野田首相と
反原連が官邸で“初会談”(8月22日:
ここ参照)してから最初の週末の恒例抗議行動。今回から、従来までの官邸前および国会正面前に加えて民主党本部前などでも抗議行動(主に原子力規制委員会人事の撤回要求)が行なわれるというので、どんな具合を見に行ってきました。まずは官邸前↓
◆8.24首相官邸前
(
http://www.ustream.tv/recorded/24924752)
例によって私は国会議事堂駅前へ18時ギリギリに到着。相変わらず駅構内(男子トイレはもちろん、女子トイレ入口付近にも「警視庁」の腕章をした私服の婦人警官がいた)から地上まで警官の数の多いこと多いことだったけれども、予想に反して今回は地下鉄出口前で止められることもなく、すんなり最前部まで行けちゃいました。いろんな意味で(良くも悪くもかはわからんが)「状況が変わってきた」ということかもしれない。
反原連は相変わらず。カリスマ的(?)存在の
misao redwolfさんが「今日は民主党本部前に近いところ(国会図書館脇)にもマイクを設置して『人事案撤回』というイシューで抗議できるところを設けています。こちらは8時で終わりますが、民主党本部前では8時から9時まで抗議を継続しようということで考えています」と最初にアナウンス。
いろいろ戦略や戦術は練りつつも、一方で懸命にバランスをとろうとしているのだな……という苦労が伝わってくる。
ちなみに、この首相官邸前から民主党本部前(というか国会図書館)までは普通に歩いたら議事堂裏(議員会館前)の道を歩いてわずか7〜8分の距離なのに、なぜかこの金曜集会の夜に限って、国会議事堂正面をぐるりと回った徒歩30分がかりの移動を強いられる。
んで、これがまた理不尽に感じられるのだ。なぜならこの議事堂裏の道路(衆参両院の議員会館玄関前やや議事堂の「面会所」に面した通り)というのは原発問題以前から、かつて私も関わった「共謀罪」法案反対運動(
ここ参照)など、いかがわしげな法案が国会に上程されて通りそうになるたびに反対派団体・市民および反対派が押しかけ、警察による静止も映像中継のネタにしながら大騒ぎを繰り広げてきた場所だったからだ(まあ、おかげで「共謀罪」も最終的に廃案で息の根を止めましたけど)。
ともあれ、この日の首相官邸真正面で個人的に一番印象に残ったのは、「反原連」の腕章を袖につけつつ、小柄な身体で表情も変えずにひたすら黒い旗を掲げていた、この男の子↓でした。よっぽどライブ中継でインタビューしてみようかと思ったんだけど、あそこでそういうことをやろうとすると警官がすぐさまやってきて「通路は空けてください! 歩行者の方が通りますので」と邪魔するので、断念。
もとより相変わらず、いろんな人たちがいろんなメッセージを思い思いのやり方で発信してました。そういえば鈴木邦男さんもいらしていたので上記の映像中で短時間インタビューしました。「こないだここでお会いした塩見卓也さんは『赤軍派の再興も考えなければ』と言ってました」と伝えたら苦笑しながら頭を抱えていたけど。
◆8.24民主党本部前
(
http://www.ustream.tv/recorded/24925613)
んで20時半前ぐらいに民主党本部前(というか国会図書館脇)にも行ってみた。
国会図書館は仕事柄、個人的にももう20年ぐらい前からよく利用していて、雑誌閲覧室のすぐ隣が社民党(当時は社会党)本部だったせいで街宣右翼の凶悪軍歌まじりの抗議行動に「うるせーなー馬鹿野郎」と思いながら仕事のための調べごとをやっていたのを思い出す。
もっとも、民主党本部となるとこの近く(図書館を挟んでほぼ反対側)にあるってのは知ってたけど、別に今までわざわざ行く用事も無かったんで、正直「抗議行動」をどこでやっとるのかってのが今いち良くわからないまま向かった次第。国会正門前から暗闇の中をてくてく一人で歩きながら「な〜んか、あのへんから抗議やってる声が聞こえるなあ」と思いながら訪ねていったら、道路脇のバルコニーみたいなところから、200mほど離れた民主党本部の建物に向かって、見たところ300人くらいが「人事案撤回」を叫んでいた。
ただまあ、私としては一応「民主党本部」前での抗議活動だと聞いていたんで、その民主党本部前まで、沿道の反原連スタッフの方やおまわりさんに「えーと、民主党本部ってどこですか?」と訊きながら一旦そっちに向かったわけなんだが、5分もかからずたどりついた肝心のその民主党本部の殺風景なビル前には警官が10人ぐらい、ヒマそうにタムロしているだけであった。
「ほんとにここか?」と思ったんで一旦通り過ぎた後、またまた警官に「民主党本部の正面玄関ってどこですか?」と訊いたうえで、もと来た道を戻っていったんだけど、途中で早くも警備用の鉄柵を片付けながら歩いていくおまわりさんたちと擦れ違う。まあでも、「原発やめろ!」「人事案反対!」「田中はやめろ!」「中村やめろ!」「更田もやめろ」のシュプレヒコールは、この距離だからビンビン届いておったみたいだ。
ともあれ、そんなわけで再び国会図書館脇に戻ると、
というプラカードを掲げた青年が車道脇にいたので訊いてみる。
「あなたは(反原連の)スタッフのかたですか?」
「ああ〜、全然違います。どこに向かってしゃべってんのかわかんないかなって思って」
ようするに警察の指導その他の事情からここに落ち着いているということらしい。確かにこの場所の一番北側(?)にあるバルコニー状に張り出した一角からは、200mぐらい先の民主党本部が夜の闇の中、各階にしょぼく電灯を点けながら(まだ職員さんたちも働いているんだろうか)佇んでいる。
最前線でコーラーを務めていた青年が20時過ぎ、抗議行動の終了を告げた。当初予告していた20〜21時の民主党本部のすぐ前における抗議行動は諸般の事情から中止になったらしい。
たまたま彼のすぐ前でウェブ中継をしていた私はさっそく彼に即席インタビューを試みる。
「とりあえずこれも緊急の行動だったというか……」
「そうですね。これを告知したのも今日の夜というか0時をまわってからだったんで(苦笑)」
「あっち(民主党本部前)で何かやってるのかと思ったら何にもやってなかったんだけど」
「そうですね。ほんとは向こうでやりたかったんですけど」
「今後どうします? 時間も結構限られているわけだけど」
「そうですね、こういう民主党本部に対して直接抗議をやるのか、それとも平和な抗議を呼びかけるのか、できる限り多くの声を届けるということをやるしかないと思うんで」
「(民主党本部前の)おまわりさんもヒマそうだったから、ちょっとビビらせたほうがいい」
「そうですね(笑)。まあ、来週は厳しいと思うけど、ちょっと考えます、そこは」
「反原連としては国会周辺(の抗議行動拠点)が割と分散しちゃうんじゃないかと……」
「あ〜、それは僕らも歓迎してるというのでもないですけど、要は20時で終わってから環境省とかそういうところにもやってるとか、別に僕らの呼びかけでなくても、むしろそういうふうになっていって人が集まっていけばいいかなと。この一帯の抗議ってことで、どんどん原発反対の声として広がっていってもらえればいいかなと思います」
「ありがとうございました!」
――と、まあ終了後のお疲れのところだったんで(あと例によってスマホの電源が落ちそうだったんで ^_^;)この程度にとどめたけど、できたら彼ら「反原連」に参加しているスタッフの声をこれからもいろいろと機会を見つけて聞いていきたいな……という思いが、このところ私の胸の中ではふつふつと湧き起こっている。

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