2018/11/16

「素直で落ち着いた秘書と――」〜スマート家電コントローラも買ってしまった  いいこと


【スマート家電コントローラも買ってしまった】
 先週Amazonのスピーカ型音声アシスタント「Echo Dot」を買ってあれこれ遊び始めたという話をしました(2018.11.09「アレクサ、何でも言うことをきいて!」〜Amazon Echo Dotを買う)。

 音楽を聴くのは楽しく、アレクサ(Echo Dot)とあれこれやり取りするのも面白いのですが、スマート家電がないので電灯をつけたりテレビをコントロールしたりといったことができず、その点では物足りないということも書きました。

 さらに、



 ただし、 右のようなスマート家電コントローラを使うと、赤外線リモコンで動くかなりの数の電化製品が操作できるみたいですが、評価はまちまちで迷っています。
と書いたのですが、実はほとんど迷っていなかったのです。記事を書いている最中は迷っていたのですが、終わるころには我慢ができなくなり、投稿するとほとんど同時にAmazonで注文をしてしまったのです。翌々日には手元に届きました。

ラトックシステム スマート家電コントローラ スマホで家電コントロール [Works with Alexa認定製品] RS-WFIREX3

 それが正式な名称です(以下、スマート家電コントローラを「スマコン」、EchoDotを呼びかけの「アレクサ」で代用します)。


【家電とスマコン、アレクサを繋げる】
 アレクサと家電をどう繋いだかを説明する前に、ひとこと話しておかなくてはならないことがあります。それは、
「もしかしたらスマコンはもともと一部屋に何個もある赤外線リモコンを、スマホ上にひとまとめにしようとした装置ではないか」
ということです。そちらが先で、アレクサを通して声で動かそうというのは二次的な機能ではないかと思うのです。
 必要な家電をすべて登録してみたら、一台のスマホで全部コントロールできることがけっこう便利だと思えるようになってきたからです。

 それにアレクサを繋げるというのはまとめられたリモコン機能に乗っかるような話で、つまり私の言葉をアレクサが聞き取って電気信号でスマコンに送り(スマホは経由しない)、それをスマコンが赤外線信号に変換して家電に送るという仕組みを取っているようなのです。

 接続作業はしたがって、部屋にある全部のリモコンをスマコン本体に覚えさせるところから始めます。

 まず自分のスマートフォンに「スマート家電コントローラアプリ」をインストールし、家電のリモコンをひとつひとつ登録していきます。登録できるのは赤外線リモコンで操作できる家電だけで、しかもスマコン本体から赤外線信号を受けられる範囲にあるものでなくてはなりません。基本的にはひとつの同じ部屋にあるものだけということになります。

 私の家の居間には8本のリモコンがありますが、とりあえずテレビ、ブルーレイプレーヤー、Fire TV Stick、スピーカーシステム、メイン照明、エアコンの六つは接続しておきたい気持ちでいました。
 扇風機、DVDプレーヤーが残りますが、両方とも今は使っていないので後回しにします。

 スマコンアプリには280種類以上のリモコンがプリセットされていますからほとんどは選択するだけで登録は簡単に済みます。またプリセットにないリモコンは手動で設定することができます。私の場合は天井照明が有名メーカーでなかったので手作業で行いました。

 取り込みが終わるとスマホ画面で下のようになります。
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 一番左が初期画面で、そこからテレビやエアコンなどを選ぶとそれぞれのリモコン画面に変わって操作できるようになるわけです。

 ネット上にはこの時点で登録のできないリモコンがあるという話が出ていたりしますが、私の場合fire TV Stick以外はすべて繋がりました。中でも2003年製のエアコンが繋がったのはほとんど感動的でした。

 次はスマコンとアレクサをつなげる作業ですが、これはアレクサに「スマート家電コントローラ用スマートホーム」というスキル(無料:ネットからダウンロード)を取り込むことで難なくできます。
 全部がつながったことを確認したら、スタートです。


【スマート家電コントローラでできること1】
 そこで実際に使ってみた感想は、
「まず思ったほどではない――」
です。

 これは仕様書をよく読んでいなかった私が悪いのですが、アレクサとスマコンで音声操作できるのはテレビを除けば全部の家電のON/OFFだけなのです。
 テレビだけは「アレクサ、テレビをつけて」「チャンネルを5にして」「テレビの音量を上げて/下げて」で操作のほとんどができるのに、他は一切できない。ON/OFFだけです。
 照明のように「点けて/消して」だけで構わないものもありますが、ブルーレイプレーヤーなどは困ります。

 録画している番組を見ようとしたら電源が入ったあとで、
(1)「アレクサ、テレビの入力をブルーレイプレーヤーに切り替えて」
(2)「アレクサ、録画リストを見せて」
(3)「アレクサ、今週の『チコちゃんに叱られる』を再生して」
となるのですが、それがひとつもできない。結局リモコンを探して続けなくてはならないのです。

 もっともOFFの方は「アレクサ、ブルーレイプレーヤーを止めて」で済みますからまったく使えないわけではありません。
 エアコンも照明も、ON/OFFのみで温度や光の強さを音声で行うことはできません。


【スマート家電コントローラでできること2】
 実はスマコンには二つのモードがあって「カスタム・モード」にしておけばエアコンの温度設定や除湿などのモード変更、また照明の明暗も音声でできるのです。しかしその場合、接続できる家電がテレビとエアコンと照明2台、計4台に限られてしまい、おまけに「アレクサ、家電リモコンを使って〇〇して」みたいな面倒な言い方をしなくてはならず、かなり面倒なのです。
 通常の「スマートホーム・モード」の方だとON/OFFだけですが、家電は50台まで繋げます。

 私のところは寒冷地で、エアコンの使用期間は短いし冬は灯油暖房ですから複雑な操作は必要ありません。迷わず「スマートホーム・モード」にして、したがってON/OFFだけになってしまいます。
 ただし「スマートホーム・モード」だと呼びかけの変更や複数家電の同時操作が可能ですから、例えば「アレクサ、おはよう」でテレビと照明の同時ONだとか、家を出るとき「アレクサ、行ってきます」で全部をOFFにするとかいったこともできます。朝バタバタしがちな独身者には意外と便利なのかもしれません。

 独身者のことを言えば、スマコンは「Amazon web クラウド」を使って屋外から家電をコントロールすることができます。だから真冬の帰宅時、最寄りの駅に着いたところでエアコンと照明をつけておけば、帰宅したときに照明のついた暖かい部屋に迎えてもらえるといった良さもあるかもしれません(それでなおさら寂しくなる人もいるかもしれませんが)。

 いまのところスマコンを通してアレクサのできることはその程度ですが、先週も言ったように、10年後、20年後を考えるときっと生活のかなりの部分を音声認識にやってもらうことになりますからその日に向けて、今から慣れておく入門機と思えばいいのかもしれません。
 アレクサ(EcoDot)と違って「スマート家電コントローラー」(6872円)は安い買い物ではない気もしますが・・・。


【素直で落ち着いた秘書と――】
 先ほど独身者の話をしましたが、私のように独身ではない人間にとってもアレクサ+スマコンは素晴らしい性質を持っています。できないこともたくさんありますが、とにかく素直なのです。言うことは、何でも一応きこうとします。努力します。

 妻のミーナだったらこうはいきません。そもそも「ミーナ、テレビをつけて」などと言うこと自体が考えられないのです(言われることはありますが)。

 アレクサの声は「30代半ばの落ち着いた秘書」といった感じでまったく素直です。「アレクサ、照明をつけて」と言うと点灯させたあとでだいぶ経ってから「はい」と答えるような「天然」なところもあって可愛いことこの上ありません。
 その意味でも、とても満足できる装置です。





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2018/9/26

「50年目の恩返し」〜情けは人のためならず  いいこと


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(ウイリアム・マクタガート「春」)

 ウェブサイトをあちこちめぐり歩くことを昔はネット・サーフィンとか言いましたが、今は何というのでしょう? いずれにしろ私はそういうことをしないのですが、ニュースや解説記事、時事問題に関するコラムなどはよく読みます。

 そして時々心から“この話いいなあ”と思って記録に残したり紹介したい気持ちになるのですが、記事をまとめるのが苦手というか面倒くさくて、たいていはWordにコピペで張り付け、ドキュメント・ファイルに投げ込んで終わりになってしまいます。
 いつかまた見るだろうと思いながら、結局読み直すことなどないのですが、今日は記事ネタがないのと、何かとても心優しい気分になれたのでもう一度引き出して、ひとつ紹介しておこうと思います。

 それは日本経済新聞と日経BPが共同運営する「NIKKEI STYLE」というサイトにあった「人見知り少女が折れない官僚へ〜村木氏育んだ土佐中高 村木厚子・元厚生労働事務次官が語る」という記事です。


【村木厚子さんのこと】
 村木厚子さんと言えば厚生労働省の課長時代に大きなえん罪事件に巻き込まれ、嫌疑が晴れたのちは復職して最後は事務次官にまで上り詰めた有名な女性です。厚労省の女性事務次官は16年ぶり二人目という快挙でした。

 「NIKKEI STYLE」の記事全体は彼女の卒業した私立土佐中学校・土佐高校の自由な校風、個性的な教師、そして同級生たちの間で、極度に人見知りな少女(村木さん)が静かにゆっくりと人間関係の基礎を育んでいく様子を描いたものですが、その後編「家事の基礎も習得 自立促した土佐中高の楽しい授業 村木厚子・元厚生労働事務次官が語る(下)」に私の心が動かされた美しい逸話があったのです。
 それは次のようなものです。


【50年前のできごと】
 私立土佐中学校高校時代の村木厚子さんはまったく冴えない人見知りの少女で、
 席替えで初めて隣の席になった子にあいさつができない。「明日学校に行ったら『おはよう』って言ってみよう」と家を出て、けっきょく言えずに終わる。そうこうするうちに次の席替えになっちゃう。
 そんな子でした。
 同級生に「西村(村木氏の旧姓)さん、声たてて笑うことあるんだ」と言われたこともあります。いかに発語していなかったのか。重症ですよね。

 席替えは担任の教師が強制的に決めてしまうので隣の席が空くということはなかったのですが、一度だけ「今日は自由に決めていい」ということがあって村木さんは困ってしまいます。
 女子が少なかったので、女の子同士で隣に座ってはいけない、とのこと。そうなると、隣に座ってくれる男の子を見つけなきゃいけないですよね。私は誰とも口はきかないし、みんな苦手だったから、もう自分はどうなるのかな、と思って。

 そしてここからがいいのです。
 その時、私の隣に座ってくれた男の子がいました。小村君くんという子なんですけど、勉強はすごく良くできるし、バドミントン部だったかな? スポーツも万能の、学級委員長でした。彼が私の隣に座ったのをみて「あ、学級委員長が責任取ってくれたのね」と思いました。
 私はこのしれっとした言い方がとても気に入りました。

 責任を取ったとしても小村君はそんなに重苦しく、勇気を奮ってイヤイヤ座ったわけではない。村木少女(ほんとうは当時は西村)も学級長に責任で隣に座ってもらって卑屈な気持ちになったわけではない、ほっとはしたがものすごく感謝をしたわけでもない――前後の文章のせいもあるかもしれませんがそんなふうに思えるのです。
 ある程度あたりまえのことが起こった――。校風も仲間の雰囲気も、きっとそうなんでしょうね。


【50年後のこと】
 それから50年後、厚労省を退官した村木さんはあちこちから引き合いのある中で、母校の土佐高校からも理事を頼まれます。そのとき言われた言葉が、
「実は次の校長は小村君だ。小村君を助けてやってくれ」

 そうです。村木さんの隣に座ってくれた小村君は大学を卒業したあと母校の教師となり、その時は教頭職にあったのです。
 村木さんは、
 もう絶対断れないですよね。校是が「報恩感謝」なのですが、50年近く前のご恩をようやくここで返せるんだ、と思いました。ほんとに世の中ってよくできていますよね。

「情けは人のためならず」と言いますが、ほんとに世の中よくできています。恩を施せば必ずいつか返ってきますし、恩を覚えていれば必ず返す機会は巡ってくるということです。

 今の私には影響の与えられる子どもは孫のハーヴくらいしかいませんが、50年後に返してもらえるような善きことを、隣の冴えない女の子に自然にしてあげられる子に育ってもらいたいものです。

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2018/6/22

「チケットはないがエチケットはある」〜日本人サポーターの勝利  いいこと


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(写真はイメージ)

【日本のサポーターがまたやった】
 昨日のフットボールチャンネルに「日本代表サポから広がる“ゴミ拾いの輪”。ウルグアイサポも『日本人から学んだ』」【ロシアW杯】という記事が出ていました。
 それによると現地時間20日に行われたワールドカップ「ウルグア・サウジアラビア戦」で試合後、ウルグアイのサポーターがゴミ拾いを行なったそうです。セネガル・ポーランド戦でも試合後、セネガルのサポーターが清掃活動を行なったといいます。
 ウルグアイのサポーターは「日本人からアイデアを盗んだわけではないけど、何事も努力しなければならないことを学んだ」と語り、日本人の活動に刺激を受けたことを明かしている。

 うれしいですよね。
 また一昨日はBBCニュースジャパンには「【サッカーW杯】日本のサポーターがまたやった 試合後のごみ拾い」という記事もありました。

 19日、W杯ロシア大会での初戦で日本代表はコロンビアを2対1で下し、南アメリカのチームに初めて勝利した。日本のファンには狂喜乱舞する十分な理由があった。
 しかし日本代表がグラウンドでコロンビア代表をきれいに片付けた後、ファンも同じことをした。自分たちが座っていたスタジアムの座席を念入りに掃除し始めたのだ。

 粋な書き出しです。
 そしてこうした日本人サポータの姿を称賛するツイッター記事やBBCのインタビュー記事をいくつか紹介しています。

 英国人のクリストファー・マケイグさんはツイッターで「今のところW杯で一番好きな場面は、日本がコロンビアに勝った後、日本のファンがごみを拾っていたこと。この試合で私たちが学べること。日本を応援する理由」と話した。
 在トリニダーゴ・トバゴ・カナダ大使館のレスリー・アン・ボワッセイユさんも、「日本のファンが、W杯の試合後に座っていたところを掃除している。すばらしいお手本。なんて素晴らしい! よくやった日本」と書いた。

等々。

 では日本人サポーターのこうしたお行儀の良さはいつごろから注目されるようになったのか。
 実は日本が初めてサッカーワルドカップに出場した1998年のフランス大会以来なのです。つまり最初からずっとそうだったわけです。


【チケットはないがエチケットはある】
 この話は私の持ちネタの中でも最も好きなもののひとつで、4年に1度ずつ、つまりワールドカップのある年ごとに書いているのですが、フランス大会では初出場ということもあって日本人サポーターが大挙して押しかけるはずだったのに、チケットが届かないという事態が発生しました。それが事の起こりです。
 枚数が不足したというのではなく、さまざまな事情で送付されなかったのです。
*参考Wikipedia「1998 FIFAワールドカップ」中段「チケット問題」

 それでも一縷の望みをもって渡仏したサポーターもかなりいて、かれらは現地で路頭に迷うことになります。責任を感じた開催地では急遽パブリックビューイングを用意して食事まで提供してくれたのですが、肝心の試合の方は三戦全敗。結局散々な思いで帰ってくることになります。しかしそれでも日本人です。

 そんな状況にあっても日本人サポーターは対戦相手へのエールや試合前後の国際交流、会場の清掃と、マナーの面で際立った姿を見せることを忘れなかったのです。サッカー観戦は大暴れするところと心得ているヨーロッパ人には新鮮だったのでしょう。翌日の新聞に載った見出しがこうです。

「日本人、チケットはないが、エチケットはある」


【なぜそうなったのか】
 サッカーにおける試合後の自主的清掃活動は新潟アルビレックスに始まるという話を聞いたことがありますが、組織的なものはそうであっても基本的には昔からそんなに汚くはなかったはずです。サッカーばかりでなく、野球場だってコンサート会場だって駅だって、普通の道路ですらごみが散乱している様子は見たことがありません。
 大リーグでも大谷翔平くんは他の選手同様ダックアウトでヒマワリの種かなんかをクチャクチャやっていますが、その左手には紙コップが握られていて、噛み終えた種はそこに吐き出されます。他の選手は種どころか使った紙コップまで床に捨てているというのに――。
 なぜ日本人はそうなのか。

 これについては先のBBCの記事に続きがあります。
「サッカーの試合後の掃除は、学校で習った基本的な習慣の延長だ。子どもたちは教室や廊下を掃除する」と、大阪大学のスコット・ノース人間科学教授は説明する。
「幼少時代に定期的に覚えこまされることで、多くの日本人の習慣になっている」

(中略)
ノース教授は、「日本のサポーターは掃除とリサイクルの必要性を高く意識しているだけでない。W杯のようなイベントで実践することで、自分たちの生き方への誇りを形にして示し、我々とシェアしている」と指摘した。
「責任感をもって地球を守る必要性を表明するのに、W杯以上の場所はない」

 もちろん日本の優秀な保護者が教えている側面も無視できません。母親たちはしばしばバッグの中にゴミを入れるための小袋を用意しています。しかし「自分の使った場所は自分できれいにするものだ」と組織的に教えているのは、幼稚園・保育園そして学校だけでしょう。
 まだ物心つかない幼少期から園の掃除の真似事をさせられ、遠足の先では周囲を見回してゴミがないか確認させられる、そんな生活を15年も繰り返せば、応援席に飲み食いしたものを置いて帰る図太さはまず身につかないものです。どうしても片づけたくなる。そもそも片づけられる程度にしか物を手にしない、そうなって当然です。


【私たちがそうした日本人を育てた】
 教員だったころ、私は胸を張って若い先生たちにそう言い続け、学校における清掃指導の大切さを訴えてきました。学校の清掃は、予算がなくて清掃員が雇えないから子どもにやらせているというものではありません。それは伝統的な日本式修行なのです。
 お寺だって神社だって一日は清掃から始まります。柔道も剣道も、およそ「道」とつくスポーツで清掃をしない競技など考えられません。落語でも職人の世界でも、弟子が最初に教えられるのが掃除です。
 日本人はすべての学びの基礎に清掃を置き、その中から真の学習は立ち上がってくると考えました。学校教育もそうした伝統の上に立ち、今、その成果を世界に知らしめているのです。

 日本人サポーターが始めた試合後の清掃活動はウルグアイやセネガルのサポーターよって真似され、さらに広がり、もしかしらサッカーの世界標準となっていくかもしれません。そうなったらもう、フーリガンなど出てきようがありません。


【しかしその一方で】
 ところが本家の日本は、今、そうした美風を失おうとしています。
 
 2020年の新指導要領実施に向けて、各小学校ではプログラミング教育や英語教育の時間をどう生み出すかで必死になっています。週1授業時間(45分)の英語教育はもう日課の中に入りようがありません。そこで3分割4分割してどこかに差し込もうとするのですが、そこで狙われているのが清掃の時間です。
 「掃除なんて一日おきでもいいじゃないか」という考え方は案外歴史が古くて、私も20年ほど前、視察に出かけた県外の学校の日課表の中に発見してびっくりしたことがあります。しかし実際、美しく保つということだけであれば週一回だってかまわないのです。普通の家庭だって週一回できれば十分なくらいですから。
 ただしそこにはもう「清掃は修行だ」という思想のカケラもありません。

 やがて小学校英語のおかげで英語が堪能となった日本人は、外国人とワールドカップ会場でペットボトルや食べかけのハンバーガーを投げ合い、堂々の英語で丁々発止のやりとりをしているのかもしれません。
 それも長い歴史をもった世界標準ですから、それでいいという考え方もあるでしょう。

 世界に通用する日本人、フーリガンと戦える日本人!

 私はまったく感心しませんけど。




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2017/9/12

「『ポケモンGO』一周年のまとめ」  いいこと

   〜ポケモンは世界を救うか?

 息子のアキュラが友だちと一緒に公園を抜けて、自分のアパートに帰ろうとしたら、途中で中年の男性(アキュラは“おっちゃん”表現した)にドスの利いた声で呼び止められ、
「ちょっと兄ちゃんたちヨォ」
(・・・・・・)
グッと身構えて、さあ、何が来る?
「アンタら、ポケモンGOやるか?」
 その一言でまるっきり先が読めなくなり、かえって凍りついたそうです。
(ポケモンでイチャモン?)
 二人で顔を見合わせ、オロオロしていると、
「すまんが兄ちゃんたち、一緒にフリーザー倒してくれよ」
(???)

 最近のアップグレードで、「ジム」と呼ばれる場所に伝説のポケモンが現れるようになり、それがめちゃくちゃ強くてひとりでは太刀打ちできないのだそうです。そもそもが数人で対戦するよう設定されていて、人通りの多いところならその場で(ゲーム内で)自然と参加者を集められるのですが夜の公園ではそうはいきません。そこで「兄ちゃたち、一緒にフリーザー(という名の伝説ポケモン)倒してくれよ」ということになったようなのです。

 夏の夜の都会の片隅で、知らない“おっちゃん”と一緒に必死にポケモンに立ち向かう学生二人――「すばらしい」とも「ほのぼの」とも言えない妙な風景ですが、それはそれでなかなか悪くない光景だ、そんなふうに私は思いました。


【「ポケモンGO」の現在】
 ポケモンGOも7月末でリリースから一年。
 最初の熱狂はやはり冷めて、今も遊んでいる人たち(アクティブ・ユーザーというらしい)は400万人台。昨年7月の1100万人から比べると半分以下になってしまいました(2017.07.22「ポケモンGOリリースから1年!熱狂したユーザーはどう変わった?」)。
 しかしそうはいっても400万人台。ゲームアプリ・ランキングの堂々たる第2位です。

 しかも驚いたことに、上の記事によれば、
 利用者層を見てみると、40代以上のユーザーがほぼ半数を占める結果となり、ポケモン世代である20代、30代とほぼ同数という結果となっている。また、アプリを起動している日数が月に25日以上というヘビーユーザーも40代以上の割合が6割近く。
 たしかに他のアプリと比べるとゲームのペースがゆったりしていて中高年でもついていきやすいところがあります。捕獲したいポケモンがあってもそれと出会えるかどうかは「運」しだい、つまりゲームスキルがすべてではなく、運がなければことが進まないという不確定要素も年寄り向きです。
 かくして見知らぬ“おっちゃん”が、ポケモン欲しさに若者に近づくという珍事も起こります。
悪くないですね。


【「ポケモンGO」は世界を救う、かも?】
 さて、今回改めて「ポケモンGO」について話そうと思ったのは、先週ネットニュースに「ポケモンGO、労働者のストレス軽減 初の科学的検証」(2017.09.07 朝日新聞デジタル)という記事が出ていたからです。
 それによると、
 日本に住む20代から70代の正規雇用の労働者2530人について調べたところ、ポケモンGOを1カ月以上続けてプレーしたことがあると答えた246人は心理的ストレスが1年前より減っていたが、残りの2284人はほぼ横ばいだった。
(中略)
 これまでポケモンGOは抑うつ状態や引きこもりなどの解消に効果があるという説はあったが、科学的根拠のある検証はなかった(中略)「外出し、人との交流や身体活動量が増えることが改善の主な理由と考えられる」

 私は昨年7月「2016/7/23「『ポケモンGO』〜ピカチュウは医療費問題と引きこもりを救う(かもしれない)」の中で、「ポケモンGO」が寝たきり老人をたたき起こし、引きこもり少年を屋外に引っ張り出す可能性について記しました。
 そのあと一週間もしないうちに「やっぱだめかも知れん」(2016/7/29「ポケモンGO!」2〜「真田 de GO!」 )と考え直していますが、国の医療費を下げるまでには至らなくても、「ポケモンGO」にはやはり予期しない効能があるのかもしれません。
 なんとなくうれしいですね。

*追記
 そう思って「ポケモンGO」を開いたら、近くのジムにこんな風景がありました。
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 順次ジムを訪れた人が6人、次々と手持ちのポケモン置いて行くのですが、そのときわざわざピンクのものだけを選んで置いたようです。

 見知らぬ人たちの無言の連携を感じて、再び何かうれしくなってしまいました。



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2016/11/22

「おやおやおや」  いいこと


 このブログの元となった原稿は今から12年前、当時勤務していた学校内で書き始めたものです。もともとネット上に上げるつもりはなく、毎日のん気に思うところを書いていたのですが、それから一年半ほど経った頃、私の運営するサイト上でちょっと厄介な問題が持ち上がってブログを始めることになったのです。それは当時、私のネット上の主戦場だったBBSが、一人の論客によってずたずたに荒されるというものでした。

 しばらくは抵抗したのですが、この世界、確信的な人がその気になれば相手をギリギリまで追い詰めることができます。結局、身動きが取れなくなって私はBBSを放棄し(のちに復活)、サイトはほとんど動きのないものとなってしまいました。

 それは何ともすっきりしない毎日でした。ネット上にはサイトを通じて知り合いになった方が何人もいましたし、そうした方々に何も話さない、何も語ってもらえないというのはけっこうストレスだったのです。そこでBBS放棄から一か月ほどしてブログという形でそれまで学校で書いていたものを毎日アップするようになったのです。それが「アフター・フェア」(かつてのタイトルは「デイ・バイ・デイ」)です。

 以後、10年の間、毎朝書いた記事はすべてネット上にあります。しかしブログを始める以前に書いたおよそ1年半分は、学校で先生たちに見ていただいて以後、コンピュータの中に眠ったままでした。
 ネットの優れた機能のひとつは検索です。そこで、自分の文章を調べるためだけにでもアップする価値はあると、退職後、少しずつアップしてきたのですが、これがけっこう面倒な作業で、2年かかっても完成しません。今日も気合を入れてやり始めたのですが、2006年の6月分をやっただけで息が切れてしまいました。

 あとたった4ヶ月分をアップすれば完成なのに――、そう思って、どれくらい入れれば穴が埋まるか確認しようと、記念すべきブログ第一回目を調べたら、なんとそれが2006年11月22日、つまり10年前の今日の「明日は勤労感謝の日」といった内容の記事だったのです。

 不思議なものです。たまたま調べた第一回が今日で、しかもブログ十周年の記念日だったなんて。
 しかし運命というのはそういうものなのでしょう。
 何となく気分のいいできごとでした。

 これからもよろしくお願いします。



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2016/9/13

「この夏のマイ・ブーム」  いいこと


 暑かった夏もようやく峠を越え、一昨日あたりから多少涼しくなりました。2週間ほど前からトンボも目立つようになり、木々や草花の一部も緑が褪せ始め、少しずつ秋の気配も感じられるようになってきました。そこで夏のひとまとめ――この夏のマイブーム。

@水出し緑茶
 NHKの「ガッテン」(7月1日)でやっていた氷水出し緑茶、試しにやったら本当においしかったのでこの夏はほぼ毎日、夫婦で1リットルずつ消費していました。
 もともと我が家は100gのお茶をもらって1年も消費できない家です。
 一方、私は毎年夏になると「何か飲み物はないか」「甘くなくて、アルコールじゃなくて、大人でも飲める飲料はないか」とブツブツ言っているような人間です。
 牛乳は好きですがカロリーは半端ではないし値段も高い(我が家の金銭感覚では)。アイスコーヒーもがぶ飲みには向きません。緑茶も悪くないのですが毎回淹れて冷やすのは面倒だ、そんなふうに思っていたのです。まさかその緑茶が水出しできるとは思わず、またその方が旨く栄養価が高いということも気づかなかったのです。
「ガッテン」の謳い文句だと
「低温で短い時間だと、うまみを邪魔する苦みや渋み(カテキン)がほとんど出ないため、ごく普通のお手頃お茶でも、玉露のような極上の甘み&うまみが感じられます!
また、エピガロカテキンは、免疫を元気にしてくれる成分としてただいま大注目!」

 作り方は簡単です。氷水1リットルに煎茶を10〜15g入れて30〜40分待つだけ。
 煎茶を「だし」用の紙パックに入れて使う方法もあれば、水出し専用のボトルもあります。
 私は「伊右衛門 水出し茶ポット 1000ml(¥1,691)」「ハリオ フィルターインボトル FIB-75-OG(¥1,400)」の間でどちらにしようか迷った挙句まさかの百均プラスチックボトル2本とステンレス茶こし(計¥300+消費税)。
 考えてみたら洗う手間は専用ボトルも百均ボトルも同じなのです。まず一本目のボトルに冷水と煎茶を入れ、時間が来たら茶こしを通しながらもう一本の方に移す、空いた元のボトルと茶こしはその場で洗う、そうするのがむしろ簡単なくらいです。
 ステンレスの茶こしは目が粗いので濁りが出ますがそれもご愛敬です。「綾鷹」が売りにしているくらいですから。
 涼しくなって消費量は減ると思いますが、まだまだ重宝する日々が続くと思います。

Aサウンド・バー
 アマゾンで「Fire TV Stick 音声認識リモコン付属」を購入しました。私はプライム会員ですのでこのスティックのおかげでかなりの数の映画が無料で見られます。
 ところが見始めると以前は気にならなかった音質がひどく気になるのです。
 最近は映画館もシネマ・コンプレックスとかでずいぶん小さな画面もあり、家で見たって同じじゃないかと思うことも少なくないのですが音は違います。宇宙船の飛び交う戦闘場面やカーチェイスではやはり振動が伝わらないと臨場感が沸いてきません。そこで購入したのが一般的には「サウンドバー」という名で総称される専用スピーカシステムです。
 私が選んだのは「Pioneer 3.1ch サウンドバーシステム Bluetooth対応 HTP-SB560(ネットで¥29,000)」
クリックすると元のサイズで表示します
 これで部屋が震えるようになりました。音楽番組も全く違う雰囲気で楽しめ、ドラマのセリフもはっきりと聞こえるようになった気がします。
 失敗したと思ったのは大きさです。
 あれこれ比較検討して、バーだけのものからウーハーが付属するものへと移行しているうちにサイズを確認することを忘れてしまい、思ったよりはるかに大きなものをが来てしまったのです。小さくて邪魔にならないのがいいと思って購入を決めたのですが、これだったらミニコンポを買って外部入力にした方がもっと良い音が出たかもしれません(きっとそうです)。
 もっともテレビ専用機ですので自動的に電源が入ったり切れたり、便利な面も少なくありません。一応、満足です

BポケモンGO
 世の趨勢を見なくてはいけないということで日本初配信の日にダウンロード。少しやったら飽きるだろうと思っていたのですがそういうともなく、熱中もしませんがちょこちょこ続けています。
 トレーナーレベルは17、捕まえたポケモンが67種類と言えばどの程度のイレ込みか、わかる人にはわかると思います。
 しかしとにかく田舎なのでポケストップ(さまざまなアイテムのもらえるところ)もほとんどない、畑のど真ん中を走り回っても出会うのは“野生のポケモン”より“野生のキツネ”、そういう環境ではハマりたくてもハマりようがないのです。
 さりとて市街地に行くと私の年齢で歩きスマホという人はほとんどいません。ましてやポケモンを追っている初老などまずもっていそうにない――そういう厄介な状況があります。

 十数年前、「ムシキング」という店舗据え置き型ゲームが流行った時期、周囲を気にしながらこそこそと興じるおっちゃんを見たことがあります。
 デパートの4階からエスカレータ越しに3階を見下ろすと、そこに置かれた機械に百円玉を入れ、入れた瞬間に後ろを向いて私がやっているように下の階を眺め、音を頼りに瞬間を見極めて振り向きざまにボタンをぶっ叩く。そしてまた振り返り、素知らぬ顔でエスカレータの降りていく先を眺めている――。
 あの時はおっちゃんを見ながら、「男ってものはいくつになってもダメなものだ」と思ったものでした。

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