この歌は、山形県東置賜郡赤湯町地方の子守唄だそうだ。
はじめて聴いたのは、1989年 Hard To Find が結成された次の年のことだった。
結成1周年記念で、Trapezoid というアメリカ、シアトルのトラッドバンドのコンサートをした時に、Lorraine Duisit がハープの弾き語りで歌っていた。
その、メロディーの美しさにうたれ聴き入っていたのだが、はじめは何語か分からなかった言葉が、日本語だと分かり小さなショックをうけた。
日本人でありながら、こんなに美しい日本のトラッドを知らなかったというショックだった。
それからその、印象的なことば「おーわいやれ」が、どこのものなのか、どこの地方の曲なのか知りたくてたまらなくなった。
今奇しくも Hard To Find は、山形へ度々行くようになり、地元の方とも話をする機会が多くなったが、つい最近まで、この「おーわいやれ」を知っているという人と出逢う事はなかった。
が、前回の山形ツアーの時にやっと巡り会う事が出来たのだ。
失礼だが、かなり年配のその女性が教えてくれたのは、自分が母親におぶさるくらいの幼い日に、その背中で聞いたという話だった。
「おーわいやれ」というやさしい、やわらかいことばの響きは、母が子供を寝かし付けるときの、なんともいえない懐かしさからきていたのだ。
「おーわいやれ」 山形県東置賜郡赤湯町地方の子守唄
おーわいやれ おーわいやれ
おーわいやれ おーわいやれ
おらえの子守こはどこさ行ったべ
あら町横丁さもち買いに おーわい
いまえに来るから寝て待てろ おーわい おーわい
おーわいやれ おーわいやれ
おーわいやれ おーわいやれ
寝ないとねずみにひかれるぞ
起きるとお鷹にさらわれる おーわい
坊やはよゐこだねんねしな おーわい おーわい