2022/1/14

「ネットショップの偽評価を見破る方法があった!」〜アマゾンとサクラチェッカーの話A  オススメ


 ラジコン・カーの交換には成功したものの、
 届いた製品はどうにも納得できないものだった。
 アマゾンでは高評価だったのに――。
 どうやらそれには裏があって、それを見破る方法もあったのだ。

という話。
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(写真:フォトAC)


【ラジコンカー、実際に見たらつまらない商品だった】
 昨年の大晦日、ハーヴは私たちから贈られたラジコン・カーを大切に抱えて、家族と一緒に私の家にやってきました。操縦の腕前を見せようというのです。
 わずかな期間だというのに瞬く間にうまく動かせるようになって、とても感心しました。しかしラジコン・カー自体はあまり感心できません。思ったより見た目が貧弱で、80mと謳っている遠隔操作距離もせいぜい10m程度、すぐに動かなくなってしまいます。バギーなのだから悪路もモノとせず、と行きたいのですが、石のあるところでは自分自身がどこかへ飛んで行ってしまい、まっすぐに動かすのが容易ではないのです。


 前回はまったく動かず、今回は動いてもこの程度。
 気になってアマゾンのページを改めて見ると、同様のコメントはいくつもあります。電波が届かない、動きが悪い以外に、充電できない、できても短時間しか使えない、部品が壊れた等々、低評価のコメントはさんざんです。
 それにもかかわらず全体評価は5段階の3・8で、決して悪い数字ではありません。高得点をつけた人たちのコメントも上々です。どうしてこんな不均衡が起こるのか――。

 そんなふうにボヤくと、聞いていた息子のアキュラがこんなふうに言います。
「父よ(アキュラはそういう言い方をする子です)、それ、きっと製造元とか業者が高評価を入れてるよ。バイトを使って釣り上げてるんだ」
 なるほど、同様のことは姉のシーナも疑って口にしたことがありました。
 アキュラは続けて、
「『サクラチェッカー』っていうのがあるけど、知ってる? それを使えばサクラ抜きの評価が出るから調べみるといいよ」


【サクラ評価を見破る『サクラチェッカー』のすごさ】
 サクラチェッカーというのはWebで提供されている分析ツールで、アマゾンの商品についてサクラ評価(業者等によるかさ上げ評価)を排した点数を教えてくれるものです。
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↑ここには「アマゾンや楽天など〜」とありますが、基本的にアマゾンの商品だけが対象です。楽天などの商品を調べる方法はサイトの中にあります。

 使い方は簡単で、サクラチェッカーのサイトを開き、検索窓にアマゾンの商品URLを投げ込んでリターンを押すだけです。アキュラに教えられ、さっそくハーヴに贈ったラジコンカーを調べるとこんな表示が出てきました。
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 アマゾンでは3・8点もあったのに半分以下。評価点は5段階で最低でも1点は入るわけで、だから1・67は「ほとんどダメ」といったレベルです。最初からこれを見ておけばよかった。

 ちなみに先月購入したシャープの大型テレビの評価は次のようなものでした。
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 納得ですね。

 私はこれまでアマゾンで購入したものの、あまり感心しなかった商品を次々と検索窓に入れて調べてみましたが、ことごとく「危険」でした。逆に、使い心地の良いものは、やはりサクラチェッカーでもいい。
 このサイトを知らなかったばかりに、けっこうな金額をムダにしていたみたいです。

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2018/11/9

「アレクサ、何でも言うことをきいて!」〜Amazon Echo Dotを買う  オススメ


 しばらく以前、記事の中でAmazonのキャンペーン「Amazon Music Unlimited、今、入会すれば4カ月間99円!」にまんまと乗せられて入会し、豊かな音楽生活を味わったら元に戻れなくなり、おそらく月額780円を支払っても更新手続きをしてしまうだろう、またその際、スピーカ型音声アシスタント「Echo Dot」も買ってしまうだろうと、そんな記事を書きました(2018/10/19「私の音楽事情」〜Amazonに乗せられる)。
 そして案の定、
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 買ってしまった・・・。

 5980円。ケチな私としては空前のできごとです。

【Amazon Echo Dot(エコードット)】
 Amazon Echo Dotというのは「スマート・スピーカー」とか「AIスピーカー」という範疇で括られる機器のひとつで、しかしそれより「スピーカ型音声アシスタント」と言った方が分かり易い装置です。要するに話しかけて仕事をさせる道具、と考えればいいでしょう。

「Alexa(アレクサ)」という名前がついているのでその名で呼びかけ、続いて指示を出します。
「アレクサ、テレビをつけて」
「アレクサ、居間の灯をつけて。――もう少し暗くして」
「アレクサ、炊飯器を明日の朝7時にセットして」
「アレクサ、NHKテレビが見たい」
「アレクサ、パパは何時に帰るんだっけ?」
「アレクサ、8時までにお風呂を沸かしておいて」
といった具合です。

 しかし実を言えばこれができるためにはEchoDoTに対応するテレビ・電灯・炊飯器・風呂(これらをスマート家電という)を用意し、「パパの帰宅時刻」はネット上のカレンダーに書き込んでおかなくてはなりません。私の家には現在、Bluetoothでつなげるサウンド・バーがあるだけですから、今できるのは音をそちらに切り替えて大音量で流す程度です。(*)

クリックすると元のサイズで表示します*右のようなスマート家電コントローラーを使うと、赤外線リモコンで動くかなりの数の電化製品が操作できるみたいですが、評価はまちまちで迷っています。


 つまりこのままだと今はさほどではないが、おいおいスマート家電を買いそろえて行くにしたがって、やがて便利で快適な家庭生活が送れるようになる、そういう道具だとも言えます。

 もちろん「人間、それでいいのか」という問題はあります。しかし一部屋にあれこれリモコンが六つも七つもあって年じゅう探している私のような人間には、精神衛生上あった方がいいのかもしれません。


【今のアレクサにできること】
 では接続する機器のほとんどない今の段階で何ができるかというと、それでもけっこう面白いことがあります。

 まず、当初の目的である“音楽がかけられる”。
「アレクサ、ビートルズをかけて」「アレクサ、ゲスの極み乙女が聞きたい」
 それでOKです。ビートルズやゲスの極みの曲がシャッフル再生(適当な順番で)流れます。
「アレクサ! 静かなジャズをかけて」
 そう指示しても応えてくれます。

 あるいは、簡単な質問に答えられます。
「アレクサ、トランプ大統領の齢は?」――「ドナルド・トランプ大統領の年齢は72歳です」
「アレクサ、勤労感謝の日って何?」――「勤労感謝の日は国民の休日のひとつで・・・」
「アレクサ、吉野源三郎って誰だっけ」――「こんな説明がありました。吉野源三郎は・・・」
といった具合です。

 天気を予報を聞いたりNHKニュースを呼び出したり、簡単な翻訳もしてくれます。
「アレクサ、英語で“僕は休みます”って言って」
「アレクサ、英語でアメリカ議会の下院はなんて言うの?」
(それぞれ “I’ll take a lest”、 “American Congress House”と、きちんと答えてくれたらしいのですが発音が良すぎて聞き取れない・・・)

 また、かなりつまらないのですが、ダジャレを言ったり謎かけもできたりもします。
「アルバイトは――、ない場合と、ある場合とがある」
「野球とかけてスーパーマーケットのタイムセールと解く。その心は――」「フライめがけてまっしぐら」
(ま、なくていい機能かな)

 その他、「アレクサ、おはよう」とか「アレクサ、ありがとう」と言ったりすると、意外な答えが返ってくることもあり、なかなか楽しめます。

 EchoDotのスピーカーはかなり音質の良いもので耳元で聴こうとするなら十分ですが、最初から音楽が目的だったら物足りないかもしれません。その場合は最初からEchoDotの上位機、Echo(11980円)かEcho Plus(21151円)を購入しておくべきでしょう。しかしやはり室内で大音響で、ということになればステレオタイプのスピーカーが欲しくなります。

クリックすると元のサイズで表示します 私はテレビ用のスピーカーシステム「サウンドバー」を二年前に購入してあったのでそれに接続して楽しんでいますが、うちの装置はメインスピーカーが棒状(サウンドバーだから)で、テレビのリモコンの受信部にかぶさってしまい、寝っ転がった状態でチャンネルを変えようとするとうまく行かない場合があります。

 その点、後継機のPioneer HTP-CS1 コンパクトフロントスピーカーシステムはメインスピーカーがバーではなく、ふたつに分かれているので都合がいいいいかと思います。やはりそれなりの進歩はあるものです。オススメです


【EchoDotで困ること、できないこと】
 しかし何もかもいいというわけではありません。
 使い始めてかなり早い時期から気づいたことですが、問題のひとつはEchoDotの側からの情報がほとんどないということです。

 具体的に言うと、や上位グレードのAmazon Music Unlimitedにどんな曲が入っているか、目に見える形で提示されてこない。したがって私の知っている曲やアルバムしか要求できないのです。

 また、
「アレクサ、モーツァルトのレクイエムをかけて」
というと、
「ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトの『レクイエム―怒りの日』を再生します」
となって、
(オイ!ちょっと待て! 途中から始めるな!)

 うまく全曲を引き出すことができなかったりします。




 その点でコンピュータの「Amazon music」(アプリケーション)やFire TV stick(Amazon primeの映画および音楽の受信機)は、画面を見ながら、「おや、こんなアルバムがあるんだ」とか「これを最初から聞こう」といった具合に目で追っていくらでも調整ができる便利さがあります。

 もちろん「Amazon music」や「Fire TV stick」で覚えてEchoDotに呼びかけてもいいのですが、それなら最初からコンピュータやstickで聞けばいいだけです。

 また、Prime musicの中に“ある”のは分かっているのに音声認識に引っかからないものもあります。
 ビートルズの「アビーロード」は再生してもらえるのに「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」はうまくかけてもらえません。私の発音が悪いからでしょうが、どうやったらできるのかいまだに分かりません。

 購入して三日目、EchoDotが突然反応しなくなってしまいました。動いてはいるようなのですが何度呼び掛けても応えてくれない。
 しかたがないので最後には諦めて再起動をかけ、WiFiにつなげるところから全部やり直してそれでもつながらないので、返品・交換を考え始めたとき、突然気がついたのです。
 私は「アレクサ」を忘れて、「アレックス!」と呼び掛けていたのです。これで答えるわけがない。

 先の「サージェント・ペパーズ〜」同様、こちらがしっかりしていないといけない、工夫していかなければいけない、要するにお互いが育って行く必要もあるということです。

 スマートスピーカーEchoDotできることはいまのところその程度ですが、10年後、20年後を考えるときっと生活のかなりの部分を音声認識にやってもらうことになります。それに向けて、今から慣れておく入門機と思えば、値段も手ごろ、使い勝手もよく、かなり面白い装置だと思いました。

 なお4000万曲から曲が選べるAmazon Music UnlimitedはEchoDotから加入すると月額380円ですむそうです。私はそうしました。




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2018/10/19

「私の音楽事情」〜Amazonに乗せられる  オススメ


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(イーストマン・ジョンソン 「幼い学者」)

 最近は一日中音楽を流していることが多くなっています。


【子どものころの夢と現実】
 子どものころ、自分の将来の家庭生活に描いた夢は、暖かいストーブと座り心地の良い椅子のある部屋で、私は音楽を聴きながら読書をし、若く美しい妻は傍らで編み物をする、テーブルの上には淹れたてコーヒーとわずかな菓子――どこかで見た絵のような風景です。
 しかしこの夢はどの一部分もかないませんでした。

 結婚した当時すでに妻が若くも美しくもなかったということを、ことさら言いたいのではありません。教員同士の夫婦の日常なんてほとんど戦闘状態だという話です。

 家に帰ってから夕食を作ったり食べたり、洗濯物を畳んだり風呂を沸かして入ったり、といった最低限のことは世間と一緒ですが、それらを分業で大急ぎで済ませると二人ともあとは持ち帰りの仕事に邁進するのが普段の生活だったのです。

 読書と言っても資料探し、妻が編み物をしていたら教材研究です。
 コーヒーのがぶ飲みはしますが菓子はなく、音楽は夫婦の趣味が合わないので流れることはなく、もし何らかの曲が流れてくるとしたら音楽会の演奏曲か運動会のダンスの曲と相場が決まっています。
 子どももいないのに「アンパンマンのマーチ」や「忍たま音頭」が流れる家は、まるっきり優雅ではありません。

 しかしそれでいいと思っていたわけではなく、退職したら、若く美しい妻はなくても(しつこい)、子どものころの夢のいくつかはかなえたいといつも思っていました。ところがそれでも忙しい――。

 専業主夫で家庭菜園ティスト(2016/6/1「家庭菜園ティストの話」)ですから家事や農事にけっこうあたふたしてる。
 他はどうかというと、かなりのケチですから今さら薪ストーブも高価な椅子も買い揃えられない、読書はしますが寝っ転がってというだらしなさ、音楽をかけるのも面倒――。
 コーヒーだけはきちんと淹れるようになりましたが、当初の予定とはずいぶん違ったものになっていました。
 ところが今年の7月、Amazonで思わぬキャンペーンをやっていることに気がついて、それから私の音楽生活は革命的に変わったのです。


【Amazon Music Unlimited】
 キャンペーンの正確な文言は忘れましたが、要するに、
「Amazon Music Unlimited、今、入会すれば4カ月間99円!」
といったものでした。

 少し説明すると、Amazonのプライム会員(年額3,900円)に加入すると商品の無料配送以外にさまざまなサービスがあり、そのうちのひとつが100万曲以上を聴くことのできる無料音楽配信Prime Musicなのです。

 私はコンピュータやスマートフォンにアプリをインストールしているほか、「Fire TV Stick」という機器を購入してテレビに差し込み、そこからも聴くことができるようにしてあります。かなりいい感じです。

 ところが100万曲は大した数のはずなのに、曲が頭に閃いてリクエストしようとするとこれがさっぱりうまくいかない。有名な曲、世界的なアーチストの曲はしばしばその中に入っていないのです。
 さらに多くを聞こうとしたら、一段グレードの高いサービスに移行するしかありません。それがAmazon Music Unlimitedです。なんと曲数4000万曲! 

 しかしそのために必要な追加料金は月額780円。ケチな私にはとうてい手の出ない金額です。それで諦めていたのですが、7月のキャンペーンで示されたのは4カ月間わずか99円。
 最初99円/月かと思ったのですが、そうではなくて4か月で99円!! 一か月25円にもなりません。

 また、通常こうしたキャンペーンに乗ってしまうと、4か月後の解約を忘れてそのままずるずると支払わされることになるのですがAmazonは良心的、追加加入の時点で4か月後の解約手続きまで同時にできてしまうのです。そこで早速加入手続きです。

 我が家のテレビには幸いサウンドバー(2016/9/13「この夏のマイ・ブーム」)が接続されていますから音質もそこそこ満足できるレベルです。

 おかげで毎日、朝から音楽を流し続ける毎日です。
 これでアマゾンのスピーカ型音声アシスタント「Echo Dot」でも買えば、あとは呼びかけるだけで好きな音楽を次々と再生できそうです。
「アレクサ! ユーミンをかけてくれ」
「アレクサ! ドボルザークならなんでも!」
というわけです。

 そんなことをウキウキと夢想しながら、そして私は気づくのです。
 私は期限切れの11月13日になったらAmazon Music Unlimitedの延長手続きをして毎月780円を払うことになるだろう、そして近々「Echo Dot」も買うことになるだろう――。
 要するにまんまと、Amazonの術中にはまってしまったのです。

 でもこんな素晴らしい音楽環境、おいそれとは手放せませんよね。


*「Echo Dot」を購入した場合に限り、Amazon Music Unlimitedの月額は380円(Echoプラン)に割引されるようです。





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2018/3/5

「パラリンピックが始まるよ」〜子どもの視点をこちらにも  オススメ

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 今週金曜日(3月9日)より平昌パラリンピックがはじまります。
 特に子どもたちには強く意識さえたいスポーツ・イベントですが、オリンピックに比べるとどうしても注目度が低く、テレビ放送も少なくなるので私たちが意図的に誘導して、注目させるしかありません。
 そこで簡単に、障害者スポーツの歴史や意義をまとめ、子どもたちに話す話題のタネとしたいと思います。


【パラリンピック】
 パラリンピックの起源は1948年7月、ロンドン・オリンピックの開会式と同日にイギリスのストーク・マンデビル病院で行われた「ストーク・マンデビル競技大会」だとされています。
 これは第二次世界大戦で負傷した兵士たちのリハビリテーションとして行われたもので、以後毎年開催され、1952年には「第1回国際ストーク・マンデビル競技大会」という名の国際大会へと発展します(参加国はイギリスとオランダの2カ国のみ)。

 1960年に「国際ストーク・マンデビル大会委員会」が組織されると競技会はさらに充実し、この年のローマ・オリンピックとともに開かれた第9回大会が、現在、第1回のパラリンピックのパラリンピックと考えられています。
 ただしローマ大会の際には「パラリンピック」という呼び名はなく、1964年の東京オリンピックのあとで開かれた「第13回国際ストーク・マンデビル競技大会」の際、愛称として使用されたのが始まりだと言われています(ただし語としては、1953年のイギリスの新聞の見出しに使われたのが最初という説もあります)。
 パラプレジア(raplegia、脊髄損傷等による下半身麻痺者)とオリンピック(Olympic)を継ぎ合わせた合成語で、日本人の発明と言われていますが個人は特定されていません。

 その後パラリンピックはオリンピックとは別の場所で開かれる時期が続き、1976年のトロント大会では国際身体障害者スポーツ機構との初の共催で、広く障害者全体のスポーツ大会として生まれ変わるとともに第1回冬季大会も開かれるなど、オリンピックとは距離を置いたところで拡大・拡充し続けました。、

 どういう経緯か分からないのですが、1988年のソウル大会から国際オリンピック委員会(IOC)が直接かかわるようになり、「パラリンピック」という愛称もこのときから正式名称となります。車椅子以外の選手も参加することから「パラ」をパラレル(Parallel、平行)と解釈し直して“もうひとつのオリンピック”としての立場をはっきりさせます。
 夏季オリンピックとの同一地開催も復活しました(冬季大会が冬季オリンピックと同一都市で開催されるようになるのは1992年のアルベールビル大会から)。

 パラリンピックが発展拡大していく中で、その間も独自の活動を続けていた国際ストーク・マンデビル競技大会は、大会名を「国際ストーク・マンデビル車椅子競技大会」に変え、当初の理念に立ち返って大会を車椅子競技に限定して今日も続いています。


【障害者スポーツ大会の棲み分け】
 オリンピックの直後に同じ都市で同じ会場を使って開催するという今の形がとられるようになってから、パラリンピックは俄然マスコミに取り上げられ、規模も拡大していきました。

 1998年の長野冬季大会ではクロスカントリー・スキーで知的障害者の参加も認められ、障害者スポーツ大会としてのさらなる拡大が期待されましたが、2000年のシドニー大会でバスケットボールのスペインチームが健常者を紛れ込ませて金メダルを取るという不正を行い、知的障害者の参加自体がしばらく見送られるようになりました。
 再び参加が認められるようになったのは2012年のロンドン大会からで、陸上競技と水泳・卓球での3競技での参加という方向はリオデジャネイロ大会にも引き継がれました(ただし冬季に関しては、ソチでも平昌でも見送られています)。

 もっとも知的障害者にはスペシャル・オリンピックスという別の障害者スポーツ大会があり、マスコミに取り上げられる度合いこそ低いものの、国際大会としての名に恥じない隆盛を誇っていますから、選手が行き場を失ったというわけではありません。


【スペシャル・オリンピックス】
 これは1962年6月にジョン・F・ケネディの妹、ユーニス・ケネディ・シュライバーが自宅の庭を開放して35人の知的障害者らを招き、デイキャンプを実施したのに始まるとされています。ケネディ財団の全面的なバックアップによって1968年7月に第1回夏季大会がアメリカのイリノイ州シカゴで開催されると瞬く間に拡大し、現在では夏冬合わせて26競技に170万人の知的障害者と50万人のボランティアが参加する巨大スポーツ・イベントとなっています。参加する国と地域は150を越えます。

 ユーニスの姉でジョン・F・ケネディの妹にあたるローズマリーには知的障害があり、しかもケネディ家によってさらに圧殺された(23歳のときロボトミー手術を強制され、3歳児レベルまで知的低下をきたすとともに性格も変化して狂暴になった)と言われていますから、そんなところからユーニスは熱心な社会福祉家になり、スペシャル・オリンピックスの発展にも尽くしたのかもしれません。現在、スペシャル・オリンピックス国際本部の会長はユーニスの息子、ティモシー・シュライバーが務めています。


【デフリンピック】
 障害者スポーツといえばもう一つ大切な大会を忘れてはいけません。デフリンピックです。

 デフリンピックはデフ(Deaf、ろう)とオリンピック(Olympics)をつなぎ合わせたの造語で、聴覚障害者のために4年に1度行われるスポーツ競技大会です。国際ろう者スポーツ委員会が主催し、夏季大会は1924年にフランスで、冬季大会は1949年にオーストリアにおいて始まりました。
 開催年を見ればわかる通り、ストーク・マンデビル競技大会(パラリンピックの前身)の1952年やスペシャル・オリンピックスの1968年を大きく越える歴史をもつ競技会です。

 聴覚障害の特性としてスタートの合図聞こえないとか審判のホイッスルが聞こえないといったハンディはあるものの、ほとんどの種目で支障なく競技ができるため、早い段階からスポーツは身近なところにありました。力さえあればオリンピックでメダルを狙える可能性さえあります。
 そうした事情や歴史的経緯からオリンピックや他の障害者スポーツ大会とは接点が薄く、マスコミに大きく取り上げられることもないのですが、重要な国際大会として位置づけられています。


【しっかり見ていよう】
 オリンピックやパラリンピックは意図しなくても自然に情報が入ってきます。しかしスペシャル・オリンピックスやデフリンピックはそういうわけにはいきません。私たちが意識的に情報を集め、子どもたちに伝えていかないと見過ごされてしまいます。意図して、耳をそばだてましょう。

 ちなみに、直近の障害者スポーツ大会としてはパラリンピックが今週の平昌冬季大会、次回が東京夏季大会(2020)。
 スペシャル・オリンピックスはアラブ首長国連邦アブダビ夏季大会(2019)、デフリンピックがイタリア・トリノ冬季大会(2019)となっています。
 子どもたちに話して一緒に注目していきましょう。


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