2015/2/12

「親としてすべきこと」B〜子どもが学校に行けないというとき  親子・家族


 子が「学校に行けない」「学校に行きたくない」と言ったら、世の親はどんなふうに考えるのでしょう。
「怠け癖が出てきたな」と思うのでしょうか。「何か問題を抱えているのかな」と心配するのでしょうか。それとも「ああ、来るべきものが来たな」と考えるのでしょうか。
 もちろん子どや家庭に個性があり、その日までの過程が違いますから一概に言えないでしょうが、その基本となる感じ方にはいくつかの類型があるのかもしれません。

「お父さん、私、学校に行けない。校舎に入れない」
 高校2年生の娘にそう言われたとき、まず感じたのは“これは本格的な不登校だ”という確信です。そして“この子に起るのか”という驚きでした。
 何しろ1歳になった時から15年半も、一日も休まずに通い続けた子です。冗談半分とは言え、あと一年半頑張れば新車を買ってもらえる子です。その子が[
「学校に行けない」となればこれが本格的でないわけはありません。
 ただし、このことはまったく予想していませんでした。親としてではなく、ひとりの教育関係者として、この子はもっとも不登校から安全な子だったからです。 

 勉強が飛び抜けてできるわけでもありませんがまったく遅れてしまっているわけでもない。友だちも学校の内外に多く、その関係は安定している。学級委員のような仕事も好んで行い、生徒会活動も嫌いではない。部活にも熱心に取り組んでいる。そのうちのどれか一つがつぶれても、他の何かでいきいきと生きていける――それはいわば何本ものアンカーで港に係留された船のように、安定して決して流れ漂わないはずのものなのです。
 私の娘というのではなく、ひとりの子どもとして、私が見てきた児童・生徒の中でも最も安全なひとりなのです。その子が学校に行けない――。
 私の驚きはそういう質のものでした。

「部活が苦しい」と娘は言います。
「どんなに頑張っても選手になれない、努力してもついて行けない」
「だったら辞めればいいじゃないか」と言うと、
「辞められない、辞めさせてもらえない」そう答えます。
 辞められない部活などあるものかとも思ったのですが、いくら話しても埒が開きそうにありません。私の方はその夜に開かれるPTA役員会の準備もしなくてはならず、それ以上、電話で話続ける余裕はありません。そこで、
「勤務時間が終わる5時10分になったら迎えに行くので用意していなさい。こちらで話をしよう」
 そう言って電話を切りました。娘が助けを求めている以上、会って話をしなければならないことははっきりしていました

                               (この稿、続く)

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