4年前の3月3日、レコーディングに向かう車のなかで、その知らせを聞いた。
花代というのなまえの祖母が逝くには、いい日だったのかもしれない。
30歳をとうに過ぎても、結婚する気がまったくなかった僕は、
祖母と2人で暮らす約束をしていた。
若い頃は裕福な家庭に育ち、音楽を学びたかったが、そんな時代でもなく、
それでも小さなハーモニカを手に入れて練習したと言っていた晩年は、
いろいろな事がかさなり、あまり幸せそうにはみえなかった。
「はなのあめ」はそんな祖母のことを想う曲だ。
花は散り、あめを降らせ、また新しい花を咲かせる。
きっといつかまた、出逢える日が来るのだと思う。
