2005/9/13
東京がどんな街かいつかだれかに訊かれることがあったら、夏になると毎週末かならずどこかの水辺で花火大会のある街だと答えよう (宇都宮敦)
ひらかないほうのとびらにもたれれば僕らはいつでも移動の途中
坂の多い街に生まれ育った で 君の生い立ち話はおわる
ブラひもがみえることとか そのひもがみせるためのであることとか
ゼビウスのテーマが車両に響いてる 地下鉄はいま地上に出てく
あっ10円 地面のそれはつぶされてひしゃげた学生服のボタンで
わたしクラスで最初にピアスあけたんだ 君の昔話にゆれる野あざみ
バス停の屋根から草がはえていた バス停からははえてなかった
ポケットのたくさんついた服が好きでしょ って勝手に決めつけられる
夕立に子供がはしゃぐ 世界とは呼べないなにかが輝いている
明るすぎてみえないものが多すぎる たとえば いいや やっぱやめとく
Tシャツの裾をつかまれどこまでも夏の夜ってあまくて白い
雷? いやおそらく花火 去年の春いっしょにあるいたあの川あたり
君は僕のとなりで僕に関係ないことで泣く いいにおいをさせて
いつまでもおぼえていよう 君にゆで玉子の殻をむいてもらった
遠くまで行く必要はなくなった 遠くに行ける そんな気がした

8
1 | 《前のページ | 次のページ》