衆議院は、11月16日午後解散した。総選挙の投票日は12月16日で、1か月の選挙戦が始まる。
記事は次のとおり。
衆院解散、総選挙へ=3年ぶり政権選択―来月4日公示、16日投開票
2012年11月16日(金)15時51分配信【時事通信】
衆院は16日午後の本会議で解散された。政府はこの後、臨時閣議を開き「12月4日公示、同16日投開票」の衆院選日程を決定した。衆院選は3年4カ月ぶりとなり、初めて与党として国民の審判を受ける民主党が政権を維持するのか、自民、公明両党が政権奪還を果たすかが最大の焦点。既成政党と距離を置く「第三極」の動向もポイントで、躍進すれば政局が流動化し政界再編につながる可能性もある。
政府は16日午前の閣議で解散詔書を決定。天皇陛下の署名を得て、午後3時45分からの衆院本会議で横路孝弘議長が詔書を朗読、「憲法第7条(天皇の国事行為)により衆議院を解散する」と宣言した。
野田佳彦首相は同日夜、首相官邸で記者会見し、解散決断の理由について「社会保障と税の一体改革を実現した暁には、近いうちに国民に信を問うと言った。その約束を果たすためだ」と強調。「前に進めるのか、政権交代の前に時計の針を戻して後ろに戻るかだ」と衆院選の意義を訴え、自民党との対決姿勢を鮮明にした。
解散を受け、与野党は事実上の選挙戦に入った。民主党が自公両党の協力を得て決めた消費増税、年金・医療など社会保障政策、「脱原発」を含めたエネルギー政策、地方分権などが争点になる。
(記事ここまで)
野田首相は解散の理由を、次のように述べている。
約束果たすため解散=野田首相「悪弊断ち切る」
2012年11月16日(金)18時26分配信【時事通信】
野田佳彦首相は16日夜の記者会見で、衆院を解散した理由について、8月の自民、公明両党との党首会談での合意を念頭に「政治生命を懸けた社会保障と税の一体改革を実現した暁には『近いうちに国民に信を問う』と言った。その約束を果たすためだ」と述べた。また、「『決められない政治』が続いてきた。その悪弊を解散することで断ち切りたい」と強調した。
首相は衆院選の意義について「(政治を)前に進めるのか、政権交代の前に時計の針を戻して後ろに戻るかだ」と指摘。自民党を念頭に「世襲政治家が跳梁跋扈(ちょうりょうばっこ)する古い政治に戻ることがあってはならない」と語った。
(記事ここまで)
うーん、よくわからん。
「約束を果たすため」というが、ここまでのらりくらりと解散時期に関する質問をはぐらかし続けて、14日の党首討論でいきなり「民主党と自民党で各党の理解を得るべく結論を出すため協力したい」「いずれにしてもその結論を得るため、後にもう区切りをつけて結論を出そう。16日に解散します。やりましょう」と2日後に解散を明言したのは、民主党の重鎮も驚く唐突な発言に思えた。
「『決められない政治』が続いてきた」というのはいろいろな意味に取れるが、構造上の問題では「ねじれ国会」になっていることを指しているのかなと思った。しかしそうだとすれば、解散総選挙でねじれを解消するためには民主党が勝ってはいけないわけで、民主党惨敗を目指しているのかなと思ったり。きっと違うなあ。どう解釈すればいいのか。
14日に「16日に解散します」と言ったときも、やぶれかぶれというか、そう言わざるを得ない状況に追い込まれて、「総理大臣の専権事項」である解散権の刀を、鞘から抜いてしまった感じを受けた。さまざまな日程のパターンを考えはしたのだろうが、もうちょっと根回しをしておくべきだったのではないか。解散権は総理一人だけのものということが、「俺が一番偉いんだぜ」という認識につながり、暴走させてしまったのではないか。
さらにもう少し遡って、11月9日に突然「選挙の争点はTPP」と言い始めた時には、野田総理は壊れかけているのかなと思った。TPP交渉参加については、民主党内でも意見の統一が見られていないし、他党でも意見が割れているところの方が多い。それをどうやって争点化するのか、国民は何を判断すればいいのか、わからないまま解散になってしまった。「年内のTPP交渉参加」と言っていたが、選挙モードで政治が機能しない中、推進派の思うがままに進めようという魂胆だろうか。
見た目で人を判断すると批判を受けるのは覚悟の上で書くと
(2007年の安倍総理引退の時に思ったままを書いたら、ある人に怒られた)、2008年頃に野田佳彦氏がテレビに出てきた映像を見ると、「おっ、なかなか期待できそうな顔だな」と思ったが、最近の野田総理の顔は「こりゃ限界を越えてるけど、何とかそれを悟られないようにしている顔だな」と思っていた。顔の肌の状態も、ずいぶん良くなさそうに見える。
野田総理は記者会見で「前に進むか、後ろに戻るのか、国民の方々にご判断して いただく選挙だ」と述べているんだけど、これは民主党か自民党かという意味で、第三極を蚊帳の外に置いたという判断でいいのだろうか。両院議員総会で「次の4年間も政権を担う」と言っていたが、もともと寄せ集めだった民主党の中から、確固たる信念を持った人や民主党の進め方に疑問を抱く人が抜けてしまった「どういう政党なのかわからない」民主党に、どれくらいの人が投票してくれるだろうか。
その第三極を引っかき回している石原慎太郎氏の「太陽の党」は、1日前には河村たかし氏の「減税日本」と合流するといわれていたのに、今度は減税日本とは組まずに「日本維新の会」と合流して、結党したばかりで解党するらしい。第三極の核となる勢力が強い力を発揮しなければ、投票率も低くなって、自民党などに有利な流れになるのかなと思ったりする。
野田総理の選挙区は、日本で一番一票の重さが軽いといわれている千葉4区。ここに「国民の生活が第一」は、群馬4区から鞍替えして三宅雪子氏を送り込むらしい。「国民の生活が第一」の小沢一郎代表は、大マスコミは小さな報道しかしていないが11月12日に二審でも無罪判決を得ている。「国民の生活が第一」は、衆院議員が45人、参院議員が12人もいる。衆院では野党第二党。ここまで「小沢一郎は悪い人」と言い続けてきた大マスコミは、この選挙戦でも「国民の生活が第一」を画面に出さないようにするのではないかと、ちょっと心配。
これから12月16日までの1か月といえば、年末で国民の多くが忙しい時期になる。政治への関心を持ち続けることは大変かもしれないし、どこの政党に一票を託すのか、判断の材料が十分に得られない人も多くなってしまうのではないかと思う。そういう意味でも、この時期の解散総選挙には疑問を感じてしまうが、日程が決まってしまったからにはできるだけの情報を集めて、自分で判断することにしたい。
(多分ここから後は、一応「開かれたメディア」と見なされる可能性があるので、選挙結果に影響するような意見は選挙終了まで書かないと思います。悪しからずご了承ください)
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