これも今日、私のFBでの記事のほうで結構盛り上がった話ね(^ ^;
「
『就職できない』の脅しに『そんな会社には入らない』と反論」
(日刊ゲンダイ 2015年8月6日)
なおも物議を醸しているこの問題。ただ「『就職できない』の脅しに『そんな会社には入らない』」だと、何かまだ返しとして弱いような気がするな。
むしろこの問題についての報道を見ながら私が思ったのは「
昔だったら在学中にパクられたりして就職できなくなった連中を就職先として受け入れていた奇特な業種の一つがマスコミ業界だったんじゃないですかね」ということだった(笑)。
無論、往時でも正社員としての採用数は多くなかっただろうが、大手出版社などが出す総合週刊誌(『週刊現代』や『週刊ポスト』とか)やマガジンハウス(当時は平凡出版)発行の雑誌、あるいは往年の総会屋系雑誌やエロ雑誌系にそうした人材が結構まぎれこんでは誌面で割と好き勝手なことを書いたおかげで、そうした雑誌群も部数が増え、記者その他として関わった彼らのギャラも上がって中には家を建てたりするところまで行けたという歴史もかつてはあったみたいだからな。
もっとも、エロ雑誌系は後にそうして成りあがった出版社で稼ぎながら家も建てて家族も持つようになった人たちが子供たちに「えー、お父さん、いやらしい雑誌をやってるの? クラスでもいわれたよー。やだなー」と言われたか、言われるのを警戒する年代になった人たちが「これからは総合出版社を目指します!」と宣言してそれらしき雑誌を立ち上げたものの、後に軒並み失敗したという歴史もあったみたいだけど(- -;
それはともかくとしても、かつてはそうした若くして世の中ふみ外しました系の人材の受け皿になっていたマスメディア業界が、今では(90〜00年代あたりに比べればだいぶそうした傾向は弱まっているようだが)大学生の人気就職先になって、メーカーや都銀などと併願で受ける人間が入ってくる世界になっているし、さすがに「就職できなきゃウチにおいで」とかって報道のついでにアピールするような度量のあるマスメディアは今やない(まあ、昔も大っぴらにはそう言わなかったんだろうが)ということなのかもしれないな。
……てなことを書いていたら、思いがけずこんな記事もあるとのお知らせが。
「
堀江貴文氏 安保法案反対デモ参加者の不採用を明言」
(livedoorNEWS 2015年8月5日 16時39分)
まあ、彼の立場からすれば、今のこの状況ではそういう発言をしなければ自分の存在感をアピールできないってことも敏感に嗅ぎ取っての発言なんだろうけどね。
ホリエモンってのもようするにワンマン経営者なんだろうなというのはかつてのフジテレビ騒動の時に私も連日の報道を見ながら思った。んで、ワンマン経営者の多くは「自分の言うことだけが絶対に正しいのだ」という意識を持っている。
私もそういう会社に2つ務めたから体感的にわかるんだけど、でも実はワンマン経営者にとっては「それこそが必要な資質だ」という、功罪あいなかばする側面があることも、また事実なのだ(それについて、ここで語ることは話がまた長くなるのでとりあえず止めておく)。もとより、そんな経営者とはとてもつきあえないということで去っていく社員も多いだろうし、それによって社員だった人が蒙ったダメージを負った人たちを社会がどのように受け止めていくかという問題も極めて重要なんだけど、基本的にワンマン経営のつけは最終的にそのワンマン経営者が自己の責任において払うことになるのだ。
と、ちょっと話がそれたけど、かつてのライブドア騒動の時にホリエモンに対してアレルギーを示していた人の多くが、実は昔からあったワンマン経営者の先達たちなんだろうなということも(今さら言うのもいやらしいけど)当時から私は感じていた。
そのホリエモンが今になって、そうしたかつて自分を否定しにかかったワンマン経営者たちと同じような方向性で、昨今の国会前に集まっている若者たちを批判しにかかっている要因の一つは「自分の言っていることだけが全て正しい」「自分が主人公でなければ気がすまない」という彼が本能的に、自分より若い世代からの動きに対して抱いた「嫉妬」だとでも解釈しておけばいいんじゃないかな。
だって、ちょっと前までだったら堀江氏もああいう国会前での動きに対しては特に反応もしなかったでしょう。でも、さすがにあそこまで現象として大きくなっちゃうと目障りというか彼も気分を逆撫でされて無視できなくなったところもあるんじゃないかな。だからその意味では、SEALDsやその周辺にいる人たちがホリエモン発言に目下どのように反応しているかは詳しく知らないけど「自分たちがやっていることがホリエモンからもそういった反響をも引き出しうるに至ったんだ」と捉えておけばいい話なんじゃないかという気がする。
それに、ここは私の個人的な見方だけど、あと何年か経ったらSEALDsのメンバーとして抗議していた若者が、ホリエモンと笑顔で握手している写真がメディアで出回っている可能性だって、そこに至る展開はともかくとして無くは無いでしょう? それが今の世の中なんだろうなと思っていますので(^ ^;
そのうえで上記のホリエモンの表明に対するベタな対応策として一つ言えば、ようするに彼と因縁浅からぬ楽天でもフジテレビでも、朝日新聞でもNHKでも、あるいはホリエモンの本を出してる出版社でもいいから「別にデモに参加していた学生さんでもウチでは全然問題ありません」とか「むしろそういう意思ある学生は大歓迎」みたいなことを社長か採用担当者に言わせたり、今やほとんどポンコツ商品になった『マスコミ就職読本』(創出版)やその他の就職情報系媒体でのマスコミ現場社員インタビューで「
私は国会前のデモに何もわからず参加したことがきっかけで政治や社会のことに関心を持つようになり、そこで採用試験を受けた結果、今は報道の最前線でいつも仕事し、プライベートライフもこんなふうに充実しています」的なコメントを引き出して載せれば、そこからまた各方面で逆撫でされた方々が参入して展開としても面白いことになるんだよ(笑)。まあ、あんまりそういうのは出てこないだろうとは私も思っているけど。
ただね。最後に「
そんなことをやったらまたネトウヨなどから叩かれる」とか思ってる人たちがいるとしたら「
どうせこれまでもマスゴミだのアカヒだの言われてきた業界なんだから、今さらさらにまたそんなこと言われたって別段どうってことねーじゃねーか」って話なんだよな(^0^;。
でも、ここまで書いてようやく思うに至ったのは、俺自身が物書きとして経済的にもウハウハの状況の中で「別にデモに参加しようが警察ににらまれた結果まともな会社に就職できなかろうが、俺はこんなことを書きながら毎日楽しく、家族の介護や自分の老後を含めて何の不安もなく暮らしているよ」と言える世の中だったら、国会前に集う若者たちの就職が云々なんて話ははじめからなかっただろうということだな(^_^;

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