2018/11/1

「11月の憂鬱」〜世界はどこに向かっていくのか  政治・社会


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 先月30日に韓国最高裁がいわゆる「徴用工訴訟」において、日本企業に賠償を命じる判決を確定させたことが大きなニュースとなっています。この判決はまた、時効に関する言及がないことから、徴用工問題に限らずありとあらゆる損害賠償請求が可能になったという解釈もあり、今後爆発的に訴訟が増える可能性があります。
 昨日の報道はなにを見ても憤慨の声が満ち満ちていましたが、私はなにか哀しくて哀しくて仕方がない感じでした。

「最終的かつ不可逆的に解決されることを確認する」とした慰安婦問題日韓合意が反故にされつつある今、「完全かつ最終的に解決された」と記した日韓請求権協定も一方的に無視されるとなると、韓国は今後どんな文言をもって諸外国との関係を結ぼうとするのでしょう。大韓民国はどこに向かっていくのでしょう。


【韓国はどこに行くのか】
 ここのところ文政権は日本やアメリカと距離を取り、北朝鮮とその向こうにいるロシア・中国に接近する様子を鮮明にしています。
 国連決議や米国との約束にもかかわらず、対北朝鮮制裁の緩和を求めてヨーロッパを回り、実際に韓国独自の制裁緩和を模索するなど、アメリカも内心そうとうに苛立っていると聞こえてきますが、いっこうにお構いなしです。

 韓国が約束を守らない国というのではありません。彼の国は情熱的に正義を求めてやまないのです。正義のためならどんな犠牲もいとわない.。どんなにところへも、どんなに古い過去へでも、平気で行こうとする国だと私には見えます。一度決まったことも、時代が変わり人が変わり、関係が変わって「あれは間違いだった」と思うと正さずにはおかないのです。

 それが日本に対してのみ不当に向かっているわけでないことは、セウォル号沈没事故のときの被害者家族の様子や朴槿恵大統領を罷免に追い込んだろうそく集会の様子を見ても分かることです。

 文大統領は積弊清算(過去の政権時代に積もった弊害=不正、そして不公正な社会構造を清算する)を掲げて当選してきたひとですが、その大統領のもとで、韓国国民はありとあらゆる積弊の清算を果たそうとしているのです。

 慰安婦合意は朴槿恵政権の積弊であり、日韓請求権協定は朴槿恵元大統領の父親である朴正煕政権や文大統領の政治的父親である盧武鉉政権の積弊なのです。これを清算するのにためらいのあるはずがありません。政治は妥協の産物ですが、正義は妥協してはいけないのです。

 また、前政権までが北朝鮮に対して取ってきた態度も改めなくてはなりません。まさか韓国の国民が唯々諾々と金王朝の軍門に下るとも思いませんが、そろそろ金正恩の統帥する核保有国、統一朝鮮の可能性も頭の隅に置いておく必要がありそうです。

 しかし繰り返し言いますが、私はそれをもって韓国を非難しようと思っているのではありません。とにかく哀しいのです。


【人生の11月】
 私も年齢的に人生の11月です。人生に年越しはありませんから終末に向かう準備をするといった意味です。
 十分に楽しく意義深い人生を送ってきましたから未練はほとんどありませんが、願わくば中国と北朝鮮の帰趨は見てみたいと、その程度が希望で、ブログで書いたこともあります(2015/7/6「今、思うこと」)。わずか3年前のことです。

 当時すでにクリミア危機がありISの全盛期でもありましたが、遠い地域のことですしロシアもISも経済基盤の弱い国・組織ですからやがて問題は解決されると踏んでいました。

 東アジアは妙な緊張感はあったものの、中国は国際社会で働くうちに次第にまっとうな国にならざるを得ないし、北朝鮮は明らかにじり貧だ。それになんと言っても太平洋にはアメリカ軍がいる、あとはただ中北の進む先を静かに見ていればいい。そしてうまく行けば、その結末をきちんと見てから私は死ぬだろう。子や孫や教え子たちの生きる世界がなんとか落ち着いて暮らせるものであることを確認して。
――そんなふうに思っていたのです。


【思ってもみない世界】
 まさか韓国に超親北政権が生まれて、ソウルのデパートに韓国大統領と金正恩が並んで笑いながら握手する巨大なポスターが掲げられる日が来るとは思いませんでした。父祖の代には何百万人もの同胞を死なせ、本人はミサイルや核のために多くの国民を飢えさせ、叔父や兄を平気で殺す暴君ですよ。

 合衆国にヤクザな大統領が出現して、これまでの秩序を片っ端ちゃぶ台返しすることも想像できなかったことです。あんな下品で頭の悪い男が、アメリカを魅了するとは今でも信じられません。

 独裁者は、エジプトのムラバクもリビアのカダフィも消え、やがてシリアのアサドも消えて次第に民主主義が浸透し、世界は安定期に入っていくはずでした。しかしアサドが生き残っただけでなく、フィリピンにもトルコにもブラジルにも、トランプ並みの独裁的・独断的な大統領が生まれ、イギリスのブレグジットも要するに「イギリス・ファースト」「メイク・UN・グレート・アゲン」なのです。これに先駆者プーチン・習近平を並べれば、世界は我ままな指導者の跋扈する場に変わってしまったことが分かります。

 私はまもなく死にます(と言っても10年くらいは生きるかな?)。しかし例えば孫のハーヴはまだ三歳なのです。あの子たちのことを考えると、またほんとうに哀しく、哀しくなるのです。




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