2017/4/26

「委員長!その頭、変ですよ」  政治・社会

 北朝鮮に関するニュース番組を見るたびに思うのは、金委員長のあの髪型はやはり変だということです。
 世界中であんな髪型をしている人はたぶん一人しかいないし、誰も真似をしない。昔ビートルズがマッシュルーム・カットを始めたときはやはり変でしたが良いものは良い、あっという間に世界に広がりました。日本でも“聖子ちゃんカット”は一世を風靡し、右も左も、似合う人も似合わない人も、女子高生もオバチャンも、みんな“聖子ちゃん”でした。
 それなのに金氏の「覇気ヘア」を誰も真似しないのはやはりそれが“カッコ悪い”からで、誰かが教えてやらないと気の毒です。あんな変な頭のままで世界のメディアにのっかっているのですから。

――とテレビを見るたびに毎日のように言っていたら、妻がうるさがって、
「じゃあ、あなたが言いに行ってあげたら?」
 今は物入りでお金がないので行けませんが、余裕ができたらそうしたいと思います。
「委員長!その頭、変ですよ」
(もちろん冗談です。行きはしません)


【王様は裸だ】
 しかし私が恐れるのは、それと同じように、ありとあらゆる正しい情報・判断が金氏のところに上がっていないのではないのかという可能性です。
 昔ルーマニアの独裁者チャウシェスクは、革命裁判で銃殺刑になるまで自分が偉大な指導者で、国民を豊かにしすべての人々から敬愛されていると信じて疑いませんでした。気に入らない人間は片っぱし粛清してしましたから、苦言を言う人も悪い情報を伝える人もいなかったのです。彼の訪れる場所は常に物資と人々の笑顔に満ち満ちていましたが、それは役人たちが必死になってかき集めたからです。本当は悲惨な経済状態だった――。

 もしかしたら金委員長や外国メディアがナマズの養殖場を訪れる時、北朝鮮のすべてのナマズがピョンヤンに召集されているのかもしれません。高層アパート街「黎明通り」では委員長が視察した部屋以外はすべて“もぬけの殻”なのかもしれない。そして現在の危機に際しても、委員長や大半の国民は本気でアメリカと互角に戦えると信じているのかもしれないのです。72年前の私の母が、東京大空襲を知りながら “それは米軍を引き寄せて一気に殲滅するための作戦だ”と信じて疑わなかったように。
 

【それでも核開発は続ける】
 テレビでは各局のニュースコメンテーターたちが、
「対話と圧力によって、北朝鮮を思いとどまらせるべきだ。核とミサイル開発をやめ、北朝鮮がある程度民主的な国家に生まれ変わることが世界、特に日韓米中の共通の利益だ」
とか言っていますが、私にはよくわかりません。
 
 核開発の放棄と民主化は金政権の一番やりたくないことですよね。そのために何年も頑張ってきた。
 厳しい経済制裁に耐え国民を飢えさせ、大量の同胞を粛清し厳しい監視社会をつくってきた、その上で膨大なエネルギーと時間を核ミサイルにつぎ込んできた――そして今、まさにアメリカに届く核ミサイルが完成しようという矢先に、何が悲しくて放棄しなければならないのか――。
 私が北朝鮮中枢の人間ならそう考えます。

 中国が貿易を制限したり石油を絞ったりしてもどうせ本気ではありません。多少制限されて不自由になってもその分はロシアに補ってもらえばいい(こういうときロシアは必ず助けてくれます。アメリカや中国に協力して、北朝鮮に冷たくするするなんてことは絶対にありません)。それでも不足の部分は他の友好国との間で補えばいい、マレーシアでやったように。

 アメリカが攻撃してきたら――口ではソウルを火の海にするとか言っていますが――これはじっと我慢していればいい話です。どうせピンポイントですから施設から離れていれば人間は助かります。施設は作り直せばいい。
(まったく反撃しないのはカッコウ悪いので、人の住んでいない韓国の島嶼や山中を攻撃して国民には「敵の地下基地を粉砕した」とか言っておく。それとは別に「アメリカの攻撃でケガをした子ども」の動画《なければつくる》を繰り返し放送して国民の怒りを煽っておく)
 そしてアメリカの攻撃が止んだらまた核ミサイルの開発を始めればいい。
 遠からずアメリカ本土に届く核ミサイルは完成します。そうしさえすれば世界と対等の話ができる――対話の席に着くのはそのあとで十分です。
 
 私ならそう考えますが、コメンテーターたちは北朝鮮が自殺的大反撃をする可能性しか話しません。それを避けるために武力行使をしないで経済制裁で締め上げ、北朝鮮を対話のテーブルに着かせる、その理屈が分からないわけではありませんが、その席で何を話すのでしょう?
 経済制裁を緩める(あるいは経済支援までする)から核開発を凍結しろ――そう言えば相手も引くかもしれません。けれどその話、デジャブーの感じがしません?

【ついでに】
 じゃあ他にどういう落としどころがあるのかというと、一番簡単なのは金正恩兄妹を暗殺ないしは拉致してしまうことです。
 北朝鮮政府および国民はすべての責任を金一族に被せ、核とミサイルをさっさと放棄をして経済制裁を解いてもらい、中ロ程度の民主主義・資本主義経済の導入を図ればいいのです。
そんなことは多くの国々がやってきたことですから、心ある北朝鮮高官も考えてくれるでしょう。

 私が中国だったら、特殊部隊を送ることを考えます。
 北朝鮮がなくなるのも困るし今のままヤンチャなのも困ります。遠い将来を考えれば核ミサイルが北京に向かうことだって考えられます。それに北朝鮮国内での暗殺・拉致となるとできるのは中国くらいなものでしょ?

 それにしてもその前に、
「委員長! その頭、やっぱり変です!」


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