2009/12/21

ピーター・パンに言いたいこと  教育・学校・教師


 武藤先生が雑誌「プレジデントファミリー」4月号(2009)から「知れば変わる、子どもの自立メカニズム」という記事を拾って紹介してくださいました。5人の研究者の解説ということでどれも興味深い内容なのですが、その中で「急増中! 反応期のない子どもは自立できるのか」というのが気になりました。

 それによると
@反抗期がきちんとあったと言えるのは、男子だとギリギリ現在40歳くらいの人まで。
A現在の中学生の8割には反抗期がない。
B反抗期がなくなったのは「物分りの良い親」と先手を打てる「賢い親」が増えたためで。対立点がなくなった子どもは反抗する対象すらない。
Cしかし、反抗する理由もない代わりに自立する理由もないので、子どもの自立は非常に遅れる。
D現代の日本の場合、子どもの自立は12・3歳から25歳にかけて、ゆっくりと行われると考えられる。

ということです。

 現代の子どもに第二次反抗期がなくなっているということについては実感としてあります。したがって@とAには同意しますが、B以下については不同意です。

 「反抗する理由もない代わりに自立する理由もなくなった」のではなく、自立する必要がなくなったから反抗しなくなった、別な言い方をすれば「子どもでいることの方が有利」だったり「子どもでいることの方が居心地がよい」時代になったので、敢えて反抗してその枠を崩す必要がなくなったと、そんなふうに考えるからです。

 これには証拠がありまして、それは「ピーターパン症候群」(成長する事を拒む男性の状態)という概念が提唱され広く受け入れられたのが1984年、「シンデレラコンプレックス」(「他人に面倒を見てもらいたい」という潜在的願望によって、女性が「精神と創造性」とを十分に発揮できずにいる状態)という言葉が日本に紹介され広まったのが1983年で、とももに、「反抗期がきちんとあったと言えるのは、男子だとギリギリ現在40歳くらいの人まで」に符合するからです。

 現在40歳以上の人、つまり私たちが子どもだったころ、子どもでいることはちっともいいことではありませんでした。だからいつも背伸びをして自分を大きく見せ、それを許さない大人たちと対立していた、それが1980年ごろから、劇的に子ども優位に変化してきたのです。大人になって自立するなんて、真っ平ごめんという時代になったのです。

 しかし本当に子どもでいる方が言い時代なのでしょうか。
 実は「今の方が有利」「今の方が居心地が良い」と感じている子どもたちも、知らないでいることがあります。

 それは「生きがい」や「やりがい」という点では、子どもの生活には限界があるということ。ドッジボールや鬼ごっこはもちろんコンピュータ・ゲームや深夜徘徊だけでは、生き生きと生きていけないということ。それがひとつです。

 もうひとつは、私たち大人は基本的に子どものための社会をつくっているのではなく、自分たちのための社会をつくっているということ。したがって上品な意味でも下品な意味でも、楽しいこと面白いことは大人社会にこそあるということです。

 そのあたりを、うまく伝えていければいいと私は思っています。

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