昨夜は以前から行ってみたいなと思っていた新宿歌舞伎町センター街の「
BAR HANA」へ。
先に刊行された『
震災以降 東日本大震災レポート 終わらない3.11 3年目の報告』(三一書房刊 の
ミニ報告会の「第一回」が行なわれたのだ。
あの「3.11」直後から現地に駆けつけて取材してきたフリーランスのライター・編集者など21人が執筆に参加している作品で、「第一回」の報告者は、執筆者の一人である
粥川準二さん。1969年、愛知県生まれ。ライター・編集者・翻訳者。「ジャーナリスト」と呼ばれることもある(という)。国士舘大学、明治学院大学、東京海洋大学非常勤講師。著書に「バイオ化する社会」(青土社)など。博士(社会学)を持ち、本書では「第二章 終わりの見えない原発事故の影響」のうち「放射性物質と風評儀害に立ち向かう生産者達」という記事を執筆した。
科学的知見に強い粥川さんならでは、原発事故に関連して昨今盛んに言われてきた「放射能被害」や「風評被害」も含めた一連の問題について「科学的論点と社会学的論点とをきちんと分けたうえで論じていく必要がある」と力説。反原発派にも(原発推進派にも)「こういうところをきちんと踏まえたうえで議論しようね」という話をしてくれた。
ちなみに「BAR HANA」は様々な人たちが持ち回りでバーテンを務めているお店で、今宵のバーテンは共著者の一人であるライターの
渋井哲也さん。カウンター前には
長岡義幸さん(インディペンデント記者)や、終盤には
村上和巳さんさん(ジャーナリスト)、
渡部真さん(フリーランス編集者)も参加した。みな、私が鬱病と経済難で自宅に引きこもっていた「3.11」の頃から、フリーランスという企業(出版社など)からのバックアップもあまり期待できない中で懸命に被災地取材に取り組んできた人たちだ。同業ながら不肖かつ役立たずだった物書きとしても、やはりこうした人たちの仕事は、今回まとまった上記の書籍を含めて応援・拡散していかなければと思う。
なお、この「BAR HANA」での『震災以降』筆者によるミニ報告会は今回が「第一回」ということで、以後も引き続き報告者である筆者各氏を毎回呼びながら開催していくという。被災地での生々しい実態を目の当たりに取材してきたフリーランスにして「出版のプロ」であるみなさんと面と向かってやりとりできる場なので、是非多くの方に参加してもらいたい。

0