少し前になるが、物質に質量を与える役割をしているといわれる未知の粒子「ヒッグス粒子」の存在が来年中に証明できそうだと、2つの国際研究グループが共同で発表した。
記事は次のとおり。
ヒッグス粒子、発見の可能性高まる 国際2グループ、来年に結論
2011年12月13日(火)23時46分配信【産経新聞】
物質に重さ(質量)を与えているとされる未知の素粒子「ヒッグス粒子」の歴史的な発見を目指している日欧米などの2つの国際実験グループが日本時間13日、欧州合同原子核研究機関(CERN)で中間報告を行い、「かなり興味をそそる示唆が出てきた」との統一見解を発表した。ヒッグス粒子発見の可能性は高まっているといい、追加実験を経て来年中に確実な結論を出せるとしている。
ヒッグス粒子は物質の最小単位である素粒子の一つで約50年前に存在が予言されたが、まだ見つかっていない。実験に参加している浅井祥仁東京大准教授(素粒子物理学)は「発見や兆候とはいえないが、手応えを感じている」と興奮気味に話した。
発表したのは東京大や高エネルギー加速器研究機構など国内の15機関も参加する日米欧の「アトラス」と、欧米中心の「CMS」の2グループ。スイス・フランス国境にあるCERNの大型ハドロン衝突型加速器(LHC)を使い、ほぼ光速まで加速した陽子同士を衝突させて崩壊の様子を調べてきた。
統一見解などによると、今年2月から10月までの両グループのデータを分析した結果、115〜130ギガ電子ボルトの質量範囲でヒッグス粒子の存在につながり得る事象が見つかった。
アトラスの実験結果では、現段階でヒッグス粒子が存在する確からしさは98・9%。素粒子物理学での発見は99・9999%以上の正確さが必要で、来年4月に追加実験を行う。
両グループの質量の範囲はわずかにずれているが、大半は重なっている。浅井准教授は「独立した2つの実験でも重なっている点が非常に重要。この範囲はこれまでの予測とも一致している」と指摘した。
(記事ここまで)
確からしさが現在98.9%で、これを99.9999%以上に高めることができれば、素粒子物理学の世界では存在が証明されたことになるようだ。わずか約1.1%ではあるが、1.1%から0.0001%以下に「外れの結果」を追い込むのだから、4桁以上精度を高めないといけなくなる。でも「絞り込む目鼻はついている」ということなのだろう。
追加の実験をおこなって、それを解析して来年中にはヒッグス粒子の存在に関する確実な結果を出せるという。この加速器を動かすのも、得られた結果を分析するのもかなりのお金がかかるはずで、今回発表したのには「各国とも財政が厳しいと思うけど、でも結果を出すまで実験を続けさせてね」という意図もあるのではないかと、勝手な裏読みをしてしまう。
ここまで突き詰めた世界になると「こういう現象があったから、ヒッグス粒子は実在します」ということは起こらずに、「99.9999%以上の確からしさで起きるということは、“事実上”ヒッグス粒子の存在が証明されたといえます」という証明のしかたしかできないのだろうと思う。詳しいことはわからないけど。
せっかくここまで来ているんだから、ヒッグス粒子の存在を証明して欲しい。そしてその先にある、暗黒物質とか暗黒エネルギーとかにも何かの手がかりとなる現象がつかめると楽しいなと思う。突き詰めれば突き詰めるほどお金がかかるので、どこまで進められるのかわからないけど。超富裕層が気まぐれで1兆円ぐらいポンと寄付しないかな。
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