米国疾病対策センター(CDC)は、米国で新型インフルエンザに感染した人は100万人を超えているだろうという見解を発表した。
記事は次のとおり。
米で100万人超感染か=新型インフル
6月27日9時48分配信【時事通信】
【ワシントン26日時事】米疾病対策センター(CDC)当局者は26日、米国の新型インフルエンザ感染者は100万人以上に上るとの見方を示した。
米国内ではこれまでに、2万7000人以上の感染と127人の死亡が確認されている。同当局者は「報告されている感染例は、氷山の一角にすぎない」と述べた。
(記事ここまで)
100万人以上とする根拠はこの記事には書かれていないが、CDCがこれまで得られた膨大なデータを用いて統計的に推測したのだろうから、実際とそう大きなズレはないだろう。
日本だって、感染が確認されている人と実際に感染している人の間には必ず開きがあるはずだというのは、だいぶ前からこのブログでも言っているし、その他のところでも言われている。
日本のマスメディアでは、まだ新型インフルエンザA(H1N1)を特別扱いしたがる風潮が続いているが、そんなに使命感に燃えてもらわなくていい時期に来ている気がする。厚生労働省や国立感染症研究所も同じような推計をして、「新型インフルエンザA(H1N1)は、ほぼ普通のインフルエンザになった」と宣言した方が良いのではないかと思う。
もちろんインフルエンザであるから、「普通の風邪」とは同じではないが、季節性インフルエンザでも学級閉鎖や学校閉鎖は毎年おこなわれているのに、新型インフルエンザA(H1N1)についてはことさら「恐ろしいことが起きている」のような報道はやめて、淡々と報道してほしいと思う。
米国の今回の発表では、感染が確認された人が2万7000人に対して推定される感染者が100万人以上と、40倍ほどの開きがある。日本で確認された感染者は約1000人であるが、同じくらいの割合であるとすれば、4万人ほどが感染しているかもしれないことになる。
今回米国CDCがこのような発表をしたということは、米国は「大騒ぎしないで普通のインフルエンザとして扱っていいだろう」という意見表明ではないかと思う。新しい変異が見つかるとか、別の新型ウイルスが流行することへの警戒は怠らないようにしたいが、現状では日本も米国に追随して良いのではないか。