2017/10/13

「北朝鮮のエトセトラ(私の妄想)」  政治・社会

     〜最近のニュースをみて思うことA


(「最近のニュースを見て思うこと、いろいろありますが、ひとつひとつ書いていくとどんどん遅れてしまいますので、今日、短めに一気に書いておきます」
の続きです)

 ニュース番組が総選挙と希望の党一色になってしまって、北朝鮮情勢はちっとも報道されないと思っていたら、そもそも北朝鮮に大きな動きがありません。ミサイルの打ち上げもなければ挑発的な発言もない。
 まさか私と同じように、総選挙の情勢分析に夢中になっていてそれどころじゃない、ということでもないと思うのですが。
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(写真はイメージ。photoACより)

【北朝鮮とどう話し合ったらいいのだろう?】
 総選挙に絡んで最近も「北朝鮮に対して圧力一辺倒ではダメだ。対話の道を探るとか、場合によっては米朝の橋渡しをするくらいのことも考えていかなければならない」といった言い方をする人がいます。
 言葉の上では心地よいものですが、この人たち、一体どういう話し合いのイメージを持っているのでしょう。私は理解できません。

 ロシアのプーチン大統領の言う、
「北朝鮮は雑草を食べることになったとしても、自国の安全が保障されない限り(核開発の)計画をやめない」(2017.9.5)
はおそらく事実で、しかし北朝鮮はアメリカや中国なんか(ましてや韓国や日本なんか)信じていませんから「自国の安全保障」は自国で確保する、つまり「アメリカまで届く核ミサイルを相当数配備して、核の均衡を生み出す」ことで果たそうとします。
 つまりプーチンの言っているのは「核搭載のICBMを実践配備するまで、北朝鮮は何が何でも絶対にあきらめない」ということなのです。
 そんな北朝鮮に対して、「対話の道を探れ」と言っている人たちはどんな核放棄の道筋を思い描いているのか――具体的に説明する人の話を聞いたことがありません。

 もっとも逆に「核ミサイルも含めてすべてを認め、国交を結び、制裁を解いて自由貿易が始まれば、資本主義や民主主義、情報化社会が一気になだれ込んであっという間に北朝鮮を普通の国にしてしまう」
 そう考える人がいます。ごもっとも。

 しかしそんなことは北朝鮮も百も承知です。
 ソ連崩壊も東欧革命もアラブの春もすべて見てきた国です。金王朝存続だけを国家目標に生き続けてきた国が、安易に資本主義・民主主義・情報化に国を開いたりしません。
 核を背景にした恐喝外交をされるくらいがオチです。


【北朝鮮の暴発?】
 これ以上北朝鮮を追い詰めると暴発する恐れがある、と言う人もいます。

“窮鼠、猫を噛む”ように、北朝鮮は日本にある米軍基地に向けて核やVXガスを搭載した中距離ミサイル数十発(アメリカのシンクタンクの計算ではそのうち最大20発が着弾)を打ち込み、ソウルに向けては9000発のロケット砲を一斉発射する。時を同じくして朝鮮人民軍数百万人が南進を始め、20万人と言われる特殊部隊は日韓の各都市に散ってテロ活動を始める――そういったシナリオのようです。その場合日韓両国で210万人の死者が出る。

 ただしその先のことも鮮やかに予想されていて、人民軍の備蓄はわずか2週間で底を尽き、あとは米軍のなすがまま、朝鮮民主主義人民共和国は完膚なきまでに叩きのめされ地上から消えてしまう――。

 金正恩は国が滅びると分かっていても猫を噛むか?

 ありえないことはありません。私が金正恩だったらそう考える可能性もあります。こらえ性のない性質ですから。
 どうせ死ぬのなら最期はできるだけ派手に、可能な限り大勢を巻き込んで華々しく死んでいきたい、そういう人間の欲望だってあります。
 せっかくここまで育ててきた軍とミサイルを、まったく使わず引き下がるのはあまりにも口惜しい・・・。
 それが“暴発”です。

 ところが私が金正恩ではなく、彼の家来だったらそれとはまったく別のことを考えます。
 私には愛する妻や子がいてかわいい孫もいる、古くからの友人もいれば世話になった人々もいる。
 もちろん私自身はここまで委員長と一緒にやってきたのだから共に死ぬのもやむを得ない、いや死ぬべきだ。自分の人生の責任は自分で取らねばならない。
 しかし家族にまでそれを負わせるべきだろうか? 友人や恩人も一緒になって華々しく死ぬことは、果たして正しいことだろうか?

 どうせ戦争が始まれば放っておいても一・二週間でなくなる命。だったら正恩を殺し、家族だけでも助ける道を選ぶべきではないか――。



【金正恩も考える】
 部下の中には必ず家族を守るための暗殺ないしはクーデターを画策するものが出てくる、その可能性は米朝間の緊張が高まれば高まるほど大きくなる――金正恩はきっとそう考えます。

 完璧な相互監視社会を築き密告制度を整え、これまでもたくさんの反逆者をあぶり出しては粛正してきた。しかしこれからは違う。戦争や死に関わる極度の緊張に耐えられなくなった者が、次々と反逆の狼煙を上げ暗殺に走るとなると、やがて私も対応しきれなくなる、きっとそうなる。
 私は米軍の手によってではなく、部下の手によってシーザーのように殺される――。


 そんなふうに金氏の気持ちを慮っていくと、案外、金一族が国を捨て亡命するという可能性もないわけではないという気もしてきます。
 そう言えば今年9月、国連が追加制裁を決めたとき、中国とロシアは「北朝鮮への原油・石油製品の全面禁輸」とともに「金正恩委員長に対する資産凍結と渡航禁止」の二点に強く反発してこれを取り下げさせました。それはまさに「金委員長が国を出て、海外で暮らすための道を閉じさせなかった」ということなのかもしれません。

 独裁者が海外に膨大な資産を備蓄するのは亡命のため、そう考えることにあまり違和感はありません。そう言えば先月末、北朝鮮外務省の女性北米局長がモスクワに飛びましたが、あれは何の話をしに行ったのでしょうか?


【あと一年】
 いずれにしろ今の不安定が1年も続くはずはありません。何もしなければ北朝鮮は核搭載のICBM数十基を有する核大国になって安定します。国際関係もとりあえず膠着するでしょう。
 あるいはもしかしたらその前に、金正恩氏の首が締まってしまうかもしれません。暗殺かクーデターかそれとも亡命か、帰着の形はわかりませんが――。





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