らせ

日経メディカル6月号に「『良くない知らせ』の伝え方」という特集が組まれている。いいことがいっぱい書いてあるので、お薦めしておきます。

42ページから55ページまでが「『良くない知らせ』の伝え方」という特集。
医療は病気や怪我などを抱えた人を対象にする。病気や怪我は、体を健康じゃない状態にしたり、命を短くしたりと、いろんな「良くないこと」を仕掛けてくる。そのことについて説明するのだから、医師の説明というのも「良くない知らせ」になることは、非常に多い。
ただ事実を伝えたのでは、良くない知らせであるだけに、聞いた人の心をマイナスの方向に揺さぶる。気持ちがマイナスに振れると、それが大きい場合には長い間絶望の沼に沈ませてしまうことになり、さまざまな良くないことが起こる。気持ちのマイナスを少なくするためには、医師はマイナスを少なくするための工夫をしながら、良くない知らせを伝える義務があると考える。
というようなことを、さまざまな表現を用いて書いてある。

45ページからは、さまざまな事例を通して、良くない知らせを伝えるコミュニケーションにはどのような問題があるか、前線でそのコミュニケーションをしている医師はどんな工夫をしているかなどが、さまざまなケースを通じて書かれている。

今回私にも取材が来た。私が普段工夫していることをうまい具合に拾ってもらえた、いい記事だと思う。がん以外にも、救急外来での突然の死を家族に伝えるとか、高齢患者の終末期に「できるだけのことを」と言われたら…のような、さまざまなパターンで「良くない知らせ」にどう対応するのが良いか、考え学ぶことができる特集だと思う。
日本で亡くなる人の数は、現在どんどん増えており、2030年には年間165万人ぐらい亡くなる国になると言われている。そのすべての人は、1回は「死に向かう」という良くない知らせを受けるだろうし、病気をいくつか重ねれば、一人で何回も良くない知らせを受けることになる。コミュニケーションが上手でないと、不幸の総量は莫大になる。しかしコミュニケーションを改善すると、その不幸はかなり軽減できると感じている。
気になる方は、一通り読んでみて下さい。特に「良くない知らせ」を伝える機会がある方は、是非。
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