反原連が
阿佐ヶ谷ロフトで「新年会」を開くというので参加。料金は2ドリンク付き1000円から。お店にとってはあんまり儲かるイベントとは思えなかったけど、これは梅造さん(
ロフト副社長にして反原連の主要メンバー)のご尽力でしょう(笑)。直前にはfacebookでお誘いメールも戴いたしね(^-^)。とはいえ店内は立ち見が出る超満員。
昨年の5月末、初めて官邸前を(取材でも何でもなく興味本位で)訪ねて以来、その後の6〜7月の異様な盛り上がりを経て、今だにほぼ毎週金曜日の抗議行動を取材に通っている私だが、その主催者である反原連のメンバーには(前述の梅造さんほか「3.11」以前から御厚誼のある方も何人かいるけれど)、この官邸前〜国会前抗議行動についてじっくり話を聞いたことはない。
とにかく、去年までは毎週金曜の夜、あの場所で彼女ら・彼らが中心となって繰り広げている運動を率直に「見つめよう」ということで、手持ちの短い三脚の先に、買ったばかりのスマホを装着のうえ、まるでストーカーか「カオナシ」のように官邸前や国会前の路上に立ちながら中継を続けた。
正直、何で自分がそんなことをやっているのかが、実はよくわからない。もとより、私自身も原発は亡くしていったほうが良いという立場だが、かといって別に彼女ら・彼らのプロパガンダを目的としているわけではない(「結果的にそうなってるじゃんか」との批判は、どうか御勝手に)。だって別に(今んとこそういう機会はないけど)「原発は是非必要!」という人たちの声も聞いたり伝えたりしてみたいと思っているからだ。
とは言いつつ、さりとて「ジャーナリストとしてやってるんですね?」と聞かれたら「別に。俺の勝手でやってるだけですよ」と答えるだろう。ていうか最近、俺「ジャーナリズム」という言葉とか、自分が「ジャーナリスト」って呼ばれるのが嫌いになってきて(苦笑)。いや、個人的には「3歳の子どもだってジャーナリストだ」と今でも思ってるんですが。
いつだったかの集会でも「
ジャーナリストによる連帯が、なぜできないのか?」と聞かれて、「
ジャーナリスト同士なんかで連帯するな」と暴言を吐いたことがある(ちなみにその場では言い損ねたけど「
『ジャーナリストによる連帯』の醜い帰結が今の記者クラブ制度じゃないのか」と言ってやりたかったんだけど)。
……えーと、話が逸れたけど(汗)、そんなスタンスの男が昨年後半以降「反原連」や官邸前〜国会前での抗議行動を何というか「不思議だなあ」「面白いなあ」と思いつつ、ずっと見つめてネット中継してきたわけです。
で、年が改まった今、自分が考えているのは「彼女ら・彼らの声をじっくりインタビューしてみたい」ということだ。それは別に彼女ら・彼らの主張をプロパガンダしたいわけでもなければ(繰り返すが、結果的にそういう結果につながったとしても――あるいはまるでその逆になったとしても――それはそれで構わない)、別に「ジャーナリスト」だからそれをやりたいと思っているわけでもない。
単純に「俺は物書き(フリーライター)ですから」と、それだろうと思っている。
んでまた再び反原連の「新年会」に話を戻すと、前半はネット中継され、後半は「作戦会議」ということで中継はなし。もっとも、あんまりそう分けた意味がなかったような気はしたけどね(笑)。
ただ後半は会場からの質問も受け付けたことで、幾つかイタイ質問(陰謀論的なヤツとか)もあったんだけど、
misao redwolfさんがそういうのもはぐらかさず答えていたのが、何だか面白かった。ちなみにmisaoさんは「
自民党は三日天下」と言い、原田裕史さん(たんぽぽ舎)は「
一番良いのは自民党に(原発)政策を転換してもらうことだ」と言っていた。この辺は昨年最後の官邸前抗議行動が終わった後の私の映像ショートインタビュー(
ここ見てね)にも出てるので御参照ください。
いずれにせよ、次の目標は半年後の参院選ということだな。
一方で、トークを聞きながらfacebookやtwitterもチェックしてたんだけど、ここでもやっぱり(名前は伏せるけど)こんなことを書いてる人がいた。
>反原連は新年会ではなく、反省会を開いて、
>昨年の敗北の総括をすべきだと思いますが。
>目出たいことなど一つもない。
>酒なんて飲んでヘラヘラしてる場合じゃないはず。
>反原連は本日をもって解散すべし。
バカだな。そんなこと言ってるから日本の市民運動はダメだって言われるんだよ。
そもそも反原連は昨年「敗北」などしてないし(メゲてるだろうな〜とは思ったけれども)、選挙で「敗北」したのは自民・公明などを除いた各政党であり、その「総括」はそいつらがやるべきなのであって、反原連ほか脱(反)原発団体が早急にやるべきは選挙結果の「分析」を踏まえた次の「戦略」なのである(まあ、都知事選に関しては明らかに脱(反)原発派が「敗北」したと思うし、そこから再構築を図る必要があると思うが)。
で、そんなのは何ももったいぶって「反省会」なんかやらずとも、メンバーやその周辺、さらには正反対のスタンスのもとに投票した市民の側からの意見も絶えず集約しながら恒常的にやればよいことであって、年に一回の
「新年会」やったって何が悪いんだという気がする。
(【追記】上記のような反論を書きましたよ、と「Thoton Akimoto@thoton_a」さんにツイッターでURL付きでお知らせしたら「
反論とか擁護とかしないで、反省しないとダメです。心のあり方が根本的に間違っている人と対話しても時間のムダ。そんな文章、読みませんよ」とのレスが即座に返ってきた。こういう「
自分は言うだけ言っといて、言い返されたらビビッて逃げちゃう」類いのヘタレは自然に淘汰されていくことでしょう。一応「広めてくださってありがとうございます。まずは御礼までに。d(^-^)/~」と御礼は送っといたけど)
これは私自身も7〜8年前に「共謀罪」法案制定の動きに対する反対運動に関わった(その活動の記録は
ここに詳しく出ています)経験から思うのだけど、「運動」そのものが自己目的化するとロクなことがないから、この際もう「楽しんじゃえ!」という感じでここまで拡大し、前政権に「原発ゼロ」を言わせるぐらいに至ったのはむしろ直接民主主義型の抗議運動による「勝利」と取るべきでしょう。で、間接民主主義型の選挙に関してはある意味そのバックラッシュを食らったんで、「だったら俺たちゃこうやる」としたたかに今から戦略・戦術を組み立てていけば良いのだ。
その7〜8年前の「共謀罪」法案の際も、2005年の郵政選挙で300議席を得た与党下での運動で「こりゃダメだ」と当初は思ったんだけど、映像で与野党の政治家にインタビューしてサイトにアップしたり、メンバーの女性たちが中野駅前でメイド服着て反対ビラ撒いたり、それぞれ勝手なことをやり始めたんですよね(最初は会議も開いてたんだけど、そのうちメンバー個々が独走するようになってしまい、会議も開かれなくなったにも関わらず、メンバー間の結束はかえって増した)。
それに対して「不真面目だ!」「こんなやつらが反対運動やるなら私は共謀罪賛成にまわる」といった書き込みがブログに殺到したんだけど、却って私は喜んだわけです。「
不真面目で何が悪い」と。
だって真面目な反対運動なんかやったら却ってメンバー全員が疲れるだけだし、そのうちに各メンバーの意見の相違から不協和音が生じて組織がバラバラになることでしょう。その点「共謀罪」の時なんかはメンバーの大半が「フリーライター」などという、およそ社会性も協調性もない人間ばっかりだったんで(笑)、途中からもう、みんな好きにやるしかないということで放置したら、そのうちにやたら運動が盛り上がって国会でも「反対」の野党共闘が成立し(まあ自民党側の敵失もあったんですけど)、自民等圧倒的多数の衆議院でも結局採決できないまま法案を廃案に追い込めたという「成功体験」のもとにこれを書いております(^-^)。
ようするに「民主主義」ってヤツの使い方次第だと思うのですね。これまで民主主義というと「選挙で数多く議員が選ばれた党派が勝つ多数決の世界」というのが世間通念だったと思うんだけど、官邸前に大勢が集まって「再稼動反対!」と叫べば首相も代表者たちを官邸の中に招いたうえで「原発ゼロ」を言い出したわけで。要するに「間接民主主義」(選挙)以外にも「直接民主主義」ってものがあるんだから、その両方の使い方をこれから良く学びましょう!というのが先の選挙がもたらした教訓だったんではないかと。
が、その意味で反原連の活動や社会的・政治的影響力がどうなっていくかについては、私自身はまだ予測も判断もつきません。ただ、「市民」とも「ジャーナリスト」とも称さないまる裸の「フリーライター」というか「物書き」としては、素朴に「あなたがたの声をじっくりと聞いてみたいな」と。
とりあえず、愚見はここまでにします。ではでは。

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