近々、湾岸戦争の実態を描いた「ジャーヘッド」が公開になりますね!観たい!!そんな訳で今回は戦争映画でいってみよー。
「ブラックホーク・ダウン」。
監督はあのリドリー・スコット。最近は「職人監督」などと言われていますが、昔はブッとんでたんですよ。なんたって「エイリアン」、「ブレードランナー」を作った人ですから。ヒットと大コケを交互に出す不安定さはありますが、独特の映像美はどの作品にも共通しています。そして残酷描写。リドリーの残酷さはこの映画がMAXなんではないかと。
一応原作もあって、マーク・ボウデン著「強襲部隊」(現在は映画と同名で文庫本になってます。)。これと併せて映画を観ると、面白さ倍増です。
出演陣を見てみると、ジョシュ・ハートネット、ユアン・マクレガー、エリック・バナ(今度スピルバーグのミュンヘンで主役っす!)、トム・サイズモアなどが重要な役どころ。ジョシュ、と聞いて「パールハーバー」の悪夢が甦りそうになった方、ひとまずご安心を。あんなクズ映画とは比べ物になりませんから!
1993(1994だったかな?)年のソマリア。アイディード将軍を白昼堂々拉致するという無謀きわまりない作戦。うまくいけば30分で終了するはずが、現地人の思わぬ抵抗にあい、壮絶な市街戦へと発展。原因は現地人の放った対戦車ミサイル(RPG)が米軍のヘリコプター(ブラックホーク)を撃墜してしまったから。だからブラックホーク・ダウン(撃墜)なんですね。救助に向かわなければならなかったレンジャー部隊は、市内に取り残され撃っても撃っても湧いてくる現地人に取り囲まれ、ヒジョーにマズい状況に陥っていく・・・・・。ベトナム戦争以来、最大の市街戦と評されたその戦闘は、まさに阿鼻叫喚、地獄絵図!!ロケットはあちこちからビュンビュン飛んでくるし、撃っても撃っても敵は湧いてくる。この映画を観ながら、もし僕がこの戦闘の場にいたら多分真っ先に死んでるだろうな・・・と思いました。そのぐらい銃弾の量がハンパなく凄い!!映画館で観たとき、本当に死ぬんじゃないかと思った(笑)。いやあコワイコワイ、戦争はホントにコワイ、そう思わせる貴重な一本。
アメリカ目線の映画なんで、現地人の扱い方がまるでエイリアンみたいな感じなのはしょうがない。実際戦闘に参加した人にはそんなふうに見えていたと思う。ただ単にアメリカ万歳なわけでもなく、反戦・平和主義を押し付ける訳でもない。淡々と、そのとき起きた戦闘はこんな感じだったんだよ、と。これは「戦争」の映画ではなく「戦闘の記録」なんだと。
実際アメリカはこの戦争でコテンパンにやられてソマリアから撤退。翌年ルワンダで起った大虐殺(100万人!!100万すよ。狂ってる・・・)に軍事介入しなかったのはこのソマリアでの敗北があったから。加えて、ルワンダは資源もなく助けたところでオイシイものは何にもなかったからね。このルワンダ大虐殺は映画になり、今年紆余曲折を経てようやく公開の運びとなったようです。「ホテル・ルワンダ」。主演ドン・チードルで。京都でも2月に公開なので絶対、ぜぇ〜〜ったいに観てやるっ!!!
あっ、それからフィリップ・ゴーレイヴィッチ著、柳下毅一郎 訳の「ジェノサイドの丘」上・下巻は必読!!ルワンダ大虐殺の真実がここに・・・とはいえ あまりにヘヴィーすぎる内容に当の本人ですらまだ読み終わってない!!読むには勇気がいります。もっと気軽に読みたい方は不肖・宮嶋の「ちょっと戦争ボケ」にもこのルワンダの事が書いてあります。どんな戦場にいても軽やかな語り口の宮嶋さんですが、やっぱり読んでてルワンダの事が一番ヘヴィーでした・・・・

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