岡橋隼夫の「日本語探検」光文社文庫 1989年刊 を読んだ。大手の出版社の校正を担当してきた仕事を通じて、誤植・誤記などをあらゆる面から集めている。
誤植は「見初める」を「見染める」、「監視」を「看視」、「寛恕」が「寛怒」、「戸惑い」が「途惑い」など、数限りない。
キューピー、ブリジストン、不二サッシ、後楽園スタジアム、正しくは「キユーピー、ブリヂストン、フジサッシ、後楽園スタヂアムでないといけない。(その会社が使っているもの)
「身も蓋もない」が「実も蓋もない」となった例があった。蓋つき容器の蓋でないほうが身と呼ばれるのだが「実も蓋も」なかった戦後間もない頃の外食食堂を思い出した。
校正のプロなので、これを確かめるのに日本のあらゆる辞書を集めて点検し、日本・中国の古典まで調べ上げる。校正に関してはこれ以上のものは恐らくないと思う。

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