「ブラックサイト」
原題/UNTRACEABLE
監督/グレゴリー・ホブリット
出演/ダイアン・レイン、ビリー・バーク、コリン・ハンクス、他。
あらすじ/
オレゴン州ポートランドを舞台に、自身のWEBサイトに生々しい殺人の映像をライブで載せているシリアル・キラー。彼に苦しめられる犠牲者の運命を握っているのは、罪悪感もなく、好奇心だけでサイトにアクセスする世界中66億人の人々。彼のサイトのアクセス数が増えれば増えるほど、犠牲者たちの死期は早まってしまう。さらに悪いことに、犯行を重ねれば重ねるほどサイトの存在は知れ渡り、アクセス数は増えて被害者の死に至る時間は短縮されていく。ネット犯罪専門のFBI捜査官ジェニファーは、焦りをつのらせながらも必死に手がかりを探るのだが…。(goo映画より抜粋)
こ、こっこここ怖い.....
サイコ・サスペンス映画として新しいものではないにしても
決して他人事ではない、という恐ろしさがありますね。
やろうと思えば決して不可能ではない、狂った犯罪。
意外だな、と思ったのは
犯人の姿が比較的早い段階で拝めてしまうところ。
なんなんだ、この若造は?なんでこんな事ができるんだ?
その答えは、次第に明らかになっていくのですが
その過程も実に丁寧で、「うんうん、そうだったのか.....」と納得。
丁寧で、かつテンポもよく、飽きさせない。
そんな優等生っぷりが鼻につくっちゃぁつくのですが
この場合ヒジョーに好意的に受け止められる優等生って感じですね。
そしてこの映画を支えているのは
だいぶ老けた感じは否めないけど、色気を失わないダイアン・レインの存在が大きい。
ダンナさんは刑事で、既に死亡している。
子供は女の子一人。
現在は祖母と同居。
子供と居る時間を増やすため、夜勤をしている。
こういうのを、回想シーンなどを一切挟まずに、会話のみで状況説明することが、このダイアン・レイン演じるFBI捜査官ジェニファーというキャラクターに深く感情移入させる事に成功している。
子供とのやりとり、とか祖母との関係、とか。
なんか凄くイイ感じで描かれてるんですなぁ。
特に、この非道極まりないネット犯罪が発生し、捜査主任になっちゃったことで夜勤から日勤に変わってしまい、夜遅く帰ってくるシーンが印象に残ってる。
ダイアン・レイン疲れ切った表情で帰宅。ソファには祖母が。
「子供の様子は?」と天井を指差すジェスチャー。
「寝てるわ」とおやすみのジェスチャー。
会話一切ナシなんだけど、すごく優しさに溢れたシーンだと思います。ちょっとジーンときた。
そんな感じで、家族の事を丁寧に描いているので
中盤の、
「子供さらっちゃうぞ!」という犯人の脅しのシーンはもうこわくってこわくって悶絶しまくりです。じっとしてられない。短いシーンながらもこの緊迫感は凄まじかった。
映画も終盤にさしかかるころ
急転直下の展開、なんとジェニファー本人が標的に......うひーこれ以上は書けまへん。
もー観ちゃった方が早いです。観て観て!
丸投げ!まーるーなーげー!!
......するのもなんかアレなんで、ちょっとだけ。
普通、こういうので犯人が捕まるか死ぬかして、一件落着し、
その後、主人公のその後、とかちょっとは描くもんなんですけど、そういう余韻を一切描いてない。
そこが、逆に、えらく凹む。
こういう終わり方、ものすごーく不快です......いや僕はむしろ褒めてるんですがね。
ネット犯罪の終焉が、犯人射殺という生々しい殺人のライブ中継(あっすいませんオチでした)だったという、あまりにもブラックすぎるオチ。カメラに向かって必死にFBIのバッジを見せるものの、実はこれって犯人が計算してたのでは.....と思える。だって、わざわざ監禁場所をジェニファーんちの地下室にする、なんてのも、これまでの犯人の行動を見てたら考えられないんですよ。
逆にハプニングが起きやすい場所で、計算どおりハプニングが起きて
計算どおりに殺人が中継される。
犯人は死んで犯罪は終わるが、結局勝負に勝ったのは犯人の方。
そして、前例を作ったことで、これからもこういう模倣犯がウジャウジャ出現するだろう、というネット社会の恐ろしさ。
なんだかんだ言って全部書いちゃいましたね、すんません。
これから見ようと思ってる方は読まんといてください、って最後に言う......ヒドイなオレ。
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