目下、大盛り上がりになっております例の件での報道。
「
自民勉強会問題:百田氏、重ねて批判 『冗談で大騒ぎ、卑劣』『朝日と毎日と東京もつぶれて』」(毎日新聞2015年06月28日 東京朝刊)
別に朝日と毎日と東京が潰れても構わないと私は思うが(別に俺が潰れなきゃいいんだよ)、なかなか面白かったのは記事中の以下の一節。
《
百田氏はこの日、福岡大学の同窓会の会合で講演。自民党懇話会での発言について「公開されていない内輪の席での会話を報道された。テレビやラジオの発言なら言い訳は通用しないが、飲み屋でしゃべっているようなもの。飲み屋では何でも言う。『あいつ殺したろうか』って、これ殺人未遂(になるのか)」などと弁明した。》
そうか。この自民党懇話会ってのは飲み屋の無礼講みたいなもんなのか。だったら最初から飲み屋でやりゃいいんだよ。ついでに言えば、閣議決定が無くなった「○年談話」とやらも、勝手に街なかの「談話室」にでも行って独りごとでつぶやいてろって話だな。
……という話をfacebookに書いたら結構な反響が。
「
『あいつ殺したろか』は飲み屋でもまずかろう。ためしに桜田門近くの飲み屋でやってごらん」とのコメントもいただいたんで「
いやあ、桜田門近くの飲み屋ではお巡りさんたちが『あいつ殺したろか』って言ってるような気もして(^ ^;」とか返信しているうちに思い出したのは、もはや10年近く前に
共謀罪法案への反対運動に加わっていた頃の話だ。
というのは、あの頃も反対運動に関わっていた人たちの間で
「
飲み屋で『やっちゃえ』と言っただけで罪に問われるのでは」
なんて声がよく聞かれていたんですよ。個人的には「ちょっとオーバーだよな」という感じもなくにしもあらずだったが、それよりもずっと昔の「
デートもできない警職法」ってのが今なお語り継がれていることもあったし、それも戦術的にはいいかな、ぐらいに思っていた。
が、それから10年近くを経て、よもや百田尚樹さんの口から「飲み屋では何でも言う。『あいつ殺したろうか』って、これ殺人未遂(になるのか)」なんていう似たような台詞が聞けるとは予想だにしなかったね(笑)。てっきり「早死にし損ねた」と思っていたけど、予想外に長生きしてしまうと、こういった事例にお目にかかる機会も自ずと増えていくということだろう。
それともう一つ面白かったのは
「
『百田さんにも言論の自由ある』松井一郎・大阪府知事」(朝日新聞Digtal 2015年6月27日00時05分)
の中の
「
ここぞとばかりに復讐(ふくしゅう)だな。朝日(新聞)と毎日(新聞)は、百田さんの表現と言論の自由を奪っているのではないか。圧力をかけて」
だな。誰も「百田さんの表現と言論の自由」は「ない」なんて言ってない(´д`)
と思ってたら昨日は
「
『百田氏発言は憲法違反』沖縄選出議員ら抗議」(2015年6月27日夕刊)
というのが出てきた(笑)。まあ、そこで「憲法違反」というのは無理があるよな。しかし「
百田氏の戦後史に関する知識は、永遠のゼロだ」はベタだなと思いながらもちょっと吹いた(^ ^;)
あと、池田信夫さんの
「
百田尚樹氏の批判した電波利権」(アゴラ 2015年6月28日01:12)
例によって乱暴だけど、こういう突っ込みは必要。たまにゃ少しはいいことも言うね。
一方で衆議院議員の長尾たかしさんは
「
某日の部会室からのショット。「盗聴」にも見えるし、「聞き耳を立てている」ようにも見えます。ガラスに寄りかかっていて、「たまたま聞こえてしまっている」とも見える。記者さんたちの並々ならぬご努力には心から敬意を表します。※つづく・・・ 」(2015年6月27日8:53)
と写真付きで怒ってるようだが、こんなもん「盗聴」でも何でもないし、普段から取材をやってる人間からすれば「これくらいやらなきゃ」って感じだよな。むしろ、記者がこんなふうにしか取材できない今の「部会室」およびその周辺の在り様こそを問題とすべきである。
……なんてことを言ってる私のほか、これまでもっぱら取材対象から訴えられて「被告」になってきたような人たちもが「
秘密保護法違憲訴訟」なんてのをやらなきゃならなくなってるという倒錯した(?)現状を考えてみて欲しい。
そもそも俺たちは例え憲法が変えられようが今まで通り自分の好きなように取材して報道するんだよ。 この時代の潮流を憂慮しつつも「守るものがある」がゆえに黙り込む人たちを尻目に(って、でも私はそういう人たちを責めようとは思わない)。
以上「取次倒産」で慌しくなってる机の上からの取り急ぎな所感でしたf(^_^;

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