坂本衛さんからの招集で、昼から都内永田町・参議院議員会館の1階講堂で開かれた「地上アナログ放送の終了延期=地デジ難民のゼロ化」を求める記者会見に、スタッフ(ビデオ撮影係)として参加。
「またカネかけて造りやがったな」という感じの豪勢な議員会館の、200人は入るという講堂に集まったのは70名ほど。お昼時とあってまったりした雰囲気の進行だったが、話の内容はシリアスそのもの。現職国会議員や放送関係に詳しいジャーナリスト、京都でマンションの地デジ対策に頭を痛めている管理協議会幹事の方、視覚障害者の方などが、ちまたではほぼ報じられていない切々とした状況を訴えていた。
現行の地上波テレビ放送が本年7月24日をもってデジタルに切り替わり、従来からのアナログ放送がそこで打ち切られるという計画については、まあ昨今は盛んに国を挙げての国策としてPRが繰り広げられているので、そんなの全然知らないという人は今や確かに少ないだろう。ただ、それを知らされるのが画面の下に常時“もうじき切り替わりますよ〜”とのべつまくなしに流される現行アナログ放送を見て、という人も、あちこちで話を聞く限り今だに多い。
というか私自身が他ならぬその一人で「そうかあ、あと4ヶ月ちょっとでテレビが見れなくなっちゃうのかあ。いいやもう面倒くせー。だけどその日あたりに地震や台風やエジプトみたいな政変(マジに解散総選挙とか)が起こってたら厄介だよなあ」という気はする。
ただまあ、私のような世捨て人的ひきこもりはともかく、例えば80歳を超えた単身のお年寄りで「テレビだけが外の世界との唯一の情報手段」という人だって、実は全国的に見ればまだまだたくさんいるのだ。
総務省はこの件について「地デジ対応受信機(テレビ以外のデジタルチューナーなどを含む)の普及率が昨年9月時点で約90%」とか言っているが、これは80歳以上だけの250万世帯を調査対象から外すなどの偏った調査手法によるもので、実態としてはこれまで日本全国にあったアナログ対応テレビ(約1億2000〜3000万台)のうちの7割前後しか地デジ対応テレビに切り替わっていないだろうというのが4ヵ月後の2011年7月下旬の見通しなのだ。
――と、まあこの辺のことは私が今さら逐一ここで説明するより、坂本さんほか「地上アナログ放送『終了延期』プロジェクト」による
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掲示板で徹底的に論述されているので、ぜひそちらを御覧くださいませ。ちなみに今回の会見で公表された要求書(私たちは、総務省と全テレビ放送局に対して「地上アナログ放送の終了延期=地デジ難民のゼロ化」を求めます。)および発起人(岩崎貞明・小林潤一郎・坂本衛・清水英夫・砂川浩慶・なだ いなだ・原寿雄)によるメッセージ、賛同人(46名+1団体)は、後日総務省に提出されるとのことだ。
終了後は近くの平河町にある「海運クラブ」の食堂に行き、スタッフみんなで遅めの昼食。坂本さんや砂川さん、岩崎さんの御馳走になっちゃいました。ありがとうございます!
さらにその後は近くまで来たついでに国会図書館へ。約1年半ぶりに、かつて私が在籍した広告・出版業界誌を閲読する。社長が御病気で療養中なのに加えて、若い社員が定着しないせいなのか、往時に比べてすっかりページ数も薄くなっていたけど、それでもかつての上司(たぶんそろそろ勤続30年になる)はiPadを導入し、mixiやツイッターにも手を出しながら元気に活躍中のようだ。
考えてみれば、私がこれまで社員やフリーとして仕事をしてきた『宣伝会議』や『創』や『GALAC』とはいずれも喧嘩別ればかりで、きっちりと話し合いで「袂を分かとう」と言って分かれたのは、この雑誌だけだったような気がする。読みながら(今にして思えば、だが)古き良き(?)青春時代が自分にもあったことを思い、これからの行く末にしばし考え込む(って言いつつ『GALAC』初代編集長の坂本さんからの招集にはこうして馳せ参じているわけですが)。
明日は午後から
アワプラ(OurPlanet-TV)の総会。「議長」をやらされるらしい(苦笑)。

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