24日(木)は夜から六本木のオフィスビル15階へ。
PURC(あたらしい「新しい公共」円卓会議=Public Renovation Club)というところの「正式発足」記者会見を取材。
例の鳩山前首相のTwitter上における「裸踊り」発言でも一躍注目された動きであるが(
ここに詳しい記事)、私はそういうのとは全然別の方面からの案内で発見。何の気なしに今月半ばにMLにも加入したら、いきなり連日怒涛の如く投稿が上がってきたので「何じゃこれは」と面食らい、「よくわかんねーけどどういう動きなんだこれは」と気になりつつ、会見に足を運んでみることにした次第。
会場では取材陣を含めた40〜50人くらいの出席者が車座になり、要の位置から発起人の長尾彰さん(写真中央:日本代表のジャージを着た男性)がもっぱらリード役を担当。会見そのものは約40分ほどの短いものだったが、本職が「チームビルディングのファシリテーター」という長尾さんの快活な喋りと、今やこうした場ではごく当たり前のものになったUスト中継&ツイッター経由による質問を織り交ぜたやりとりも交えながら、小気味よく進行。
傍目には何やら旧知の者どうしでの内輪の会合のようにも見えたが、実は長尾さんを言いだしっぺに今月初めからの僅か2〜3週間のうちに、それまで面識もなかった数百人(24日現在で415人とか。私もその1人になるわけだが)がMLに参加したうえでの動きだという。もっとも、具体的に何かをやろうという目的を持った組織でも団体でもなく、ようするに「自分たちが住んでいるところを自分たちで良くしたい」という志だけが共有できれば、別にどこの政党だろうが政治家だろうが学者だろうが企業経営者だろうが集まってきてくれてOK。むしろ特定の分野に偏らない、いろんな人たちが顔を出す「場」にしたいという。
そのうえで全国の各都道府県に最低1人、このPURCの「窓口」となる個々人を募るといい、やがてはそれをさらに細かく「市町村」ひいては「自治会」や「町内会」レベルにまで浸透させながら、「新しい公共」の基盤形成を図っていくという。
正直この日の会見に参加した限りの印象では、個人的に未だ要領を得ないというか、ピンとこなかった。そもそも「公共」という言葉一つをとっても、普段から「メディアの公共性とは?」とか「公共放送とは何か?」みたいな議論を「なん……だろうなあ」とか頭をポリポリかきながら横目に聞いていることもあってか、この類いの話になるとどうしても条件反射的に「眉唾」になってしまう私なのであった。
そもそも「公共」の前提というか前段階の「コミュニティ」についてはどう考えるのか。全国の自治体や町内会に窓口を置くとなると、それは自ずと「地域コミュニティ」を基盤としたものになるのか。また、ひいてはそれは、この夜に長尾さんが意図してかどうか纏っていた代表の青いジャージ(まあ、単にその深夜にデンマーク戦が行われるタイミングだったからなんでしょうけど)の「日本」を前提とした「公共」なのか? だとしたら地域コミュニティや「日本」の中において「マイノリティ」とされる存在についてはどうなるのか?
といった点については少々気になったので、会見の終了後、私は長尾さんのもとまで挨拶がてら「ここで言われている『公共』の前提となる“コミュニティ”って何なんですか?」と訊ねに行った。それは自治体とか自治会単位の「地域コミュニティ」か、もしくは「日本」なのか?
「ええと、そこは三軒隣りも……みたいな言葉があるじゃないですか?」
「『向こう三軒両隣り』ですか?」
「そうそう。そんなイメージですね」
「でも、その場合『村八分』ってヤツもあるんじゃないですか?」
「あるでしょうが、でも、そこは恐れずに(解決に)向かっていければと思っていますよ」
そんなやりとりをした。
私としては別にネガティブでもないけれど、かといってポジティブにヨイショする気もない。ただ「こういう動きが出てきたんだなあ」ということを熱くもならず、さりとて斜にも構えず、「ふーむ」と思いながら眺めているところだ。

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