さてごはんにかけたらいやなものの第一位はdrrrr除光液でした 飯田有子
カウントダウン形式のテレビ番組の定型を借用し(「さて」という出だしは、歌の外で長々とワースト○から紹介してきたことを想起させる)、ありえないランキングの「第一位」を紹介している。といっても、どこかでとったアンケートを集計して発表しているというよりは、あくまで俺ランキングだろうし、なので「drrrr」は、ドラムロールというよりはドラムロールの口まねで、俺ランキングのくせに「でした」という総意然とした締めは、勝手だなーと笑ってしまう。あと、「でした」という終わり方は、アッパーな展開できてるのに、最後の最後で、なんか本当に想像してちょっとローに入っちゃった感もする。で、栄えある「第一位」の「除光液」だけど、そもそも、食べられないものがありでこの遊びが成立するのかという問題がある。超絶汚い物や食べたら死ぬものなんかはすべて同率一位になってしまうのではないかと。でも、数ある食べられないもののなかで明確に格付けでき「除光液」こそがワーストであると言い切ってかまわないと主体は確信しているし、読者としては、それに納得させられる。なにが「いや」かなあと考えると、まず、「除光液」は透明なので、ぱっと見、ごはんにかけても台無しになってると気づけないって欺瞞性が「いや」だ。ほっかほっかのごはんにおいしそうだなと近づくとアセトンが揮発して目にしみる。
(飯田有子『林檎貫通式』BookPark、2001年)

0