2021/4/21

「やはり頭のいい人は違うと思ったこと」〜大腸検査と運の話@  生活


 大腸の内視鏡検査を受けた。
 その結果、ガンになりそうなポリープがひとつ、ふたつ。
 また改めて打ち合わせの上で手術となるそうだが、
 信頼できる医者のひとつは、こういうことだと思ったことがある。

という話。
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(写真:フォトAC)

【手術することになりました】 
 昨日、「自分の子どもほどの若い人々をあれほど苦しませるなら、(中略)事故にしろ病気にしろ、深刻な事態になって入院することだけは絶対に避けたい、そんなふうに思ったのです」と書いたばかりですが、手術することになりました。

 深刻な話ではありません。大腸のポリープが大きくなったので、2〜3個取ろうという話です。手術は検査と同じ内視鏡でやるもので、
「日帰りでできます。一泊というのもありますが、(コロナ禍の)今のご時世、日帰りでやる方がいいでしょう」
とのことでした。
 2〜3個という曖昧さは、来月手術の担当医と相談するからで、今回の手術では取っても取らなくていいポリープがあるのだそうです。ガンになるにはまだ数年かかるとのこと。何か釈然としません。

 ことの始まりは2年前、人間ドックで便に血の混じっていることが分かり、それで一回目の内視鏡検査を受けたのですが、その際にポリープが3個ほど見つかり、一番大きいものでも6mm程度で「これはしばらく様子を見ましょう」ということになりました。
 その時も「ガンになるとしても5〜6年かかりますから」と言われて何かすっきりしない気分で帰ってきました。いずれガンになるものならさっさと取ってしまえばいいのに、何を躊躇っているのだろうという感じです。
 もちろん説明を受けているときに訊けばよかったのですが、あとで思いついたことなので聞きそびれてしまいました。


【こんな状況です】
 2年経過したらまた検査しましょうということで今回の受診となったわけですが、時間が経てば腸内の様子も変わるものです。前に見つかったのは、肛門からまっすぐ上にあがる直腸から、(人間を正面から見た場合)右に折れてそのまま左足の付け根付近へとうねりながら向かうS状結腸、そのS状結腸の入り口付近に3個まとめてあったポリープが、今回2個に減っていて、そのうちの一個が巨大化して手術相当となったのです。巨大化と言っても1cmに満たない大きさで、まさに首の細いイボの形をしています。残りの2個のうちのひとつは成長しておらず、もうひとつはどうやら消えてしまいました。

クリックすると元のサイズで表示します ところがあに計らんや、1個消えたにも関わらず、大腸の一番奥、盲腸のからまっすぐ上にあがる上行結腸(小腸から出た便が大腸を上に向かって移動していく部分)の途中に、ヒダの一部を白濁させたような、イボとは違う種類のポリープが発見されたのです。これも除去対象となりました。

 つまり2年経てば状況が変わり、あったものが消えたり別のものができたりで、危険なものから取って行かないとやりきれないというのが実情のようです。


【やはり頭のいい人は違うと思ったこと】

 検査をしてくれたのは2年前と同じ女医さんでした。電話での申し込みの際、同じ先生の方がいいですよね」と言われたので希望しましたが、特にこだわりのある点ではありませんでした。
 その女医さん、私が検査室に入るなり、
「こんにちは。お元気でしたか、何か変わった症状はありません?」
といたって気さくです。さらに重ねて、
「2年前はほんとうに大変でしたが、今度はもっとうまくやります。頑張りましょうね」

 2年前に大変だったのは事実です。
 私は食道にヘルニアがあって胃カメラを飲むのも下手くそなのですが、肛門からカメラを入れる大腸検査の方も下手みたいで、施術医も力仕事になってしまって大変なら、私も苦しくて大変でした。
 説明によると、どうやら普通の人ならファイバースコープの誘導壁になるはずの腸壁が、私の場合は柔らかすぎてカメラの先端が突き刺さり、そのまま伸びてしまうらしいのです。そのため内視鏡はカーブできちんと曲がれない、私は苦しむ、「肩の力を抜いて〜」とか言われても力が入り、強い力が加わると痛みに思わず「ウッ」とか声が漏れる・・・。

「ああ、あのときは本当に大変だった」と振り返り、それから思ったのです。
 私にとっては初めての大腸検査で、しかも苦しい思いをしたので覚えているのは当たりまえですが(それでも半分くらいは忘れていましたが)、女医にとって私はこの2年間に診た何十人だか何百人だかのひとりに過ぎません。しかも一緒にいた時間は20分弱といった短さです。それでもきちんと覚えている。
 検査の際中も、
「ああ、これですね、2年前より大きくなっている」
「前回はここで(スコープに)捻りを入れてうまくいきませんでしたから、今日はまっすぐ入れてみます」
「ああ、ここですね。ここが難しい・・・」

と、まるで昨日のことの話すのです。
 これには呆れました。私など一カ月前に会った人ですらおぼつかない。2週間前に何をどんなふうにやったのかなど、絶対に説明できない。

 やはり医者になるような人の記憶力はたいしたものだと、ホトホト感心しました。
 きちんと覚えていてくれるというのは信頼に関わることです。単純に「この人、記憶力が高いから覚えているだけだ」と差っ引いても、覚えていてもらえればうれしいし、この人に任せようという気にもなります。そうなれば治療もうまくいき、回復も早くなる。やはり記憶力は医師の技術力の一部です。

 私が教師として二流に終わった原因のひとつも、そこにあるのかもしれません。

(この稿、続く)



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