もちろん 「場合によっては」ってことなんだろうし、まったく否定はしないけど、どんな「場合」にそういうことになるのかが気にはなりますね。まあでも、飯田哲也さんあたりは今頃カチンと来てるんじゃないかな。
「
『橋下さんと共同行動、十分にある』嘉田・未来代表」
(朝日新聞デジタル 2012年12月17日20時14分)
昨日は夜7時からNHKのニュースを見てたんだけど、30分枠の中で政権交代後の課題について延々とやっていたものの、原発問題については一言も触れずじまい(被災地復興についてもほんのちょっと)だった。
結局、政治とかマスメディアの世界にあってはその程度の争点だったのかもしれない。まあ「脱原発」を鮮明に打ち出した政党ほど、出口調査でも結果でも敗れたってことで「それはもう決着がついた話」という判断なのかな……。
政財界やマスコミがグルになって――とまでは言いたくない(陰謀論の類いには与したくないので)。
ただ「脱原発」で盛り上がっている人々を醒めた目で、あるいは「うぜーな」「目障りだ」「ヘンなヤツ!」と思っていた層が相当にいたことも間違いないし、「そういう連中をこの際、徹底的に根絶やしにしてやろう」みたいな力学が、何となく社会全体に働いたのかな……という気はするし、敢えて言うが“脱原発”や“反原発”側もそこは謙虚に受け止めなければならないだろう。
というのも、自分の膝元の東京都知事選の結果にも考えさせられたからだ。私自身は宇都宮氏を当初から支持していて(原発問題以前から、サラ金問題や貧困問題への取り組みに対して敬意を表していたし、この人に都政を委ねても良いのではないかと思ったからだ)、実際に選挙でも彼に投票した。もっとも当初から「たぶん宇都宮さんは大変だろうな」という気はしていたし、彼の周辺でやたら盛り上がっていた選挙活動(twitterやfacebookなどに盛んに書き込まれてきたメッセージやコメントも含めて)には、敢えて距離を置いていた。
ただ、開票結果であそこまで得票数が(猪瀬氏の433万8936票に対して宇都宮氏は96万8960表)開くとは、さすがに予想していなかった。
ちなみに猪瀬氏に投票した約434万人の中に『ミカドの肖像』とか『欲望のメディア』など彼のノンフィクション作家としての作品を読んだ人がはたしてどれだけいるのかといったら、たぶん読んでない人のほうが圧倒的だろう。この日本にノンフィクションなんかを詠む読者がそんなにたくさんいないことは、私も同分野の物書きの端くれだからよくわかる。だいたい石原都政下の副都知事とはいえ、都民の大半は猪瀬氏の政治家としての力量やキャラクターを、一体どこまで理解していたのかという印象は残る。
(んだけど「そんなことはないよ」「お前がバカなんだ」といったご意見がありましたら、このブログに明記したメルアドやコメントでもいいのでご意見ください。と言ってもどうせ誰も送ってこないだろうけど)
でも『ミカドの肖像』も『欲望のメディア』も読んだ私としては、どちらも優れた作品ですよ――なんて書くと『
週刊金曜日』に毎週コラムを書いてる私としてはまずいのかもしれないけど(笑)、でも選挙では彼には投票しなかったし、先週は猪瀬氏と“不倶戴天の敵”である佐高信氏(元『週刊金曜日』社長)という個人的にあまり好きになれない人物が座談会している原稿のまとめ(『週刊金曜日』に掲載予定)を自宅で仕事でやってた。
などと話題が脱線したのを元に戻すとして、それでも猪瀬氏が今回、過去の国政選挙も含めて個人が獲得した最多得票数記録を上回る400万票以上もの得票で都知事に選ばれた。この現実を、“敗者”である私たちはどう受け止めるべきか? と思いながらも、
「おもしれー。敵は見えたぞ!!」
(と舌舐めずり)
みたいな気分はある。もとより自分が選挙に出るつもりは毛頭ないし(実際に毛頭もなくなりつつある ^-^)、フリーライターやジャーナリストとしては中途半端な存在のままに50歳近くになって、正直そろそろこの業界から足を洗おうかとも思っているのだけど、それでも今の仕事をやってる限りは、大したことは何もできないにせよ、そんな思いでやっていこうかと思っておりますので何卒宜しくお願い申し上げます。ではでは。

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