2019/4/3

「新年度の4種の教師たち」〜新年度・新学期が始まります  教育・学校・教師


 年度当初の教師たちは平等ではない
 前年度に引き続いて学校にいる残留組
 転任によってその学校に来た新任組
 今年度はじめて教員になった新卒・新規採用組
 ――中でも新卒新採にとっては地獄の日々が始まる・・・
 しかし

 おげんきよう
 がんばれ!

というお話。

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【新年度の4種の教師たち】
 新年度が始まって三日目。早くも明日から新学期という都道府県もあるそうで、しかしたった三日の新年度準備で入学式をやって新たに児童生徒を迎えなければならない学校というのも、ほんとうに凄まじいものです。

 ところで、校外の人たちはあまり意識されないと思いますが、新年度の学校には大雑把に4種類の先生がいます。
 前年度から引き続き勤務しておられる残留の先生、転任で当該校に移ってこられた新任の先生、新卒・新規採用の先生、これで三種類です。それをさらに学級担任を持っているかいないかで二分します。ですから6種類と言ってもいいのですが、小学校の先生はほとんどが学級担任ですので二分することにあまり意味はありません。中学校の先生は分けて考えた方がいいでしょう。

 その中で最悪なのが“新規採用で担任を持つことになった若い先生”です。とにかく4月1日の最初の会議から何が何だか分からない。


【新卒・新採は終日パニック】
 大学で教育学の勉強はしてきたものの、具体的な問題についてはほとんど未知の内容ばかりです。冒頭で校務分掌一覧表などが出て、自分が「国語係」で「生徒指導委員会」で「給食係」で「統計教育研究」で「教具係」で、「PTA学級委員会」だと知っても、仕事の中身が一つも分からない。
《給食係って、オレが先生たちの分を配って回るのか・・・?》

 そのうえ校長の「学校運営方針」とかいった長々とした話を聞かされ、よそ見をするわけにもいかないので一生懸命メモを取りながら聞いていると、隣の先生は職員会議要綱の別のところを見ながら、盛んに何かを書き込んでいる――つまり別の仕事をしているわけです。

 あとで知ることになるのですが、校長先生の中にはご自分の話をすべてプリントにしてあとで配ってくれる人がけっこう多いのです。ですから職員会議の際中は小耳にはさむ程度にして、必要ならあとで大切な部分を確認するだけでいいのです。それよりもすぐに回ってくる自分の発表のための準備をしっかりしておく方がいい――ベテラン教師はそんなふうに考えます。

 新卒新採はそんなことは知らないので、いちいち丁寧に聞いている。
 校長先生に続いて各係・委員会から新年度の事業内容の発表があったりするのですが、そのいちいちが理解できない。ちょっとした脳内パニックです。
 そうこうしているうちに自分の番がくる。
《自分の番が来る!?》

 それはまったくの想定外で、何の仕事もしていない、何も分かっていない自分に何の発表ができるのか――。その時点で中パニック!
 すると司会の副校長とか隣の先生とかが小さな声で助け船を出してくれる。
「ああ、〇ページの〇行目、〇〇係のところを全部読めばいいだけですから――」
 
 年度当初の職員会議なんて一年間の事業方針・事業内容の確認がほとんどなので、多分に形式的なのです。ですから自分のやった仕事でなくても、順番が回ってくれば係としてプリントを読んで発表しなくてはなりません。

 そんなことが二日以上に渡って続きます。


【新任(転任組)であっても大変】
 会議の合間に、新任・新卒の先生には「校内巡り」とか「地域巡り」といった特別な時間が挟まります。
 「校内巡り」は学校の設備の確認。理科室はここ、コンピュータルームはこちらと言った話です。また給食のとり方は学校によって異なる場合があるので、どこから食缶を持ってきてどこに返すといったことはこの時に学びます。
 「地域巡り」の方は近隣の名所旧跡を巡るといったものではなく、公的な各種手続きを行う支所はここ、学年費を納入する郵便局はここ、お付き合いの深い公立学校(小学校にとっては中学校、中学校にとっては小学校)や保育園・幼稚園はここ、学校医の病院はここ、駐在所はここと、学級運営に必要な最低限の場所を確認して、挨拶をすることを言います。

 注意しておきますがこうした「学校巡り」や「地域巡り」が必要のない先生方――つまり留任で学校におられる先生方は、その時間、児童生徒の名札づくりとか教室整備とか、つまり学級担任としての新年度準備をしておられるのです。
 新任や新卒新採の先生方はその分を夜間に行うしかありません。日中はほとんど会議と行事で埋まっていますから。

 児童生徒の座席や下足箱の確認、ロッカーやコートかけの確認、名札付け、教科書等々の物品の確認、出席簿や指導簿に名前を入れること、学級名簿をつくること、始業式・入学式当日に渡す学級だより・学年だよりの準備等々、等々・・・。

 ここでも留任の先生、新任の先生、新卒新採の先生の差は生まれます。とりあえずどういう仕事があるのかもわかっていない新卒新採は、ほんとうに大変です。


【入学式・始業式が終わって地獄の日々】
 入学式と始業式はそれ自体、大した行事ではありません。しかしそれが終わると、特に中学校の担任の先生は大変です。
 小学校と違って、中学校の担任は一日中自分のクラスと一緒、という状況に慣れていません。修学旅行等の特別な行事を除くと、4月当初の2〜3日だけにそういう状況が現れるのです。

 それは主として新入生のせいです。
 なにしろ文字通り右も左も分からない新入生には、校舎の構造を知り、生徒会の紹介を受けたり学級内の係を決めたり、班を決めたり給食当番を決めたり、学級目標を決めたり校則の読み合わせをしたりと、やるべき仕事が山ほどあるのです。
 
 ならば比較的ヒマな2〜3年生は授業を始めればいいようなものですが、小学校と違って中学はそれができません。
 新入生の担任が自分のクラスに貼りついているということは、授業を始めても1年の担任が教科担任として授業に来ることはないということなのです。
 かくて全学年が授業を始められず、全クラスが学級担任預かりとなります。これが案外つらい。年度当初の事務仕事をする時間さえないのですから。

 そこでこの時期の中学校の担任はぼやくことしきりとなります。
 副担任の先生も何とかお手伝いしようとするのですが、回せる仕事はそう多くはありません。

 数日してようやく最初の授業が始まり、通常の生活がスタートする担任の先生たちはホッとします。教科の授業という慣れた日常に戻れるからです。

 いや、おっと、ここでも新卒新採は大変です。この人たちに「慣れた日常」などありません。その日から今度は、日々教材研究と学級指導に明け暮れることになります。

 さて、早いところでは明日から新学期です。
 特に新卒新採の先生方には地獄の日々です。

 しかし月末には10連休も待っています。
 それまで、

 とにかく生き延びろ! がんばれ!




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