2019/7/25

「私に名案がある」〜18時以降、学校は電話に出ません 2  教育・学校・教師


 18時以降は留守番電話で対応する学校が増えているという
 しかしそんなこと 本当にできるのだろうか
 夜間 ある程度の職員が残っているにもかかわらず
 保護者・地域・各種公共機関からの情報を遮断して
 不安ではないのだろうか 

というお話。
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(「電話2」phtoAC より )

【18時以降の留守電対応が教員を追い詰める】
 今回の「若槻=モンペ炎上事件」(と勝手につけました)に関する別記事を読んでいたら「18時以降は留守番電話で対応する学校が増えている」というのがありました。しかし本当でしょうか?

 私が疑問に思う理由は二つです。
 ひとつは昨日お話したような事情――夜間受け付けなかった電話が、翌朝、さらに大きな問題となって再びかかってくることがある、ということです。

 保護者からの連絡の中には「子どもが帰ってこない」みたいに一日たてば自然解消してしまうようなものもありますが、いじめなどは一日延びることが命取りになる場合があります。

 夜、電話を受けてその場で対処しておけば1時間で済んだことが、一日置いたばかりに何十倍にもなって返ってくることがある――。
 その恐怖に耐えて、夜間の電話に出ない勇気のある教師が何人いるのか、そこが疑問なのです。

 私は臆病者ですから学校が18時と決めても、黙って従うことはとてもできません。事件や事故があったら一刻も早く知りたい、動きたい。問題は1分でも早く解決して遺恨を残さないようにしたい――それが私の本心で保身術なのです。

 ですから私は、学校が夜間の電話に出ないと決めたら、しかたなく保護者に携帯番号を渡すでしょう。それで24時間縛られるようになったとしても、重大事件が起こって「担任は何をしていたんだ」と周囲から突き上げられて自分自身も自責の念に苦しむより、24時間教師の方がよほどマシです。
 おそらく私のような臆病者は今もかなりいて、たくさんの教師が学校に内緒で電話番号を親に知らせているはずです。そうでないと教師はやっていられません。

 ところで、それほどまでに臆病な私ですが、学校にはもっと臆病な人がいます。
 校長です。


【18時以降の情報を遮断できる校長は危険だ】
 世の中には豪放磊落で、細かなことは一切気にしないという校長先生も少なくありません。しかしそうした人は、限りなく危険な校長とも言えます。

「いざとなったらオレが責任を取ってやるから――」
と言ってくれるのは頼もしいですが、校長が辞職すれば物事が収まるというほど世の中は単純ではありません。

 一朝事件が起こってマスコミが学校に押し寄せてきたとき、具体的にメディアから子どもを守るのは校長ではないでしょう。一人で全児童生徒の登下校につきそうなんてできっこないからです。

 裁判を起こされて、そのたびに請求される膨大な書類を作成するのも校長ひとりではありません。校長も教頭も作りますが、児童生徒に関する具体的な書類となると担任や学年職員にしか作りようがないからです。

 事件に関して一人ひとりの児童生徒と向き合い、あるいは保護者の不安を癒すのも一般の教職員の仕事です。

 気の大きすぎる校長が危険なのはそのためです。


 実際に校長の立場に立って考えても、18時以降、保護者や地域、あるいは各種組織・団体から情報が入って来ないことに平気でいられるとしたらやはりおかしい。

 99%ないとは分かっていても100%ないとは言い切れない重大事件――子どもが、刺された、誘拐された、殺された、自殺した――そういった話を、警察――教育委員会経由であとから知らされても構わないと思っている校長がどれほどいるか。

 体育館に数百人を集めて行う保護者説明会の席で、
「校長は、いつ事件を知ったのですか?」
と問われて、
「警察がすべての処理を終えて市教委に連絡し、そこから私に回ってきたので、事件から4時間後くらいのことです」
――そんな姿を想像をしただけで、ちょっと気の弱い校長先生なら震え上がってしまいます。

 親たちが必死に走り回っていた4時間を、自分(校長)を始めとする教職員たちはのんびりと過ごしていたかもしれないからです。
 そんな間抜けなやりとりから始まった保護者説明会は、吉本興業と張り合う5時間半も続けたって終わるはずがありません。

 18時以降は留守番電話で対応する学校が増えている――事実としたら何か特別の工夫があるか、市長か教育委員長が「どんな批判も一身に受けて学校には迷惑をかけない」と保証している場合だけでしょう。

 ただ、そんなことを言っていると、教師の過重労働、ひいては教師の成り手不足は解消しません。
 そこで私に名案があるのです。


【私には名案がある……と言うほどでもないけど】
 どうしても勤務時間外の電話対応をなくしたいということであれば、18時(17時でも)以降にかかってきた電話は自動的に教育委員会に回すようにすればいいのです。日中、飲み屋さんに予約を入れようとすると、地域の予約センターに回される、アレと同じです。

 教委は24時間体制で受け入れるための職員を配置し、内容によって「翌日あらためて学校に連絡してもらう」「その場で対応する」「すぐに校長および担任に連絡して対応してもらう」に分けてそれぞれ対処するようにします。
 夜間の電話がすべて教委に回ると分かれば、保護者の学校に電話をかけるハードルも上がりますから、市内の学校すべての窓口を一本化してもさほど大変ではないでしょう。
 これが一案。

 しかしもっと現実的なのは副校長先生に公用の携帯電話を持ってもらい、18時以降に学校へかかってきた電話はすべてそちらに回るように設定しておくのです。
 副校長は学校の司令塔です。どう対処したらいいのか振り分けが一番正確な人ですから、ここで判断してもらうのが確実でしょう。

 すると当然、今度は副校長の過重労働が問題となりますが、ここまでくるともう人を増やすしかありません。

 現在、副校長を配置していない道府県・市町村はかなりありますし、副校長を配置したら教頭がなくなってしまった東京都のような例もあります。それをすべての学校で義務化すればいいのです。
 校長―副校長―教頭の三頭体制で凌ぐしかありません。

 学校はこれまでも繰り返し業務の見直しをしてきました。それにもかかわらず仕事は減るどころか増える一方。
 学校に持ち込まれるものはすべて必要なものだからです。

 仕事が減らせない以上、人を増やすしかありません。いつも言っていることですが。

                           (この稿、終了)


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