2019/6/11

「わが家の五月危機」〜孫のハーヴに見る4歳児の成長2  人生


 人生は不思議なもので なぜか忙しいときに新たな仕事が入り
 長いことなかった冠婚葬祭がまとめて一気に押し寄せ
 電化製品はしばしば同時に壊れる
 2019年5月 なぜかわが家に看過できない事件が続いた

というお話。
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(ピーテル・ブリューゲル《父》 「聖マルティヌスの日の葡萄酒」)

【世間知の学習・第二章】
 事件のひとつは、息子のアキュラの突然の転勤です。その顛末については以前書きました。
2019/5/22「世間知の学習2」〜引っ越し編
2019/5/23「世間知の学習3」〜最も大切な人生の知恵について考える編

 とにもかくにも最低限の持ち物を宅配便で送りこんで、アキュラはいったん九州に赴任し、2週間後、あらためて本引っ越し・アパートの引き払いということになりました。しかし書いた通りのバカ息子ですから、やはりただではすみません。

 引っ越し業者から三日前に最終確認の電話があって、そこで当日、朝一で積み込みに来ることが知らされます。朝一で来られるとアキュラの乗る予定の飛行機では間に合いません。慌てて前日の飛行機を探したのですが花の金曜日でチケットが取れない。

 危機管理の「さしすせそ」の最初の「さ」は、「最悪の事態を考えて」です。しかし業者が朝一で来るなどは最悪というほどのことでもありません。当然織り込んでおくべきです。
2007/5/16危機管理の『さしすせそ』

 アキュラは私に対していちおうの誠意を見せようとしたらしく、当日の第一便を予約し直すのですがそれでは新居から空港までの足がなく、仕方がなく前夜出て、空港の近くの温泉施設で一夜を明かしたようです。何たる弥縫策。
 だったら前の晩の新幹線の乗り継ぎだとか夜行バスだとか、他に考えられることはあったはずだと思うのですが――。

 いずれにしろ結局父親頼みになってしまい、引っ越し業者との対応や荷物の送り出しは私が行うことになりました。甘い父親ですが昨日も申し上げた通り、男の子は“バカなのでいつまでたっても可愛い”のです。

 この“アキュラが引越しに間に合わず、私が対応しなくてはならない”という事態は、実はあとから考えると、かなり――というより相当に――危険な状況だったのです。


【婿殿、入院する】
 話をいったん5月の月初めに戻します。我が家の五月危機の始まりがゴールデンウィークにあったからです。

 超大型と言われた今年のゴールデンウィーク。私たち夫婦は何の計画もなく畑仕事などして過ごしましたが、アキュラは引っ越しのことも考えずに瀬戸内に釣り旅行、娘のシーナも家族と箱根に出かけていました。

 シーナは臨月直前であと一カ月もすれば出産。そうなると最低一年は遠出できません。そこで無理をして宿泊料最大の時期の箱根旅行となったわけです。
 ところがそんな贅沢の罰が当たったのか、行ったその夜のうちに婿のエージュに猛烈な腹痛。翌朝は朝食も取らずに出発して主治医のいる東京の病院へ。着くなりそのまま入院してしまいました。
 エージュには厄介な持病があって、死に至るようなものではありませんが無理をすると強烈な腹痛に襲われ、その後は数日の絶食治療になるのです。もちろんその間も栄養は摂取しなくてはなりませんから点滴入院です。

 私が孫のハーヴを連れて「プラレール博」に行ったのは、父親が入院で母親が身重、それなのに保育園も長期休業ですっかり煮詰まったハーヴを救援するためでした。
2019/5/20「良い子・悪い子・普通の子」〜黄金週間、池袋のプラレール博に行ってきた


【シーナの危機=アキュラよ、これが人生だ】
 書きませんでしたが池袋の翌日は別の場所でやっていた“一緒に遊べるプラレール大会(公民館行事)”にも行き、三日ほど遊んでやってエージュの退院を見届けてから、今度は自分へのご褒美で上野の「クリムト展 ウィーンと日本 1900」を鑑賞。
2019/5/15「東京都美術館のクリムト」〜二つのクリムト展を観てきた 1
 いったん田舎に帰って週末にアキュラの仮引っ越しのため再び上京。ブログに書いたような一連の騒動のあと、今度は新美術館で「日本・オーストリア外交樹立150周年記念ウィーン・モダン クリムト、シーレ 世紀末への道」を鑑賞。
2019/5/16「国立新美術館のクリムト」〜二つのクリムト展を観てきた 2
 さらに一週休んでその間に母が骨折し(2019/5/21「世間知の学習1」〜病院編 )、やれやれあとはアキュラの本引っ越しだと思っていたら、そこにとんでもない報せが入ってくるのです。

 引越し3日前の水曜日の夜、9時過ぎ、まず普通は考えられないことですが家の固定電話にシーナから連絡が入って、
「破水したかもしれない。尿漏れかもしれないけど」
とのこと。一瞬、凍りつきました。

 その後は深夜までLINEで五月雨式の連絡。
 息子のハーヴも乗せて婿のエージュの運転でかかりつけの産院へいったものの、医者からは完全破水で一両日の自然分娩になるはずだが月齢が満ちていないのでここ(かかりつけの産院)では対応できない、大病院を探す、と言われてそのまま家族全員と当直医とで救急車に乗車。
 いくつかの病院に断られた挙句、自宅からは20kmも離れた大学病院でようやく引き受けてもらったのが12時過ぎ。シーナを残してエージュとハーブが自宅に戻ったのは午前1時半過ぎだったようです。

 連絡を受けると妻は「すぐに出かけましょう」というのですが、自家用車で3時間以上かけて東京に行っても何かができるわけでもなく、翌朝一番で私が行くこといなり、その晩は落ち着かないまま眠りにつきました。
 そこで思い出したのがアキュラが引越しする土曜日は、エージュの勤務する学校の運動会だということです。つまり明日は前々日準備、明後日は前日準備、とてもではありませんが休んではいられない。とりあえず明日のハーヴの送り迎えは誰がするんだ?
 やはり妻が言ったように、その夜のうちに出かけるべきだったのかもしれない、そんなふうに思い悩みながら、しかし案外簡単に寝つくことはできました。

 週末には本引っ越しとなるアキュラよ、これが人生だ。
 だから今日すべきことを明日に回してはいかんのだ。


                   (この稿、続く)

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