
公開中の
「ハゲタカ」という映画を見てきた。NHKで2007年頃に放送していた土曜ドラマの続編だが、証券金融業界がガタガタになってからの話になっている。
ネタバレにならないように、映画の中身の話は書かないが、なかなか面白かった。映画の最後に「この物語はフィクションであり、実在の人物や団体とは一切関係ありません」というお決まりの文句が表示されたが、現実にこういうことが起こってもおかしくないだろうというリアリティーがあった。
もちろん現実はもっと複雑だろうが、映画よりもっと頭の悪い人たちも現実にはいたに違いない。このひどい時代を日本や世界が乗り切るにはどのような方法があるのか、真面目に勤勉にやっているだけでは日本は潰されてしまうのではないかなど、たくさん考えさせられた。
特にセリフには(固有名詞は変えてあるが)「サブプライムローンを束ねた証券化商品は、詐欺まがいの商品」など、現実のできごとが結構たくさん出てくる。21世紀に日本や世界が進んできた道について、辛辣な批判をしているように思えた。映画のように日本らしく復活する力が日本人に残っているのかどうかはわからないが、ちょっと痛快で、切なくほろ苦い映画だった。
証券投資をしていて、何が何だかわからないうちに大損していたという人にとっては、腹が立ってしょうがない映画かもしれません。そういう人は見に行かない方がいいかも。世界経済に何が起きているのかを、擬似的にでもいいから知りたい人には、おすすめ。