死ぬ いいややっぱ埴輪になる そして君のお墓に副葬される 佐々木あらら
初読ではこの「埴輪」は間違いなく<踊る人々>だと思ったけど、繰り返し読むうちに<武人埴輪>の無な表情も捨てがたいなあと思う。「死ぬ」と「埴輪になる」は、意味的にはあんまり変わらないかもしれないけど、というか「死ぬ」よりも「埴輪になる」ほうが役立たず感というか現実社会でのダメさ加減が追加されている気もするが、「いいややっぱ」によってなされたこの転換は、軽い希死念慮をほの明るくて軽い希死念慮に変えている。下の句のなけなしの好意にはぐっとくるところだが、「君」にはそっと教えたい。あんたもしれっと殺されてるよ、と。
(佐々木あらら=短歌/鳴海テヨナ=絵『処女のまま始発で帰れ』tobufune、2013年)

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