2017/6/21

「スズメはどこへ消えたのか」  知識

    〜スズメの話A

 上野公園の入り口の石囲いされた樹の陰で犬やハトやスズメのことをボンヤリと考えていた私は、そのあととんでもないことに気づきます。
――そう言えばここ何年もスズメの群れを見た記憶がない・・・。

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 スズメと言えば「舌切りスズメ」の童話にあるような私たちに最も近い、ありふれた鳥だったはずです。秋の田んぼに出るとそれこそ雲霞のごときスズメが、群れをつくって飛び交っていました。

 その小さな鳥から稲を守るため、農家が費やした努力も大変なもので、私がよく覚えているのは表が赤、裏が銀の良く光るテープです。
 これをよじって田んぼの上に何本も並べると、風でテープが揺れて赤と銀がめまぐるしく動き、それをスズメが嫌って近づかないと信じられたのです。
 その素晴らしいテープが欲しくて密かに盗みに行って捕まったのが小学校1年生の私ですからすでに半世紀近い昔のこと。あのテープは当時としてはとても高価なものだったに違いありません。

 それが今はまったくない。似たようなものもない、その他スズメ対策らしいものは一切ないのです。いかにスズメが少なくなったか、想像に難くありません。
(その代わり畑にはカラス対策というのが増えて、黒いビニルの切れ端が何本も吊るされていたり、カラスの人形が逆さ吊りになっていたり、最もすごかったのは本物のカラスの死骸が十字架に磔になっているのまで見たことがあります)


【スズメはどこへ消えたのか】
 そこで家に帰って「スズメ_いない」「スズメ_消えた」などと検索すると、同じ疑問を持った人はたくさんいるみたいで、かなりのページがヒットします。それによるとなんと、
 スズメの数はここ20年ほどの間に最大80%、50年では90%と10分の1にまで激減している
そうなのです。
 これでは姿を見ないわけです。
 実りの季節、近くの田んぼに行っても昔なつかしい「スズメおどし(大きな目玉に見える風船とかきらきら光るテープ、発砲音など)」もさっぱり見なくなりました。

 スズメ激減の理由はよく分からないみたいです。
 農薬の撒布のおかげで昆虫などのエサが減ったとか、住宅の構造が変わり巣を作れる場所が減ってきたとか、あるいは営巣適地や食べる餌の減少でスズメの少子化(一回に産む卵の数が減った)が進んだからとか言われていますが、決定的なことは分かりません。ただし今のところ絶滅危惧種に指定されるほど減ったわけでもなく、生態の均衡が崩れた様子もないので問題にもありません。農家にとってはむしろありがたいことですから。

 ところで、さらにあちこちのページを読み進むうちに、スズメはもともと人間の近くにいたがる鳥だということも分かってきました。私の知らなかったことです。

 ツバメが玄関の軒先に巣をつくるのと同じで、人間の動きの激しいところにはヘビなどの天敵が少ないのでスズメも適当な距離を保ちながら、常に人間のそばにいたのです。
 上野のスズメが珍しいのではなく、それが普通の姿だったようです。
 私が子どものころ見ていたのは田園地帯のスズメで、そこでは人間こそが天敵ですから近づかなかったのでしょう。中国でハトが人間に近づかないように、田舎のスズメは田舎らしい習性を身に着けたのです。
                             (この稿、続く)

(参考)
スズメについてよくある質問 - 三上修 MIKAMI Osamu - Google Sites
あれ?最近見ないな...ひっそりと激減していたスズメ - NAVER まとめ


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