2020/3/19

「ゲストハウスとホステル」〜九州旅行に行ってきたC  旅行


 ゲストハウスもホステルも初めて耳にする宿泊施設ではない。
 ゲストハウスは20年以上前からあるものだし、
 ユースホステルに至っては私が子どものころからあった。
 しかしおそらくそれとは違う。
 そんなところから興味津々、出かけた――が、

というお話。
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(別府鉄輪温泉地獄めぐり「鬼山地獄」)

【ゲストハウス「ひろみや」】
 昭和の匂いの色濃く流れる杖立温泉を出て、由布院駅で「ななつ星」「ゆふいんの森」、赤い「在来線」の3線が並ぶ豪華なプラットホームを眺め、そこから別府鉄輪(かんなわ)温泉に向かいました。目指すは「ゲストハウス『ひろみや』」です。

 私の中にあるゲストハウスのイメージは、長期滞在も可能な安い宿泊施設で、建物の中央あるいは入り口付近に広い談話スペースがあって、隣接する炊事施設で調理した食べ物を持ち寄ってそこで自由に食べたりおしゃべりしたり、あるいは自室に持ち帰って食事をしたりできる、家族経営の管理人がいる場合もいない場合もあり、これといったサービスがあったりなかったり、客の多くは外国からやってくるバックパッカーで、日本人も稀にいる、そういうものです。
 私のような年寄りの来るところではない、ましてや赤ん坊連れの6人家族なんてまるで似合わない宿泊施設です。

 そう考えると気が重くなるのは、何度も申し上げています通り私は英語が苦手でほとんどしゃべれないのに、前職の関係で家族の中では一番外国人に慣れているという厄介な立場にあるのです。ほかに対応する人間がいませんから外国人が来たら私が行くしかない、それでもやたらと出て来られたら困る・・・などと考えながら、しかし私に輪をかけて英語の苦手なシーナが選んだのだから何か違うだろうなとも考えながら良く晴れた冬空の下、気持ちよく別府に向かったのです。

 鉄輪は知りませんでしたが別府はもちろん超有名な温泉地。国道を折れて一歩、鉄輪地区に入ると、古い温泉街にありがちな細い道路が複雑に絡み合っていて運転をする身には少々たいへんです。しかし石畳に隠れた暗渠からはモウモウと湯けむりが上がり、宿のそちこちからも蒸気がパイプを通して噴出している様子は温泉情緒満載で、見回すとすぐにそれと分かる外湯や足湯があり、大衆演劇や歌謡ショーでも行われるのでしょうか、「ヤング劇場」という、ベタ過ぎて泣きたくなるような名前の建物もあったりします。まさに温泉中の温泉。“ザ・温泉”、そのものです。

 その中にあるゲストハウス、ますます興味深い。

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 「ひろみや」は「鉄輪むし湯」(外湯のひとつ)の横の、一方通行の坂を下った真ん中付近にありました。家族と荷物を降ろしてから少し離れた駐車場に車を置いて戻って来ると、おそらく昔は土産物か食料品を売っていたと思われる店舗のような空間で、シーナが入館手続きをしていました。壁には手書きの鉄輪観光マップが貼ってあります。

 ゲストハウス「ひろみや」の入り口はそこからいったん外に出てすぐ隣にあるのですが、ガラスの引き戸を開いて土間で靴を脱ぎ、急な階段を上り始めたあたりから私はうすうす気づき始めます。そしてやや長めの廊下を歩いて曲がり角にある炊事場を紹介され、使っていい道具類を説明されるに至ってようやく合点するのです。

 私のイメージにあったゲストハウス、
 長期滞在も可能な安い宿泊施設で、建物の中央あるいは入り口付近に広い談話スペースがあって、隣接する炊事施設で調理した食べ物を持ち寄ってそこで自由に食べたりおしゃべりしたり、あるいは自室に持ち帰って食事をしたりできる、家族経営の管理人がいる場合もいない場合もあり、これといったサービスがあったりなかったり、
――そんな宿泊施設はこの日本には大昔からあったのです。
湯治宿」――それが当時の名前です。療養のための長期滞在に向いた、湯治場ならでは宿泊施設です。
 私は何かうれしくなってしまいました。たしかに外国人の若者がいないだけで(もしかしたらいるときもある)、私のイメージのゲストハウスと定義は一致していたからです。
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 のちに家に帰って「ひろみや」のウェブサイトを見たら、宿の可愛いロゴに、小さく「ToJi STAY HIROMIYA」と書いてありました。「湯治ステイ」なのです。壁や襖などあちこちにモダンな意匠を凝らして、“湯治宿”が“ゲストハウス”になってまだ一年少々といったところだそうです。

 大人4人と幼児2名で一泊16,524円(子どもは計算外かな?)。超一流観光地ということを考えれば格安でしょう。朝食はありませんが、朝、部屋の前に蒸し芋とゆで卵が届けられました。オーナー夫人はとても気さくな人です。

 夕食を食べることや温泉巡りをしない私やハーヴのことを考えて、その夜はスーパー銭湯みたいな「ひょうたん温泉」に行きましたが、帰ってから「温オタ(温泉オタク)」三人組は夜の外湯めぐり、朝の外湯めぐりと忙しかったようです。

ゲストハウスひろみや



【ホステル「モンタン博多」】
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 旅の最後の夜は福岡です。
 ところで、ユースホステルと言って、今の若い人はどれくらい分かるのでしょう?
 私が高校生のころ、学生が旅先で泊まると言えば国民宿舎かユースホステルと決まっていました。とにかく安く、気楽だったからです。当時のバックパッカー(とは言わなんだが)はユースホステル専用のシーツ(二枚重ねにして縫ったもの)をバッグに入れ、日本全国を回ったものです。

 ユースホステルは今でも二段ベッドなどを設置した相部屋が基本で、トイレ・シャワーは共用。朝食は提供されるもののそれ以外の食事は共用のキッチンで自炊できるようになっています。宿泊客同士が交流できる共用スペースが設置されているのもユースホステルの特徴で、宿泊料金は施設ごとに違いうものの素泊まりで3000円程度が普通となっています。

 ただしユースホステルは「日本ユースホステル連盟」に加盟した施設のみが名乗ることのできるもので、私たちが泊まったホステルとは異なります。それが同じ“ホステル”であるのは、
「料金が安い、共用スペースが用意されている、24時間対応のフロントが設置されている」
という概念において同じだからです。
 “フロントがある”という点でゲストハウスと異なり、“共用のスペース・共用キッチンがある”という点で私たちが初日に泊まったアパート・ホテルとも異なっているわけです。

 旅行の最終日に泊まった「モンタン博多」は、福岡空港からひとつ目の「東比恵」駅から徒歩5分というとても便利な場所にある築30年8階建ての集合住宅を、2017年にリノベーションして開業したホステルです。
 1階を共用スペースとして、2階以上に71の客室があり、それぞれ和室だったりダブルベッド、ツイン、あるいは二段ベッドの部屋と様々に様式を変えて取り揃えてあります。もともとワンルームマンションだったので、各部屋にそれぞれキッチン、バス・トイレもついています。

 部屋の構造は旅行の初日のアパート・ホテル「グランド・ベース博多」と同じですが、「グランド・ベース博多」が最初からホテルとしてつくられたために多少広くて豪華なのに対し、「モンタン博多」は普通のワンルーム・マンションを基礎としていますからやや見劣りする感じもあります。
 ただしそのぶん宿泊費も安く、連休最終日の夜ということもあるのか大人3人で9639円。今回の旅行の最安値でした。しかもこれに、パンと飲み物だけとはいえ、朝食までついているのです。
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 この日は国立大学の二次試験ということで、朝食のための共有スペースには制服姿の親子連れも目立ちました。しかしそれ以外は十数人と客も少なく、とてもではありませんが71室もある宿泊施設の朝食とは思えません。

 もしかしたら韓国・中国からの観光客を当て込んでの施設なのかもしれません。そうだとしたら今はたいへんです。

モンタン博多

(この稿、続く)


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