「チェイサー」
英題/THE CHASER
監督・脚本/ナ・ホンジン
出演/キム・ユンソク、ハ・ジョンウ、ソ・ヨンヒ、キム・ユジョン、チョン・インギ、チェ・ジョンウ、他。
あらすじ/
街では連続猟奇殺人事件が起こっている頃、元刑事でデリヘル嬢の斡旋を生業としているジュンホは、彼の元から行方をくらませた2人の女の行方を探っていた。その手がかりを握る男を見つけるも、探りを入れさせたデリヘル嬢ミジンも失踪。だが偶然ジュンホは疑惑の人物ヨンミンを見つけ、捕獲する。すると警察でヨンミンはとんでもない告白を始めた。「女たちは自分が殺した。そして最後の女はまだ生きている」と――
韓国で大ヒットとなり、同国の主要映画賞を総ナメにしたクライムサスペンス・ドラマ。実在の事件をベースに、デリヘル斡旋業を営むジュンホとシリアルキラー・ヨンミンとの対決を、手に汗握る緊迫感と共に描いていく。監督・脚本を務めたのは本作が長編初監督となるナ・ホンジン。ジュンホとヨンミンを中心に様々な人間模様を交錯させながら、精巧かつ重厚な物語を作り上げた。演出面でも慎重さと大胆さを織り交ぜ、しびれる映像を作り上げている。ジュンホ役のキム・ユンスクとヨンミン役のハ・ジョンウの演技も素晴らしく、どちらも息を呑むような演技を披露してくれている。ラストの衝撃は鑑賞後もしばらく心に重く残ることだろう。(goo映画より抜粋)
なにぃ〜?早速ハリウッド・リメイク決定だとぅ〜?
しかも刑事プリオ(古っ)主演でぇぇ〜?
思えば
インファナル・アフェア(これ劇場で観た!激シブでした)のリメイク、ディパーテッド(未見.....)刑事プリオでしたね。アジアのシブい映画は刑事プリオご指名でリメイクするんでしょうかね?
そうしたら本作の主役・ジュンホ役はリメイクでは刑事プリオってことなんでしょーが
元刑事のデリヘル経営者
というやさぐれたキャラを刑事プリオは演じきれるのか??
この「堕ちるところまで堕ちた」感じを出せるのか?
そして「堕ちるところまで堕ちても、人間としての優しさを捨てたわけではない、実は人情派な男」というオーラを出すことができるのか!?
役柄としてはチャレンジしがいのある素晴らしいキャラクターですが、逆に殺人鬼役でも面白いかも、と思ってみたり。刑事プリオってば今までに一度も悪役やった事ないですよね、確か。「ブラッド・ダイアモンド」とかでは悪い奴なんだけど、1本スジが通ってるというか、自分なりの正義感を持っているヤツでして、なんだ結局おまえいいヤツじゃん。かっこええじゃん!という感じだったのですが....
本作の殺人鬼役をやらせても面白いかもしれませんね。本当に観てるほうが「出来ることならオレが殺してやりたい!」と心底憎むぐらいの、極悪キャラを。
リメイクするにしても、このあまりにもショッキングな結末.....いったいどうするつもりなんでしょうか。ハリウッドでリメイクするのならきっと「人質は助かる」方向にいくのでしょうね。てゆうか助かって当たり前!観てる人みんなが「あ〜よかった!」とホッとするように仕上げなくては、大変な騒ぎになっちゃうんでしょうね。
というわけでここから盛大にネタバレしますが(知りたくない人は回避すべし!!)
人質は助かりません。
自力で逃げ出しても、捕まって殺されちゃいます。
最後などはジュンホ自身が
人質の生首とご対面という
酷過ぎるにも程がある驚愕の結末が待ち受けております。
韓国映画って観ると大概凹むんだよな〜.....復讐三部作の「復讐者に憐れみを」、「オールド・ボーイ」、「親切なクムジャさん」、更にはキム・キドクの「サマリア」など.....古いところでは「シュリ」なども凹みましたし、ああそーいえば「JSA」や「ブラザーフッド」も凹んだなぁ。あっ思い出した「光州5.14」も凹んだ。
韓国映画って「凹み」指数はずば抜けて高いですが、何気にゴア描写もかなりキツめですよねぇ。韓国ホラーは、どちらかというとJホラー寄りでして「血がドバー!!」のスプラッタ描写は控え目かと思われがちですが......
血がドバーと吹き出る直接的描写よりも、「返り血」の描写が異常に生々しいんですよね。
殺害現場の壁に飛び散った大量の返り血、とか.....
この映画では直接的な殺害シーンは極力避けていますが、「現場」の描写が物凄いんです。
殺人鬼が主に獲物を仕留める場所が「バスルーム」なんですが、この描写のフェチっぷりはなかなかのもんです。なんか「黒い家」(森田バージョンと韓国リメイクバージョン両方思い出した)っぽいです。
あと被害者の「血まみれ具合」も最近のフレンチ・スプラッターばりでもうベットベト。
これだけゴア描写に力を入れるんだから、韓国が本気でスプラッター映画(ガッチガチのね!笑い要素一切なしよ!)を作ったら、これ
多分フランスを超えるものが出来ると思いますよ。いやマジでマジで。
本作は特に殺人鬼の異常さが目立ちましたが、やはりこの映画の主役は元刑事のデリヘル経営者ジュンホ。ジュンホがとにかくいい!
最初はとにかく嫌なヤローにしか見えませんが、話がすすんで行くにつれ、彼の素性が次第に明らかになっていきます。商売として女を派遣したり、なんかあると「殴るぞ」とか凄んでいますが、他のデリヘル経営者は女が消えたことに何の感心も示さないのに彼だけは必死で探すんです。もちろん大事な商品だから、というのもあるのだろうけど、そういう事ではなくて女性たちのことを「気にかけている」んですよね。
特に子供が絡むと引くに引けなくなってしまうし。
たった一人で、夜の街を駆け回るジュンホ。
何が彼を駆り立てるのか。彼の中にまだ残っていた正義感からか。それとも贖罪の念がそうさせるのか?
救いはない。
でも、確実に心に残る名作です。

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