2013/7/2

「非科学の話」  教育・学校・教師


【第一話】
 10年ほど前の話。

 桃栗三年柿八年と言いますが、我が家の庭にあった柿は丸15年たっても実をつけず、毎年秋に大量の葉を降らせる迷惑ものでした。そこで母が「あんな木は大したものでもないから切っておしまい」と言いだし、しかし家を建てる前からあったものですから乱暴なこともできず、じゃあ来年、神主を呼んでお祓いでもしてもらって・・・と言っていたらその秋、
 大量の実をつけ、以来毎年、干し柿がずいぶんたくさん作れるようになりました。


【第二話】
 以前、やたらと鳥を飼育している学校に勤めていました。普通の小鳥以外にチャボもウコッケイも、そしてクジャクまでいたのです。ただしどれもお年寄りで、とくにウコッケイは尾羽打ち枯らしたという表現がぴったりなほど惨めな姿です。鳥も年を取ると毛並みがボロボロなのです。子どもたちがいくら世話をしてもタマゴひとつ産みません。

 それを校長先生がとても残念がって、
「何とかならないものかねェ、毎日タマゴを産めば子どもたちも本当に張り合いなのに。若いニワトリを入れるっていう訳にも行かないし・・・」
 ニワトリというのは縄張り意識が強く、追加というものができないのだそうです。新たに入れると新旧で壮絶な殺し合いが始まります。そこで校長先生は、
「いっそのこと、今の鶏、殺しちゃいましょうか? 校長がやれば問題ですが、先生(私のこと)ならいいでしょ、どうです?」
(そりゃ、私でもダメでしょう)と言いかけて、まったくの本気話ではなさそうなので、
「いいんですか、そんなこと言って。ウコッケイに聞こえますよ」と軽くたしなめておきました。
 ところが本当に聞こえていたらしく、翌週からお婆さんのウコッケイが必死にタマゴを産むようになったのです。

 結局それから1年ほどして死ぬわけですが、あんなに頑張らなければもっと長生きしたのかもしれません。冗談でも言ってはいけないことがあると、あらためて思いました。


【第三話】
 娘から預かっているウサギが体調を崩したので二回ほど動物病院へ連れて行って注射を打ってもらいました。それ以来、ウサギは私の顔を見ると逃げ回るようになりました。

 そのことを愚痴ると妻がウサギのところに行き、こんなふうに話しかけます。
「それはダメでしょ。あなたと違って学校のウサギは皆になついて、エサを出すと掌から食べたりするのよ。あなたもペットとしての自覚を持って、ちゃんと愛想を振りまかないと誰も面倒を見てくれなくなっちゃうよ」

 それから一日、ウサギも考えたのでしょう。翌日、家に帰ってケージから出すと、しゃがんでいる私の周りをいきなり駆け回り始め、何周も何周も繰り返して走って、それから一休みして、今度は逆回りに回って見せます。ためしに掌にラビットフードを乗せると、初めて私の手からエサを食べました。

 やはり口にしないことは伝わらないのです。植物も動物も、ちゃんと言わないとするべきことをしません。
(もっとも娘に言わせるとウサギの件は、いうことを聞かなかったのは私が舐められていただけで、真の権力者が言いつければ聞くに決まっている、のだそうです)


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