
土砂降りの雨も上がった午後1時半から、諏訪中央病院研修センター3階の講堂で、「第4回諏訪中央病院緩和ケア病棟家族会」が開かれました。

去年は別の責任ある仕事が重なって出られませんでしたが、今年は参加できました。諏訪中央病院の緩和ケア病棟で同じ時間を過ごした、たくさんの懐かしいお顔を見て、とってもふかふかな気持ちになりました。
濱口實院長の挨拶、私が抜けた後の諏訪中央病院の緩和ケアをしっかり担ってくれている原毅先生の挨拶などの前後に、たくさんの方とお話しすることができました。昔のことはどんどん忘れる歳になったと思っていましたが、ずいぶん前にご家族を看取られた方でも、お顔を名前を思い出すと、急にその時の情景や病室や会話や空気が蘇ってきます。
ご家族の代表の方の挨拶も、素敵でした。当時よくラジオなどで流れていた「また君に恋してる」の歌のとおりの時間を過ごされたと仰っていました。
産婦人科の青山先生に続いて、私も挨拶させていただきました。私を知らない方も増えてきているので、自己紹介から。命が終わりに近づくご家族と一緒の時間を過ごされること、そのご家族が亡くなられてからの時間を過ごされることは、大変なことです。その大変さを、緩和ケアが少しでも分け合って、軽くすることができたらいいなと思っている、というようなことを、話させていただきました。

最後にスタッフみんなで「翼をください」と「上を向いて歩こう」を、集まった皆さんと合唱しました。「上を向いて歩こう」はパートが分かれた合唱になっていました。私は急遽加わったので、練習してなくてメロディーしか歌えなかった。残念。

今回お手伝いしてくれた、諏訪中央病院看護専門学校の1年生です。私が働いていた頃は毎年1年生の講義をしていたので、私を知らない看護学生は(多分)いなかったんですが、去年の春から辞めたので、私を知っているのは3年生だけになってしまいました。ちょっと淋しい。
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今日来て下さったご家族の方たちはおおむね、先にこの世から旅立たれたご家族と最後の時間を一緒に過ごした緩和ケア病棟スタッフとこうしてまた時間を共有できることに、嬉しさや懐かしさやホッとする感じを持っていただけたようです。それでこそ家族会をする意味があると思います。
今日の会では言いませんでしたが、もしかしたら、大切なご家族を病気に奪われてしまって、今日の会に誘われたけれども気持ちが向かなくて来られなかったという方もいるかもしれません。そのような方がおられましたら、来年お誘いの手紙が届きましたら、勇気を出して家族会に参加していただけたら嬉しいなと思います。
また、緩和ケア病棟はいつでも変わらずありますので、思い出話をするでも、辛い気持ちを吐き出すでもいいので、緩和ケア病棟をお訪ねくださってもいいと思います。私にどうしても会いたいという奇特な方は、水曜日なら呼んでいただければ諏訪中央病院に行けますので、諏訪中央病院経由でお声をお掛け下さい。愛和病院に来ていただいても構いません。
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今日の会に参加してくださった方々、特に勇気を出して来てくださった方々に、感謝します。村越師長も言っていましたが、諏訪中央病院に限らず、がんなどの病気で困ったときには、緩和ケアを上手に使っていってほしいです。
私たちも、緩和ケアは「命が終わるかわいそうな人が受けるもの」という偏見をなくし、「病気で困ったことがあれば、それを解消するのが緩和ケア」という正しい認識を広めていく努力をしていきます。いつの日か「気がつけば どこにでもある 緩和ケア」
(一応五七五調)という状況にするのが目標です。
そのために、しなければならないことは山ほどありますが、団塊の世代が1年に1歳ずつ歳を取っていくこれからの時代は、かなり急いで緩和ケアの充実を「すべての医療現場に」進めていかないと、命の終わり近くで医療に対する不満を募らせる人が量産されてしまうのではないかと懸念しています。
私たちも頑張りますので(諏訪中央病院緩和ケア病棟の許可は取らずに勝手に書いてますが、多分了承してもらえると思います)、本日参加された方たちも「緩和ケアって、いいものだよ」という世の中の意識改革に、ご協力いただけると嬉しいです。
本日は、充実した幸せな時間をいただき、ありがとうございました。どうか皆様、お元気で。
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