自由報道協会の主催で行なわれた「
小沢一郎民主党元代表・全国民同時参加型記者会見」に参加。
今回は会場に行くのが遅くなったために撮影用の良い席につけず、もっぱら聞き役に徹する。って、まあ小沢一郎さんってのは本当にいつでもどこでも「あのまんま」な人で、
3ヶ月前の同じ会見に出てきた時と表情も服装も寸分違わず(ネクタイまで同じだった)という人だったから、あんまり撮影の意味もなかったんですが。
もっとも今回の会見では、前回の7月に行なわれた会見とは違って、会場からの質問もTPP関連や、普天間基地問題、さらにはそれに絡む「日米軍事同盟」に関わる質問が主体。その点では思ったよりも淡々とした会見だなあ……と思っていたのが、次の読売新聞記者からの質問では俄かにヒートアップ。
記者「
陸山会の今度の問題が起きてから、先日の意見陳述もそうでしたけど、政治資金規正法違反に関して、これが脱税とか汚職を伴わない場合は、実質的犯罪とは言えないんだという考え方を再三述べておっしゃられると思うんですけど……」
小沢「
そう言ってません」
記者「
そういうふうに受け止めることをおっしゃてると思うんですけど」
小沢「
そんなことは言ってません」
記者「
そういうふうに一貫して述べられてるんだと思うんですが」
小沢「
違います」
記者「
2007年の2月に事務処理の問題が問題になりまして、小沢さんが会見で話した時に『政治資金についても全てオープンにして国民の判断をすべきことが大事なんだと言われていて、私もその通りだと思った記憶があるんですが、今回の問題が起きてからの小沢さんの発言を見ていくとですね、当時の考え方を修正したのかなと思わざるを得ないものが表現されている。『それは実質的犯罪ではない』とか『形式的ミスである』とか、そういうふうに言われてるんですが、その2007年の会見の時におっしゃったような趣旨からすれば、政治資金収支報告書としての誤りがあって、それを国民の側が判断することが大事だとおっしゃってるわけですから、その判断を誤らせるようなそういう虚偽があった場合は、汚職とか横領とか脱税ということがなくても、これは実質的な犯罪といえるのではないでしょうか。その点のお考えをお聞かせ願いたいです」
小沢「
ちょっとあなたの認識が違うんじゃないかと思っております。私は犯罪じゃないという言い方をしてるわけでは……まあ犯罪と言ったって軽犯罪だって犯罪だからそういう言い方をすればちょっとでも法に触れれば犯罪だと思っていますが、いわゆる実質的犯罪が伴わない場合は、今まで全て収支報告書の修正で済まされてきたというに申し上げてる」
記者「
実質的な犯罪じゃないというお考えがどうなのかというふうに申し上げている」
小沢「
法律学者でも誰でも聞いてください。実質犯と形式犯と二つあって」
記者「
そうじゃない」
小沢「
いや、そういう意味のことを僕は言ってるんだと」
(この辺から司会が諌めに入る。上杉隆さんも記者に「ルール守んなよ!」と止めに入る)
小沢「
ですから実態は、みなさんみんな修正報告で……いっぱいあるんですよ今でも。間違いだと言われるのは。私どもは虚偽記載してるとは思ってないんですよ。だけどそれが間違った報告書だったと、そう言う時には全部修正報告で通っているわけですよ」
記者「
そんなことないですよ」
小沢「
そんなことありますよ。だから実質的な」
上杉「ルール守んなよ」
小沢「
あなたの考え方じゃなくて僕の考え方を聞いてるわけでしょ?」
司会「そろそろ別の質問に移らせていただいても宜しいですか?」
……で、「こりゃ会見終了後に一悶着あるな」と思ってたら案の定、上杉さんさんと岩上安身さんらが当の読売新聞記者のもとにニジリよって口論が勃発(↓左から二人目が読売の記者)。
こりゃ当分終わんないなと思ったが、すぐまた次の記者会見(猪瀬直樹副知事が出てくるんだとか)があるというので、今度は会見場入り口のロビーに場を移して続行。
しかし面白いのは、通常の記者会見だったらおそらく「なんだか記者どうしで揉めてるなあ」ぐらいにやり過ごされるであろうこうしたハプニングを、ビデオカメラやテレコを抱えた会見参加者たちが「なんだなんだ!?」とばかり大勢で取り囲んで取材(?)していたこと。このあたりも既成の記者会見や記者クラブの概念に捉われない、この会見ならではの光景だったといえよう。
結局この受付前でも「次の会見がありますので」ということで、仕方なく3人はエレベーターで下に降りていった。その後、麹町の路上でストリートファイト! があったのかどうかは知らない(私が次のエレベーターで降りて行った時には既に姿がなかった)。殴り合いになったのか近所の居酒屋で果てしない激論になったのかはわからないけど、傍目に見てたら、何か面白かったな。

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