死への思いが一線を突き抜けると、
体が地上から離れていく感覚を覚える。
明日の明日を迎えなければ、
不安も恐れも心配もない。
そんな風に思って、解放されるんだと思う。
こういう時に受ける診察時のテストの結果は、
多分妙なことになっている。
いまになって年の瀬を振り返り、そんな状況を
はじめて把握したりする。
捕らわれた足元が谷底から抜けるたびに、
こんな危うい綱渡りはいい加減にしたいと思う。
けれど、ふたたび山際を歩きながら、
さらさらした風が顔を撫でたり、誰かに灯りを分けて頂いたりするたびに、
それでも、綱渡りであってもどうにか渡り切って欲しいと、自分に願います。