「HAZE(ヘイズ)」
製作/監督/脚本/撮影監督/美術監督/編集/ 塚本晋也
出演/塚本晋也 藤井かほり、村瀬貴洋、神高貴宏、辻岡正人、さいとう真央
第58回ロカルノ国際映画祭ビデオ・コンペティション部門/第43回ニューヨーク映画祭/第38回シッチェス国際映画祭/第34回モントリオール国際映画祭/第11回ストラスブルグ・エトランジェ映画祭/リヨン・アジア映画祭ほか正式招待
生命あれ。
爆音快感。轟音を聴け。
暗闇激感。闇を舐めろ。
痛覚解放。痛みを味わえ。
超恐怖体感。恐怖の果てを知れ。
塚本晋也、原点回帰!!
すげえ。やばいぞ、これは。
閉所恐怖症の人が観たら、
失神&脱糞するぐらい(笑)。
ある朝、「男」(塚本晋也)が目覚めると、見知らぬ場所に居た。そこは、身動きもままならないコンクリートの迷路。男は、這いずり回りながら必死に出口を捜すが、行く先々にとんでもないトラップの嵐!!
人型地獄。
口開き地獄。
天井床隙間地獄。
ハンマー地獄。
くの字地獄。
釘地獄。
地獄水道。(バラバラ死体てんこ盛り♪)
っていうか
地獄絵図です!!多分、地獄ってこんな感じなんだろうなぁ・・・・と。
で、死ぬよりもひどい苦痛と恐怖を味わいながら、「男」は、自分と同じような状況に置かれている「女」(藤井かほり)と出会い・・・・というのが粗筋。
そこから先の展開が、何故「男」と「女」は、この地獄空間に居るのか?っていうのが明かされていくんだけど、正直、僕はどうかと思った。多分、「鉄男」の頃の塚本監督なら、うまいことまとめようとせずに、不条理な状況を不条理のままにして、ひたすら恐怖のみを追及してたと思う。っていうか、僕はそうしてほしかった。
でも、今回の「HAZE」の、この「状況」の説明のつけかたは、とても「大人な」感じがするなぁ、と思った。いや、やっぱ
「バレット・バレエ」の記事でも書いたように、塚本君
大人なんですよ。すげぇグッとくるいい感じの終わり方だった。
「鉄男」のようにやんちゃで暴れまくりなのに、
「六月の蛇」のような(あそこまであからさまではないが)しっとりとした、エロティシズムをも感じさせる。
それは、役者としての「塚本晋也」の演技が極上に素晴らしいのもあるが、
「東京フィスト」以来二度目の競演となる「藤井かほり」の存在感も大きい。
藤井かほり・・・・東京フィストでは「ひづる」という名前でしたが、今回は名前もなく、ただの「女」。
人ひとりがどうにか這って移動できるぐらいの超狭い空間。何故かそこにはばらばらに切断された手とか足とか胴体とか内臓とか肉とか。そんな中に下着姿でじっと横たわってる藤井かほりを見た瞬間、物凄い生命の力を感じた。
この作品で、塚本監督は初めてデジタルでの撮影をした。
実際、観るまではかなり不安だったんだよね・・・・あんまデジタルのザラついた質感が好きじゃなくて。(マイケル・マンも「コラテラル」からデジタルに移行したけど、映像的にはなんかビミョーな感じだった。全体的にフラットな感じ、というか絵に奥行きが感じられなくて。)でも、これは物凄く上手く使ってると思う。特にメイキングなどは、
目からウロコ落ちまくりなんで、映画作ってる人とかは必見!だと思う。いろんなマイナス要素を逆手に取りまくりなので。やっぱ凄いわ塚本君!!
あとね、藤井かほり嬢の、ロカルノ国際映画祭のインタビューもありますが、インタビューというよりは
藤井かほり嬢の美しさを堪能するプロモーションビデオ状態になっとりますので、僕個人としてはこれだけで このDVD
買ってよかったと思った(笑)。
だってさ、スイスの美しい風景の中、着物姿に日傘なんかさしちゃって。
めちゃめちゃ
フォトジェニックじゃん!!1965年生まれということなので、お年は僕より6つ上、って事はかなり「いい歳」なのにもかかわらず、すごい若く見える。しかも、東京フィストの頃よりもいい感じで「大人」になってて、すこしふっくらした感じが、もう・・・・
たまりません。
人気blogランキングへ←単なるホラーと侮るなかれ!!「超恐怖」はダテじゃない。閉じ込められたあとの解放ほど気持ちのいいものはない。これから公開の「悪夢探偵」も期待大!!というわけでクリック♪

0